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曲がり角な女の子は若く見られたい。

「少年兵なのか?」

 岬は怪訝な顔をし、穢胡麻はそんな彼にきょとんとしてから、口角を上げると共に頷く。

「はい、私は少年兵です。……岬さんから見て、私は何歳に見えますか?」

 不文律的なマナーとして女性の年齢は見た目よりも若く言うべきだということは岬も承服していたが、彼は印象をそのまま飾らずに伝えるべきだと感じた。


―今俺は、綱渡りをしている。あるいは、これから非常識なる綱渡りに突入しようとしている。ここを渡り切るために必要とされるのは情報であり。情報の入手にあたって、俺が渋るのは良くない。特に、目の前の、……―

 

「30代半ば。未婚。俺が今日あんたに会って抱いた印象だ」

 岬はゆっくりと、声に重みを込めて言い、穢胡麻はその頬を緩めつつ、口元に恥じらいを浮かべた。

「私は、15歳です」

「…15歳、なのか?」

「はい。私は15歳です。私の遺伝子は普通の人よりも2・5倍速く分裂します。つまり、人よりも2・5倍速く成長、老化するヒトなんです」

「そう、なのか? ……にわかに信じるのは厳しいが、あんたの言動には納得できるところがある」

「ふふ。遺伝子年齢が37・5歳の私からすれば、30代半ばという評価は若く見られているということです。実際よりも若くみられるというのは嬉しいものですね」

 そう言って、穢胡麻は岬に笑いかけ、彼女のその笑い方に、岬は確かに、その頬に少女のようなあどけなさを感じた。 

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