第三章 2
ラミルは、アバブの村へ向かう道を急いで歩いた。
村に着くのが夕方になってしまえば、そのまま村に泊ることになるだろうが、出来ることなら頑丈な城壁の有る町に泊る方が安全だと思い、早々に用事を済ませて夜までにカイルの町に戻って来たいと思っていたが、その途中で2人の鼻は嫌な臭いを感じた。
(おいラミル、なんか思い出したくない臭いがしないか)
(うん、怪しいな、出てくるかもな)
ラミルはゆっくりと辺りを警戒しながら歩いていくと、道の脇にある草むらから数匹の魔物がいきなり飛びかかってきた、小型だが鋭い牙を持っていて、とても動きが速い。
(なんだ、こいつら、やたらと動きが速いぞ)
ラミルでもなかなか捉えられないほどの速さで、しかも変則的に飛び跳ねながら鋭い牙で噛み付いてくるため、その動きに戸惑っていると、突然後ろからも攻撃された。
(囲まれた、こんなにいるとは・・・まずいぞ)
同じ奴が2、30匹はいて、完全に囲まれて四方から次々と飛びかかって攻撃してくる。
剣を振り回しても、小さくて速いので、剣がかするのが精一杯で致命傷にはならず、兜や鎧で守られている部分は良いが、そうでない場所は徐々に血が滲むような傷が出来てきた。
(ちくしょう、何とかなんないのか)
(ラミル、盾を使おう、剣で斬れないなら、とりあえず叩き落として防御するしかない)
飛び込んでくる魔物を盾で叩き落とすと、落とされた一瞬だけ魔物は動きが鈍る。
(チャンスだ)
ラミルは一瞬動きの鈍った魔物に剣で致命傷を与えた・・・コツをつかむと魔物を次々と倒していったが、全て倒し終わる頃にはかなり息があがり、腕や顔は切り傷だらけになっていた。
(それにしても動きが変則で嫌な奴だったな、もっと多かったら危なかったよ)
(一匹ずつ叩き落してから刺すなんて効率悪いな、なんか良い方法を考えないとだめだ・・・おい、それよりこいつらを良く見てみろよ、こいつらねずみだぞ)
魔物の死体がねずみに戻っていた。
(ねずみが変化した魔物だから動きが速かったってことか)
(小さいから相手の一撃が致命傷にはならないけど、かなり手強かったな、凄く疲れた)
その後も同じ魔物と何度か遭遇したが、一度戦い方を覚えてしまうと疲れるが、それほど相手の攻撃を受けずに倒せるようになった、しかし、数が多いと本当に面倒な相手だ。




