第二章 4
確かに兵士が言うように実戦経験の無いラミルがすぐに兵士になれるとは思っていなかったが、そう簡単に諦めるわけにはいかない。
(なぁラミル、兵士になるための条件って何だ?)
(僕も良く知らない、この兵士に聞いてみるか)
「待ってください、兵士になるためには、どうすれば良いんですか?」
「そんなことも知らないのか?兵士になるためには、王宮で行われる試験で兵士と戦って勝つか、引き分ける、つまり実力を認められなければなれない。試験を受ける者は学校を出てから、剣の腕を磨いて来る奴ばかりで、その中でも兵士になれるのはわずかしかいないんだ。お前のように学校も出ていない子供が試験を受けたことも無いし、もちろん兵士になった奴もいない」
「そうですか・・・」
(ラミル、もし僕たちがこいつに勝ったら兵士になれんのか?)
(えっ?)
(ラミルなら、きっとこの兵士に勝てると思うぞ、そんな気がする)
健人は剣術の授業で見せたラミルの実力を信じていた、というか根拠などどこにも無かったが勝てる自信があった。
もちろん健人自身も実戦経験などあるはずはないが、たとえ死を覚悟するような戦いでなくても剣道では1対1で戦うし、斬れない竹刀を使うとしても強烈な面が決まれば脳震盪を起こすようなことだってある、普段から大人相手に剣道の稽古に励み、時には力の差を見せつけられるように叩きのめされる経験をしている健人には根拠は無くても、ラミルの強靭な体と剣捌きがあれば兵士に勝てるという確固たる自信があった。
(ラミル、ここは僕に任せてくれないかな)
(えっ・・・)
「兵士さん、もしこの場で僕があなたと戦って勝ったら、王宮へ連れていってくれませんか?もちろん負けたら素直に諦めて、学校を卒業してから兵士試験を受けに行きます」
「この俺と戦うだと?ずいぶんとなめられたものだ。お前のような子供が、戦士様に同行することを許された俺に勝てるとでも思っているのか?」
「ラミル、何を言っているんだ」
ラシンドは動揺した、まさか息子が兵士に戦い挑むとは思ってもいなかった。




