第二章 6
ラミルは思った以上の兵士の動きの良さに、学校で教わっていた型では攻撃するどころか兵士の攻撃を避けるのに精一杯だと思ったが、健人からは動揺している様子が一切伝わってこない、それどころか驚くほど冷静に相手の細かな動きを見ていて、まるで兵士の次の攻撃を読もうとしているのではないかと感じた。
そんな健人に対して兵士は次々と攻撃を仕掛けてくるため、周囲で見守っていた者たちも防戦一方のラミルを見て声援は徐々に小さくなっていき、誰もが兵士に勝つのは無理だと諦めかけていた。
「どうした小僧、生意気なことを言っていたが手も足も出ないな、兵士になるのは諦めろ」
息子を止めることも出来なかったラシンドは、ただラミルが大怪我をしないでくれと祈るだけだが、戦っている健人本人はそれほど追い込まれてはいなかった、そしてそんな健人の心の中がラミルには伝わってきていた。
兵士は確かに先生よりも動きは良いし速くてキレもある、しかしその攻撃パターンはどちらかと言えば単調で、大振りのことも多くて無駄も多い、その動きの速さに目が慣れてくると相手の初動で何となく攻撃が読めるようになってきて、その動きを見切ったように攻撃をかわしながら隙を伺うことも出来るようになってきていた。




