第五章 17
シチラの兵士たちは町の人たちを人質にとってアルムの戦士や兵士と交戦している。
戦士や兵士も必死に応戦しているがシチラの兵は強く、しかも人質を取られているため思うように戦うことができず、勝負は一方的になっている。
その騒ぎに気付いたロザイルとナナは広場に向かったが、ロザイルはまだ少し腰が痛むため十分に動くことができない。
「あっ!あいつはザギルだ、まずいな僕たち2人では相手が悪いよ」
「ザギルって奴はそんなに強いの?」
「特殊な魔力を使うんだ、それにラミルも何度か戦っているけど、いつも逃げられてしまう」
「逃げるの?それならそれほど強くないんじゃないの?」
「そういう訳じゃないんだ、ラミルの攻撃をかわすだけの能力は持っているし、毎回会うごとに強くなっていてラミルも力で押されてしまったこともあるんだ」
「そうなんだ・・・だとすると私たちだけで戦うのは辛いね、ラミルはまだ戻ってこないし」
「恐らくアルムの兵士にも勝ち目は無いよ、ラミルが戻るまで僕たちが時間を稼がないと」
「でもロザイルも体調は十分じゃないし・・・」
「それでもやらないと、この町まで全滅させられてしまったらラミルに合わせる顔が無い」
「そうだね、やるしかないね、行こう!」
2人はアルムの兵士たちを押しのけるようにしてシチラ兵たちの前に出た。
「お前たち、何をやっているんだ!」
「ロザイルだ、あ、あの時の女もいる」
「ほう、それではあの女が持っているのが水の杖か、ラミルは居ないようだな」
ザギルはロザイルとナナを見てニヤリと笑った。
「おいザギル、貴様何をしている、卑怯だぞ、町の人たちを放せ」
「この町にお前たちがいると思ってな、今のうちにお前たちを倒しておかないと、ガルディア様を邪魔する存在になられては困るからな、ところでラミルはどうした、逃げたのか」
「ラミルが逃げるわけないでしょ!いつも逃げるあんたなんかと一緒にしないで!」
「生意気な女だな、まあ強がっていられるのも今のうちだ」
ロザイルとナナが現れたため、ザギルはとうとう剣を抜いて構えた。
「さあ、かかって来い、お前たちの相手はこの私だ」
ロザイルは腰の痛みを堪えて槍を構えた。
「こんな奴に馬鹿にされて・・・許さないから」
ナナも杖を構えたが、町の人が人質に取られているため、ザギルやシチラ兵に向かって呪文で攻撃することはできず、どうしたら良いか考えている。
ザギルは躊躇しているナナに攻撃を仕掛けた、ロザイルがナナを庇うようにザギルの攻撃を槍で受け止めたが、いつまでも持ちこたえることは出来なそうだ。
「しかたないわね・・・ウォルト」
ナナは水の壁を作って防御を試みるがザギルの攻撃を完全に防ぐことはできず、十分に動くことが出来ないロザイルは大きなダメージではないが傷を負う。
(お願いラミル、早く戻って来て・・・)
ナナは必死に願った。




