第三章 7
ラミル森の主に深々と頭を下げると、刃の欠けた剣と大地の剣を鞘に納め、大地の剣を右手に持ってジラルたちの元へ戻っていった。
「まさしくこの薬草です、あの巨大な魔物を倒したのですか?」
「いいえ、彼は魔物ではなく、この森の主でした。徐々に体が巨大化してしまっているようですが、私に約束を守る替わりに薬草と、この剣を授けてくれました」
「約束?」
「はい、とりあえず村に戻ってから詳しく話します」
薬職人に薬草を渡して急いで村に戻ると、兵士も含めた全ての村の者たちを集め、森の主と交わした約束をみんなに話した。
「ラミル様、森の主と交わした約束はわかりました。森は私たちにとっても大切な恵み、森の主がそう言うのであれば、もう森に入ることはしません」
村長は主との約束を必ず守ると誓った。
ジラルの家に戻ってしばらく休んでいると、薬職人の男が薬を持ってやってきた。
「ラミル様、約束の薬が出来ましたのでお持ちください。薬草も村で育てることができるようになりますから、また薬が必要になったらいつでも村に来てください」
ラミルは礼を言って2種類の毒消し薬を貰い、カイルへ戻るためにアバブを後にした、夕方にはカイルの町に戻ることが出来たが、次の町は着く前に夜になってしまうと思い、今夜はカイルに泊まることにした。
(少し遠回りしてしまったけど、薬も剣も、必要な物を手に入れることができたね)
(父さんから貰った剣、あんなになってしまって・・・)
(健人、気にするなよ、森の主もこれからの戦いは鋼の剣で勝てないと言っていたし、太陽の剣を手に入れるまでは大地の剣で戦うしかない、それにジラルはあの剣を村の宝、誓いの証として大切にしてくれるって言ってくれたし、それはそれで良いよ)
(アバブのみんなが約束を守れば、森の主も村の人たちと共存してくれるだろうしね)
夜が更けて、ラミルは深い眠りについた。
助けて、助けて・・・
助けを求める女性の声を聞いて目が覚めた。
(誰だろう、誰かが助けを求めている)
(僕たちが早く悪魔を倒さないと、第2、第3のサントの悲劇が起こるってことじゃないのか?)
(そうだね、早く太陽の剣を探し出さないといけないね)
すでに外が明るくなっていたので支度を整えて外に出ると、馬に乗った戦士がこちらに向かってきた。
「ラミル、大変だ、森が、森が・・・」
ジラルが馬上で叫んでいる。
「どうしたのですか、森に何かあったのですか」
「森が何者かに荒らされた、あの森の主がやられてしまった」
「えっ?あの主がやられた?」
「頼む、すぐに来てくれ」
ジラルの後ろに跨ると、アバブの村へ急いだ。




