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秋一について

 将軍様のお話は一旦おいておいて、此処で『揺蕩う君に触れたくて』での秋一と私の立場をおさらいしてみようと思う。

 攻略対象の一人である秋一は、幼い頃は花屋敷で姉と共に過ごし、今回のイベントである花屋敷と江戸吉原の花見イベントで姉と共に将軍様に別室へ呼ばれる。

 そこで、女である姉は影武者へ。弟の秋一は将軍様の飼い犬となり江戸吉原の治安を維持する立場となる。

 将軍様が気に入ったのは姉であって、自分はそのついで。更に言うなら、江戸吉原の治安維持の為に姉を人質に取らたようなものだった。

 中々会えぬ姉と主人公を重ね、主人公は見た事のない秋一の姉に胸をもやもやさせる。

 あ、主人公は本来なら女人禁制の江戸吉原の東雲で男装をして働いてる設定ね。

 うーん、本編通りじゃやっぱつまらんよね。

 そうと決まれば、後は決まったような物。ニヤリと心の中で笑い、これからの展開に心が躍った。


「こちらは、あきひとともうします。わたしのじまんの、かわいいおとうとです」


 秋一の肩を掴んで将軍様に向き合わせる。びっくりした秋一は口をはくはくと動かすが、何も言葉になっていない。


「しょうぐんさまのむすめさまのかげむしゃ、そしてごゆうじんというたいへんめいよなおたちば、わがおとうとあきひとがてきにんでございましょう」


 目を丸くした将軍様と使用人さんに向かって、今の私が出来る最上級の笑みを見せた。

 どうだ、男女の立場だけでなく、原作での立場も逆転してやったぞ。

 暫く呆けていた将軍様は、やがて耐えきらないとでもいうかのように笑い出した。


「ふっ・・・・くくくっ・・・・このように・・・・くくっ・・・・笑うのも・・・・ふふっ・・・・久しいの」


 一通り笑って満足したのか、将軍様は上機嫌に語り掛けた。


「なんとも美しい姉弟よ。これは、鳥籠に閉じ込めて愛でるより自由に解き放って自由に飛ぶ姿を楽しんだ方が何倍も面白かろう」


 わぁ、伝わってた。


「では明日より、秋一は我が娘の影武者としてこの城で生活してもらおう。あぁ、姉の方も暫くはこちらで暮らしてもらうからな」


 とんとん拍子で話が進み、明日からこの城に住むことになるようだ。マジか。

 宴会会場に戻った後、唐突に消えた私たちを心配して下男下女の皆様にご迷惑をおかけしてました。

 母様にも叱られました。ごめんなさい。

 秋一は未だにぼんやりとしているので、ぎゅーっとしてからおでこにちゅーをして休憩室の畳に寝転ばせて上着を脱いでかけておいた。

 この世界に時計は無いから正確な時間は分んないけど、大分遅くまでどんちゃん騒ぎをした後漸くお開きとなった。


 で、皆さんやっぱ気になるのが将軍様が誰をしとねに呼ぶかなんだけど、勿論秋茜太夫と私が呼ばれました。秋一はぐっすりだったので仲の良い下女の方にお願いしました。

 やったねお母さん、皆さんが想像しているような事にはならないだろうけど呼ばれたって事で株価は急上昇だよ!!

 ・・・・株価の使い方合ってるよね?

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