第二章 5
(なんだ、こいつ、さっきから子供、子供って馬鹿にしやがって、もう頭にきた)
(健人・・・)
「勝てると思っているから、挑んでいるのですが駄目ですか?」
(健人、おまえ何言っているんだよ、子供同士の喧嘩じゃないんだぞ)
「生意気な坊主だな、良いだろう、もし勝てたなら王宮へ連れていってやる。ただし、俺も剣には自信があるから無駄だと思うがな。おい誰か、剣術で使っている剣を持ってきてくれないか」
兵士とラミルの話を聞いていた子供たちが小屋から剣術用の剣を持ってくると、兵士は数本を振ってみてから剣を選び、ラミルは普段授業で使用している一番重い剣の半分より少しだけ軽い剣を選んで構えた、すぐに2人を大きく囲むように人垣が出来て歓声が上がった。
「本来なら兵士試験では真剣で戦うのが決まりだが、子供なんて斬ってしまったら後味悪いからな、でも少しぐらい怪我をしても恨むなよ」
馬鹿にした発言を繰り返す兵士に、健人はさらに挑発するように言い放った。
「確かに斬れない剣でも鉄ですからね、子供だと思って侮っていると逆に怪我しますよ、そしたら恨まないでくださいね」
兵士の顔色が変わった、頭に血が上ったようで健人の術中にどんどん嵌まっていく。
(健人、お前って・・・)
ラミルはすっかり不安になっている。
「本当に生意気な小僧だ、手加減はしないから覚悟しとけよ」
そう言う兵士を健人は、わざと挑発するように言葉を続ける。
「なんだ、手加減するつもりだったんですか?それなら言っておいて良かった。負けてから後で手加減していたなんて言い訳されたら困りますからね」
兵士はもはや冷静ではいられなくなり右手に持った剣に力を込めると、いきなり大きく振りかぶって襲いかかってきた、いくら冷静さを失っていたとしても、やはり兵士の動きは学校の先生とは比べ物にならないほど鋭い。
健人は最初の一撃を軽く下がって避けると、剣道のように剣を両手で持ち中段で構えた。




