~あの夏に見た海は決して忘れることはない~
夏の海って知ってる?すごいきれいなんだー。久しぶりにあったたけるは、話し出した。
これは、3年前の夏休みの話でだったかな?田舎に帰ったときの話だ...
俺は、都内の、高校に通う高校1年生、特に、やりたいこともなくただ、たんたんと過ぎていく日々を過ごしていた。
夏休みなにもないならばあーちゃんちでも帰ったら、夏見ちゃんもいるんじゃない?とははが言う。
夏見は小学校の頃よく遊んでいた女の子だ。中学に上がる頃、親の単身赴任で岐阜にすんでいる。
ばあーちゃんちのすぐ近くの団地にすんでいて、今でもLINEでよく連絡を取っている。
僕は支度をして家を出た。セミの鳴き声で耳がおかしくなった。
ばあーちゃんちへは電車を乗り継いで2時間、長旅だ。
この日は台風19号が近付いていて、風がとても強い。
岐阜羽島駅についたのは、15時過ぎだった。この頃には空は一面灰色雲におおわれていた。今夜は雨になりそうだ。
ばあーちゃんちについた。ただいまー。お帰りなさいよく来たねぇ。今夜はすき焼きだよ。
なにかほっとした。夜なるにつれ家がきしむ音は激しくなる。
台風は猛烈な勢力で三重県に上陸その後岐阜も直撃した。近くの川は氾濫寸前、私たちは近くの避難所に避難。
そこに夏見の姿もあった、「夏見?」「たけるくんだよね?」
「久しぶりー」話は弾んだ。高校の時の話とか、がっこうのときの話とか、山崎先生の話とか夜中まで話した。話しても話しても、すべては語りきれなかった。時計の針も12時を回った頃夏見は突然表情を変え、たけるに言わなきゃいけないことがあるのと、言い出した。
あの、実は私...