第一章 9
魔王の力がさらに強大になっていき3人の戦いは困難を極めていった。
魔王は王の命令と称して王宮の兵士たちの魂を悪魔に売った、魂を売った兵士たちは次々と悪魔兵という凶暴で屈強な魔人兵へと変わっていった。
魔王は悪魔兵に王宮を守護させるとともに魔物たちをも操り、元凶である魔王を倒さない限り民や魔物に変えられた動物たちを救うことは出来ないと悟った3人は、決死の覚悟で魔王と戦うため王宮へ向かった。
その途中、3人は悪魔兵と数匹の巨大な魔物に囲まれた1人の青年を見つけた、3人が慌ててその青年を助けようとすると青年は持っていた剣を素早く抜いた。
青年が呪文のような言葉を発すると剣は真紅に輝き、魔物たちはその剣に触れることなく倒れていき元の動物の姿に戻っていった、だがその剣の不思議な力をもってしても悪魔兵の姿や心が戻ることはなかった。
反撃とばかりに悪魔兵たちが青年に魔法の呪文で攻撃したが、剣が再び真紅に輝いて悪魔兵の放った呪文を撥ね返すと、青年はその剣を天に向かって高く突き上げながら悪魔兵たちに向かって呪文を唱えた、真紅に輝いていた剣が金色に近い色へと変わると剣から雷が放たれて悪魔兵たちを貫き、一瞬にして悪魔兵たちを消滅させてしまった。
3人が駆け寄って声をかけると、その青年は幼さを感じさせるような笑顔を見せた。
青年は北の地より来たという、大きな体、深く澄んだ青い瞳、眩いばかりの金色の髪、真紅に輝く剣を自在に操る青年はレミルと名乗った、レミルは北の国ジセルに代々伝わる呪術師の子として産まれたと言い、神の啓示を受けてジゼルの民に神々の山と崇められるセラム山で真紅の剣を授かったという。
その真紅に輝く剣は太陽の剣と言い、真の主が手にした時にだけ、真の力が発揮されるという。
ようやくレミルと太陽の剣が出てきた、レミルは神様か使途だと思っていたが、どうやら呪術師の子だったために呪文が使えただけで、この太陽の剣を探さなければいけないのだと思った。
そして新たな疑問がうまれた。
(真の主が手にしなければ、真の力が発揮されないということは、ラミルか僕のどちらかが真の主となるのだろうか・・・)
そしてあの言葉を思い出した。
幾千もの時を越えて生まれし、偉大なる勇者の末裔よ。
(僕は、いや僕たちはこのレミルの末裔なのだろうか・・・)




