第二章 9
ジクーズはラミルに近づいて肩に手をかけた。
「少年よ、すばらしい動きと剣捌きだ、名前は?」
「ラミルと言います」
「ラミルか、ではラミル、君はなぜ兵士と戦うことになった?」
「王宮の兵士になりたいのです。そのためには兵士に勝たないといけないと言われたので」
「君は兵士になりたいのか?しかし、君はまだ若いし学校も出ていないのだから卒業してからで良いのではないか?」
「母さんや村の人々の仇を討つためにも、すぐに兵士になりたいのです」
「そうか、君はサント村の者か、母を失い、仇を討ちたいという気持ちはわかるが、兵士になるには兵士と戦うだけでなく王様にも認められなければならない、確かに君のその腕前ならば、私が推薦すれば兵士見習いくらいにはなれるだろうが・・・」
「兵士見習い・・・」
(見習いでも王宮には行けるぞ)
「お願いします、見習いで結構です、ぜひとも王宮へ連れていってください」
「そうか、もう覚悟は出来ているということか、だが私の一存で決められることではない、王宮に戻り王様に話をした上でお許しを得られたら使いの者を迎えに来させることにしよう、それで良いか」
ラミルは少し戸惑っていた、しかしそんなラミルをよそに健人が答えた。
「はい、お願いします」
近くにいたラシンドだけでなく、ラミル自身も健人の素早い返事に驚いた。
「そうか、見習いになって王宮へ行けばそう簡単にここに戻ってくることは出来ないから、王宮で生活できるように必要な物を準備しておくように、わかったな」
ジクーズには王様を説得する自信があった、学校も出ていない少年だが、その素質には目を見張るものがあり天性の何かを持っているような気がしてならなかった、この少年はきっと強くなる、いつかは戦士となり先頭に立ってこの国を守る男になる、そんな気がしていた。
ジクーズはラミルに笑顔を向けると、まだ少し放心状態の兵士を連れて去っていった。




