第五章 16
ラミルは再びレミルの墓の前に来た。
(墓石を砕くなんて、あまり良い気がしないけどな)
(でも、この中にあるんだから・・・)
ラミルは紋章の刻まれた石を持ち上げて近くの岩の上に乗せ、剣を抜いて石に叩きつけた。
大きな亀裂が入ったので手に取って割ってみると、そこには真珠のように光の当たる角度によって7色に輝く石がおさめられていた。
(あった、これだ)
ラミルはすぐさま全ての腕輪をはずし、力の腕輪に光の石、技の腕輪には雷の石を付けると、3本の腕輪を全て右腕に着けて剣を抜いた、今まで黄色に輝いていた剣が真紅に変わる。
(色が変わった)
(とうとう、太陽の剣を手に入れたんだな)
(急いでジールへ戻ろう、2人に合流して鞭を使う者を探すんだ)
ラミルはジールへと急いだ、アンの南を通ってレバル山を右に見ながらジールを目指していると目の前に魔物が見えた。
ラミルは太陽の剣の力を試すため、わざと魔物に接近して馬を降りて剣を抜いた。
魔物はラミルに気付いて襲いかかってきたが、ラミルは攻撃を避けて太陽の剣がどんな力を発揮するのか様子をみる。
(魔物たちを元に戻していったと書かれていたよな、殺さずに済むならそうしたいけど)
(そうだな、出来ることなら動物をこれ以上殺したくはない)
太陽の剣が赤く輝き、剣全体から暖かく包み込むようなオーラが出てラミルの体を包み、そのオーラが魔物の方へと流れていくと魔物たちは牙を剥き出していた顔が穏やかになり、バタバタと気を失って倒れていった。
(何もしていないのに倒れたよ、まさか死んでしまったのか?)
ラミルが剣を構えたまま見ていると魔物たちは元の動物の姿に戻っていき、意識を取り戻すとラミルに見向きもせずに逃げていった。
(やった、殺さずに済んだよ、きっとこのオーラに秘密があるんだな、倒さないで済むなら、この方法で助けていきたい)
(どうしても戦わなければならない場合はしかたないけどな)
(そうだね、さあ先を急ごう、まだ2人はジールにいるかなあ)
ジールにだいぶ近づいた頃、上空に怪しい黒い雲がかかってきていることが気になった。
(なんかいやな雲だな・・・)
(おい、あの雲ってサントが襲われたときと同じじゃないか?)
(えっ?あっ、そういえば似ている、まずい、急がないとジールが危ないのかも)
上空を覆う雲は大きくなり、昼間なのに辺りは暗くなっていく。
急げ、ラミル、2人が危ない。
ジールにザギルが現われた、あの3人では勝てない、急げ。
ムーラの声が聞こえる。
(ザギルだと・・・今度こそ決着をつけてやる)
(でも今、3人って言わなかったか?)
(もう1人は誰なんだ?まあいいや、とりあえず急ごう)
ラミルはジールへと急いだ。




