第五章 7
「おばあちゃん、久しぶり」
「ナナじゃないか、いったいどうしたんだい」
「実は・・・」
ナナは祖母に、ラミルたちと悪魔を倒しに行く話しをした。
「何を馬鹿なことを言っているんだい、お前にそんなことが出来るわけないじゃないか」
ラミルが口をはさんだ。
「お婆さん、ご心配なのはわかります、しかし彼女は選ばれし力を持っているのです。聖戦士アキュアが使ったとされる水の杖を使えるのは彼女だけなんです」
「でも、この子は女の子ですよ」
「わかっています、でもどうしても彼女の力が必要なんです、どうかお許しください」
「ナナ・・・お前には本当に困ったものだねえ、やはり父さんや母さんの仇を討ちたいのかい」
「それもあるけど、こうして2人が私の力を必要としてくれているの、だからお願い」
「仇を討ちたいのは我々も同じです。私も母親を殺されましたし、彼も父親を殺されたのです」
「そうなの、しかたないわね、とても心配だけど・・・ラミルさん、ロザイルさん、どうかナナをよろしくお願いします」
「はい、わかりました」
「お婆ちゃん、これお父さんとお母さんの物なの、しばらくタンナの家に居られなくなるから持ってきたの、預かって」
「そうかい・・・ところで、ここへは私に会うために来たわけではないのだろ」
「はい、この村の奥に泉があると聞いたのですが」
「ええ、ありますよ、最近は魔物が出るから誰も近づかなくなったけど」
「遠いのですか?」
「すぐそこですよ、村の南を出たら1本道があるから真っ直ぐ行けば良い」
「そうですか、ロザイル、ナナ、早速行こう」
3人は大きな荷物と馬を祖母の家に置くと村の南の道を泉へ向かった。
「私も泉には始めていくからどんな所か知らないけど、杖は泉の中にあるの?」
「ムーラが言うには泉の中に隠されているらしい、シチラの奴らも探しているらしいんだ、まだ泉にあることに気付いていないといいんだけど」
しばらく山道を歩いていくと、人の声が聞こえてきた。
「まだ見つからんのか、さっさと見つけなければ」
「奴らに先を越されるわけにはいかないぞ」
「しかし、本当にこの泉にあるのですか?これだけ探しても見つからないということは、すでにあいつらに持っていかれたのでは?」
杖を探しているシチラの兵士たちと思われる者たちの声が聞こえた、3人は兵士たちが見えるところまで近づいて木陰に身を隠した、泉には7、8人のシチラの兵士がいる。
「おいラミル、やっぱりシチラの兵だ、ザギルはいないみたいだけど」
「まずいな、あいつらに持って行かれたら・・・ザギルも居ないし、やるか?」
「私はどうすればいい?」
「あいつらは毒を持たないけど剣を持っている、動きも速いから、ここで見ていてもいいよ」
「あいつらは国の兵士じゃないの?」
「いや、シチラの兵士だ、悪魔兵かもしれないな」
「悪魔兵?」
「うん、簡単に言うと悪魔の手先、術を使うかもしれない」
「私が行ってみる、ラミルたちのことは知っているみたいだし、私なら油断するかもしれない」
「わかった、くれぐれも注意して」
ナナはゆっくりと泉に向かって歩いていき、1人の兵士がナナに気付く。




