第二章 3
「父さん、話がある・・・」
「ラミル、どうした、何かあったのか?」
「父さん、今まで黙っていたけど、実はこの数日間、僕はある声を聞いていたんだ」
「声?」
「誰の声なのかはわからないけど、その声はレミル様が使った太陽の剣を探し出して闇と戦えって言ったんだ」
ラシンドは、突然訳のわからないことを言い出した息子を呆然と見ている。
「本当はね、聖戦士に興味を持って一生懸命に本を読んだのも、謎の声を聞いたからなんだ」
「お前は、村が襲われることを知っていたのか?」
「それは知らなかったよ、だけど何か恐ろしいことが起こる予感はしていた。まさかサントが襲われるなんて考えもしなかった・・・」
ラシンドは息子の言うことを、ただ黙ったまま聞いている。
「その声は、今起こっていることは全て僕の運命だと言っている、だから僕は太陽の剣を探して皆の仇を討たなければならない、村を襲った者を倒さなければいけないと思うんだ」
「ラミル、お前・・・」
「僕は王宮へ行って兵士になって太陽の剣を探す、だから父さんに太陽の剣を探し出すまでに戦うための剣を作って欲しいんだ、僕は太陽の剣を見つけるまで父さんが作った剣で戦いたい、お願いだから僕に剣を作って」
真剣な眼差しで自分を見つめるラミルを見て、その決意が揺るぎないものであることはラシンドには十分すぎるほど伝わっていた、しかし、まだ学校も卒業していない我が子に何が出来るのか?危険を承知で行かせることなど出来ないと思っていた。
「お前はまだ学校も出ていないし、一度も戦ったことのないお前が兵士になるのは無理だ」
「大丈夫だよ、あの声が聞こえる僕はきっと何者かに選ばれた者だと思うんだ、奴らを倒す力を持っているから、あの声が僕に戦えと言っているんだと思う」
「しかし、お前はまだ若い、学校で教わった剣術が実戦で役立つとは思えない」
「でも誰かがやらなきゃならないんだよ、声の主が言うようにそれが僕の運命なら戦う」
2人の会話をなんとなく近くで耳にした兵士が声をかけた。
「おい坊主、母親を殺されて仇を討ちたい気持ちはわかるが、さっきから運命だかなんだか知らんが、その年で兵士になるだと?笑わせるな、いくら体は大きくても所詮は子供、子供は大人の言うことを聞いてじっとしていれば良いんだ。お前のような子供に何が出来る、祠を守っていた兵士たちでさえ全滅させられているんだぞ、学校で教わった剣術では敵を倒すどころか兵士にだってなれないさ」
兵士はラミルを見下すような目で見ると、鼻で笑いながら立ち去ろうとした。




