僕と君の七日間
「おい、勉強を私に教えろよ。」
その一言で僕の日常は壊された。
廊下のど真ん中
不意に呼ばれた声のほうへ振り向くと彼女が立っていた。
中宮 香恋
その名前からは想像つかないほどの問題児・・・。
クラスに1人は必ずいる"トラブルメーカー"というやつだ。
僕は、この女が苦手だ。
声がでかい
ガサツ
暴力的
茶髪
"香恋"なんて名前もどこ吹く風のその言動・風貌
それが今僕の目の前に立ち
僕を見つめ言っている「勉強を教えろと」
「・・・どうなんだよ」
その一言で我に返ったが、現実は何一つ変わっていなかった
唯一変わっていたといえば
彼女の表情がより険しくなっていたことくらいだ。
「なぜ、僕に?」
見るからに眉間にしわが寄った。
「は?お前が頭いいからに決まってんじゃん、なに期待してんの?」
狐につままれた気分とよく言うが
まるで、顔面を殴られた気分だった。
「えっと・・。いつから教えればいい?」
彼女は少し黙りこんだが、すぐに口を開いた。
「いつから教えてくれんだよ」
質問を質問で・・・。
やっぱり僕はこの女が嫌いだ。
「っじゃあ、明日の放課後からでも・・・」
そう言うと彼女の眉間のしわがなくなった。
どうやらお気に召したらしい。
「ん、あんがと」
不覚にもドキッとした。
眉間のしわが消え少し笑った顔
初めて見たけど、可愛かった。
その淡い気持ちは一瞬にして崩壊した。
---明日の放課後・・・・
明日から高校3年初の中間に向けての
テスト勉強期間である。