第7話 かめおの過ち。
昔から小説を書いてみたくて遂に描き始めたのですが最近、様々な英雄が戦う某、スマホゲームで
某、宮廷魔術師を沢山の紙切れと引き換えにゲットしてしまい育成が大変で書く時間が少ないです(^_^*)スキル上げが辛すぎる……時間がほすぃ…
泣き疲れかめおの背中で寝ていたエリスをマリアに預け、未だ十字架に礎にされている情熱的な赤目の少女、
シルヴィ−ロコムンドの前にかめおは立っていた。
『…シルヴィ。お前は何故俺が怒っているか分かるか?』
「ぬぅ……余は分からぬぞ!一体余が何をしたと言うのだカメオよ‼︎」
かめおの言葉に実に心外だ!という言うようにシルヴィは自分の疑問を吐き出す。
『何をしたも何もあれは何だ?人が起そうとしてやったらいきなりき、、っキスをかまして来やがって!…………………俺はなぁ‼︎‼︎あれが人生で初めてだったんだぞ‼︎‼︎』
以外に乙女チックな事を言うかめお(25歳)。
少し顔が赤くなっている。
その言葉を聞いたシルヴィは少し目を伏せ暗い表情で
「…そんなに…そんなにカメオは余とのキスが嫌だったのか……?……余は余りの嬉しさについ……」
とてもしおらしく悲しそうに言うシルヴィにかめおは少したじろぐ。
『い、いや!嫌なんて事は決してないけど‼︎‼︎
″いきなり会った相手〟に起きざまにキスを無理やりするのはいい事じゃないだろ‼︎』
″いきなり会った相手〟その言葉を聞いたシルヴィの顔はさっきのしおらしい態度から一変怒りの中に悲しみを滲ませた表情になる。
「…カメオよ、おぬしは本気でそう言ってるのか?」
『本気も何も、何か間違いがあるのかよ⁉︎』
「…いや、カメオの言う事は正しいのかも知れない。だがな!これだけは言っておこう!
余は!いや、余達は!既にカメオと出会っている。
そして余は……………既に一度……カメオと死に別れているのだ………。」
『…何を言ってるんだ……?』
かめおは本日何度目かになる困惑の表情を浮かべていた。それに対し先程まで、怒りの表情だったシルヴィは、話している途中表情を変え、今では悲痛に顔を変えている。
「…余達はな、カメオのお陰でこの世に生を受けこの世に顕現してなお、記憶があるのじゃ。カメオと過ごした日々、カメオの優しい表情。カメオの楽しげな顔。カメオの悲しげな顔。カメオの余を救おうと世界一恐ろしい化け物に向かって行った凛々しげな顔。
そして…………………動かなくなりどんどん冷たくなっていくこの世で1番愛おしい顔もだ。」
『…………………』
「やっとだ……やっと出会えたのだぞ?そんな相手が目の前に居たのだぞ?余は………そんな愛おしいカメオに出会えたのに、その感情を抑えるすべを知らない。」
『……………………………………』
「カメオにとっては只の妄想の中の1人の人物なのかも知れない…。だが余達は!今!
生きておるのだ。
………………………………………………………………………………………………………………………………………………………ッカメオ⁉︎」
『すまねぇシルヴィ‼︎俺は……最低のクソ野郎だ‼︎
俺1人で混乱してお前達の事全然考えてやれなくて、あまつさえ1番言っちゃいけない事まで言っちまった!許してくれとは言えない。この馬鹿な俺を、いくらでも気がすむまで殴ってくれ!』
既に知っている事だった。彼女達は此処にいる。
自分の妄想の中の住人だった彼女達は何故かはわからないが生きていて目の前に存在しているということを。
しかし考えていない事もあった。自分の事を知り、様々な表情を見せる彼女達。妄想の中でかめおが作り出した彼女達は自分の意思を持ち、感情を持ち生きているのだ。何も記憶のない産まれたばかりの赤子は喋る事も意思を伝える事も出来ない。当然だ。記憶がなければ知識がないに等しいのだから。
しかし彼女達にそれが備わっていた。自分の名前を呼びそれぞれが思い思いの行動を取る。目の前の少女は初めてあった時も直ぐに泣いていた。そして今も悲痛な表情でかめおに言葉を投げつけている。
此処まで言われて気づけない程かめおは愚かではない。彼女達は何故かは分からないがそれぞれが記憶を持ち自分が妄想の中で繰り広げて来た人生を記憶として所有している。そしてそれに気づいたかめおは、
地に額を擦り付け、謝る事しかできないのだった。
「……………………カメオよ、とりあえず拘束を解いてくれぬか?」
目の前のかめおの土下座を真剣な表情で見つめていたシルヴィの口が開かれる。かめおは顔を上げ振り返り、
『マリアさん!シルヴィの拘束を解いて下さい。』
「分かりました。かめお様、体の傷なら幾らでも直しますが、心の傷は私でも中々治せません。彼女の傷を広げてはいけませんよ? それでは 解除!」
シルヴィの拘束が解かれる。かめおは再びシルヴィに向き直り再び頭を地につけたままかめおは言う。
『シルヴィ本当にすまなかった。覚悟は出来てる。』
「………………」
無言でかめおの前まで来たシルヴィ。シルヴィが片手を上げた。次の瞬間。
かめおに襲いかかったのは痛みでも衝撃でもなく頭の裏を撫でている手の温かみだった。
「……………顔を上げてくれカメオよ。」
言われた通り顔をゆっくりと上げ、正座になり手を膝の上に置いて真っ直ぐとかめおを見るシルヴィの目をやるせない気持ちで見つめるかめお。
『…シルヴィ…俺は…』
「………カメオよ、もう良いのだ。」
『だけど俺は‼︎』
「カメオよ先程は余もおぬしの言葉にショックを受けた。余の思いを否定されたようでな……。
だがな…余は此処にいる‼︎そしてカメオも此処にいるのだ‼︎そしてカメオは先程の事を謝ってくれた。
……それで良いではないか。カメオを打った所で余の気持ちは変わらぬ。それより、カメオが此処にいて余のことを考えて、話していることの方が余は何倍も
嬉しい‼︎‼︎だからカメオよ、もう良いではないか。」
『シルヴィ………』
「しかしな!どうしもと言うのならばカメオに2つだけ罰をかそう。」
『………何でも言ってくれ…。』
「先ずは1つ!少し抱きしめさせてくれ‼︎」
そう言った瞬間膝立ちになりかめおの頭に正面から抱きつくシルヴィ。シルヴィの腕の中で驚きの表情となるかめおだが少しの時間を置き震える手でシルヴィの腰に腕を回していた。
「あぁ…………暖かい。 生きているのだな。」
『………ごめんなシルヴィ……グス………本当に
ごべんなぁ……』
情けない声を出すかめお。自分のした罪に気付きそれが許され、全身を包むような温かみを感じ涙腺が崩壊したようだ。
「泣くなカメオよ。余もカメオも今此処にいる。
それだけでこれ程嬉しい。」
「…そしてカメオよ2つ目の罰だ。
もう余を置いて何処かに行くな。」
『……………………ゔん……ゔん…どごにもいがねーよ‼︎』
「それならそれでいい…。だからもう泣きやめ。
余も我慢しているのだから。男だろぅ?」
情けないカメオを本当に大切な物を慈しむような目で見つめ、子供を泣き止ませるように撫でるシルヴィ。
そんな光景が暫く続き、かめおが泣き止んだ後2人は立ち上がりお互いの目を見つめ
『少し恥ずかしいとこ見せちまったな、、、
けど何だかすごく気分がいい。シルヴィは凄いな‼︎
こんなダメな俺だけど側に居てくれるか?』
「愚問だなカメオよ!そんな愚かなカメオには罰が必要らしい。そうだな…今すぐ余を連れ2人きりで何処かに行こう‼︎」
『っははは、シルヴィには敵わないな。だけど今は勘弁してくれ。問題が山積みなんだ。…………………
そのうち………いつかな?
それより改めてよろしくな!シルヴィ!』
「うぬ‼︎‼︎‼︎」
握手を交わす2人。後ろではマリアがまたハンカチを取り出しチーーン!としている。横ではミルキィが目を瞑り うん、うん、と頷いている。エリスは傍でマリアが取り出したであろう毛布にくるまり、気持ちよさそうに寝ていた!その姿はまるで芋虫の如し!
「かめお様、私は2人の深い愛情に大変感激致しました‼︎」
「お前様よ、感動したがちょっと嫉妬してしまったのじゃ。わしも抱きしめておくれ。」
「………ぇへへ……この熊さんのくっきぃはエリが倒してつくったんだょ………」
マリア達の前に戻って来たかめおに声が掛かる。1人は寝言だ。
『ッハハ、マリアさんは茶化さないで下さいよ。
ミルキィはまた今度な!熊さんのクッキーって倒して作るもんなのか……⁉︎』
「いえ、茶化して等いませんよ!このマリア先程からかめお様の行動に心動かされてばかりです‼︎」
「お前様⁉︎………言質は取ったからの……。」
「……ぇへ……これでさんびきめぇ……………」
気分の良いかめおはミルキィの発言にもあまり考えず答えを出してしまう。それについてある事件が起きるのだが、それはまた別の機会に。
寝ている芋虫の言葉とミルキィの真剣な顔を浮かべ何か考え出した姿に苦笑いを浮かべかめおは
マリアに向き直る。
『エリスは物騒だな………それよりマリアさん。
お願いがあるんですけど。』
「なんでしょうか?私にできる事でしたら。」
『此処に来る前に少し話してた事なんですけど俺は自分の状況が全然分からないんです。超越者⁇の事とか、一体此処は何処なのか。1番分からない事は
シルヴィ達の事なんですけどね…。
マリアさんの分かる範囲で教えて欲しいんです。』
「あぁそれでしたら丁度今日は気持ちのいい天気で場所もいいので此処で話をしましょうか。
少しお待ち下さい。」
かめおの言葉を受け後ろに振り返ったマリア。
すると何処からともなく白い円形の机が草原の中に現れそれを囲むように白い椅子が6つ並べられた。
「立ち話も何ですからお座り下さい。お茶とクッキーも出しますので。」
振り返り笑顔で話すマリア。それぞれの席にお茶とクッキーを並べて行く。
『凄いな……それもゲートってやつですか?』
「ッフフ。そうでございますよ。その事も含め私が知ってる範囲でお教え致しましょう。」
『お願いします。っと…ほらエリス起きて。マリアさんがお茶とクッキーを用意してくれだぞ。』
マリアが支度を終えかめおは芋虫の様に毛布にくるまる妹を起こすべく体を揺する。
「……ぅにゅう?………かめにぃ?……………………くっきぃ……………………⁉︎
クッキーの匂いがする‼︎」
芋虫状態だったエリはくるくるっと地面を転がった後すぐに席についた。
『ねぇねぇかめ兄‼︎このクッキー食べていいの⁇』
『あぁ、ちゃんとマリアさんにいただきますって言うんだぞ?』
「はーい!マリアさんってこのお姉ちゃんだよね⁇
お姉ちゃん食べてもいぃ??」
「えぇ。ッフフ、いっぱいあるので好きなだけ食べて下さいね。」
「わーい‼︎エリお腹空いてたんだ〜頂きまーす‼︎」
そう言って幸せそうにクッキーを頬張るエリ。そんな可愛い妹の姿を見て自然と笑みが零れたかめおは両脇に立っている2人に声をかけた。
『それじゃあ俺達も座らしてもらおうか。』
そう言ってエリスの右側の椅子に腰を下ろすかめお。
「そうだな!それでは余がカメオの隣…に⁉︎」
一瞬の事だった。一瞬の、シルヴィが瞬をした瞬間
既にかめおの右側にはミルキィが座っていたのだ。
「…なん…だと…」
「フハハは!小娘に遅れを取るわしでは無いわ!
フハハハハハハハ‼︎」
「小娘だと?それは聞き捨てならんな。歳をとりすぎて足腰が弱って来ているのではないか?それならば老人に先に席を譲るのも致し方ないか。やれやれ。」
「今なんと言った小娘?聞き間違いだといいのじゃが?」
「ッフン、余の言葉も聞こえんとは耳まで老朽が進んでいるらしい。」
『お前ら‼︎‼︎そんなしょーもない事で争うな‼︎‼︎
話が進まないから喧嘩をしないでくれ‼︎
仲良く出来ないなら…………………マリアさ〜ん、また拘束お願い出来ますか?今度は目も塞ぐ形で。』
それを聞いた瞬間大人しくミルキィの右側に座りこむシルヴィ。2人は座った瞬間引きつった笑顔で握手を交わしあっていた。
心なしかみしみしと音がきこえる。
『すみませんマリアさんそれじゃあお願い出来ますか?』
「はい‼︎えー先ずはですね、皆さま先程は誠に申し訳ありませんでし「ちょっとまったぁああ‼︎」え⁇」
マリアが謝罪を口にしようとした瞬間突然大きな声が草原に響き渡る。
果たしてその声の人物とは……………………………?
その人物とはいかに⁉︎