第二章 13
「私の名はザギルだ、この私を選ぶとはお前もついてないな。私は戦士で一番強いと言われるジクーズと互角と言われている、残念だが見習いで我慢しておくべきだったな」
ザギルは、まだ若いラミルを見て不敵に笑っている。
ラミルも王様に一礼して立ち上がると、準備運動するかのようにゆっくりと体を動かし、体が完全に温まって準備が整うと、再び王様とザギルに向って頭を下げた。
(健人、また君に任せていいかな、もう一度あの戦い方を見ておきたいんだ)
(いいよ、わかった、任せて)
ザギルがラミルに近づいていって2人が向き会うと、互いに剣を抜いて構えた。
健人は剣を両手で持ち、その剣先を右下にした剣道で言う下段に構えると、ザギルはそれを見て笑う。
「なんだ、その構えは、そんな隙だらけの構えで、しかも鎧も着けずに勝てると思っているのか」
「鎧はいりません、それにこの構えは私のやり方ですから、気にしないでください」
「この俺を馬鹿にしているつもりか?なめやがって」
ザギルは毒づいて剣と盾を構え直した。
王様も今まで一度も見たこともない構えをしたのを見て、ジクーズが学校で見たことは偶然でラミルは救世主ではないと残念に思いはじめていたが、その戦い方を実際に見たことのあるジクーズだけは真剣な眼差しでラミルを見ていた。
(あの見たこともない構えから繰り出される剣の速さと体の動き、何よりも相手の動きを冷静に見極めて一撃で相手の急所を仕留める速さ、今度は最初からじっくりと見させてもらう)
健人はザギルをじっと見つめていた、突然受けることになった兵士試験、真剣を使っている以上、そして鎧すら着けていない状況で気を抜けば大怪我ではすまない。
王様が号令をかけた、健人は動かぬままザギルの出方を見る。




