第三章 5
3人はなんとか魔物に遭遇することなく森に着き、数種類の薬草を手に入れることが出来た。
「村で育てられるだけの量を手にいれることができましたので、あとは泉の・・・」
「それでは一番肝心な薬草を手に入れにいきましょうか」
「はい」
「ところで、どのような魔物がいるのですか」
「とても巨大な魔物と言いましたが、大きな爪と牙が凄くて、薬草を手に入れようと近くまで行った兵士は、とてもではないけど太刀打ちできないと言って逃げてきてしまって」
「そうですか、見てみないことには何とも言えませんから、泉の近くへ行ってみましょう」
森の中を歩いて行くと、3人はねずみの魔物に囲まれた。
「ジラルさん、こいつらは盾で叩き落して、動きが鈍ったところを剣で攻撃してください」
ラミルがその経験から戦術を教えると、2人で魔物を次々と叩き落としながら退治していき、薬職人の男はラミルとジラルのそばを離れないようにしていたが、2人の隙をついて襲ってきたねずみの魔物に持ってきた駆除薬を吹きかけてみると、地面に落ち、泡を吐いて動かなくなって元の姿に戻っていった。
「やった、効いた、薬が効きましたよ」
効果があると知って男は駆除薬を使い、3人で残りの魔物を全滅させると、巨大な魔物がいるという奥地の泉へと進んでいった。
徐々に泉に近づくにつれ、何やら強烈な臭いがしてきた。
(それにしても凄い臭いだな、はじめて嗅ぐ臭いだな)
(ここからは1人の方が良いんじゃないか?ジラルさんに職人さんを守ってもらって)
(そうだな、1人の方が戦いやすいし、もしもの時には逃げることもできる)
「ジラルさん、ここから先は私1人で行きますので、2人はここで待っていてくれませんか?」
「しかし・・・」
「必要な薬草は私にはわかりませんから、魔物を倒して安全になったら2人を呼びに戻ってきます。それまではここにいてジラルさんが彼を守ってください」
「1人で大丈夫ですか?」
「たぶん・・・いえ、わかりません。ただ私が戻らない場合は、2人ともすぐに逃げてください」
「わかりました」
ラミルは2人を置いて森の奥へと進んでいくと、鼻をつくような強烈な臭いが強くなってくる。
(それにしても凄い臭いだな)
(獣の臭いというよりも、血の臭いの方がかなり強いような・・・)
(でも兵士たちは逃げ帰ってきたはずだから、なぜこんなに血のような臭いがするんだろう?)
「ガルルルル」
(聞こえたか)
(うん、きっと魔物の声だな)
「ガルルルル」
(かなり近いみたいだ、気をつけろ)
大きな木の陰に身を潜めながら泉に近づくと、見たことのない大きさの魔物が横たわっている。




