第三章 4
翌日、早速ジラルと共に薬職人のもとへ向かった。
「おはよう」
「やあジラル、こちらの方は?」
「このまえ話したラミル様だよ」
「あの・・・ラミル様っていうの、やめていただけませんか」
2人は不思議そうな顔をしている。
「どうも年上の人に様って呼ばれるの慣れていないので、それにジラル様も戦士ですし」
「そうですか、じゃあラミルって呼んで良いかな?」
「はい、そうしてください」
「ところでジラル、なんの用だい?」
「前に頼んでおいた薬だけど、できたかい?」
「魔物の毒に対応する薬か、蛇毒はまだだけど、それ以外の毒の薬なら出来たよ」
「その薬、譲っていただけませんか、もちろんお金は払います」
「ラミルさん、あなたは戦士ですからお金はいりませんが、今は薬草が不足しているので、王宮から頼まれている分を考えると、今ここでお譲りできるほどの量が作れないのです。最近は裏の森にも魔物が出て、なかなか薬草を取りに行けないのです」
「私も同行して何度か行ったのですが、あまりの魔物の数の多さに逃げてくるのが精一杯で・・・」
「しかも、薬を作るのに最も大切な薬草が生えている泉の近くには、巨大な魔物が棲みついているらしくて、誰も近づけないのです」
「巨大な魔物・・・そうですか」
(健人、どうしようか)
(でも薬草が無いと困るし、ジラルさんも戦士なんだから二人で行けば、なんとかなるかもよ)
「ジラルさん、私と一緒に、その森の泉に行ってみませんか?」
「えっ?一緒に行っていただけるのですか?」
「その薬草を手に入れて薬を大量に作れるようになれば、私も助かりますし、多くの人たちの役にも立ちますよね、早速行ってみましょう」
「すぐに支度してきます、ここで待っていてください」
ジラルを待つ間に職人に話を聞いてみた。
「ここにはどのような薬があるのですか?」
「熱を下げたり、それほど大きくない傷でしたら、すぐに血を止めたりすることの出来る薬があります。それから薬とは違うのですが、この近くでは昔からねずみの被害が多いので、魔物に効くかどうかは試してはいませんが、ねずみ用の駆除薬を改良したものも作ってみました」
「それ1つ貰っても良いですか?森へ行く時にたぶん遭遇すると思いますし、試してみますよ」
「ラミルさん、もしよろしければ私も一緒に連れていって貰えないでしょうか?もちろんその薬の効果も見てみたいのですが、さっき話した以外の薬草も多めに手に入れてきて、村で育てられるようにすれば、危険な思いをしてわざわざ取りに行く必要が無くなると思うんです」
「そうですね、それは良い考えだと思います。それでは一緒に行きましょう」
支度を整えたジラルが戻ってきた。
「お待たせしました、行きましょう」
「はい、彼にも一緒に行ってもらうことにしました」
「えっ?しかし・・・」
ジラルがいない間にした話をすると、ジラルもすぐに納得した。




