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2-16 保険

「強襲班の二人は潰されましたが。

 江の島班、クリアしました。

 作戦成功ですかねえ。」

「クリア、かあ。」

「柴崎は無事みたいです。

 手の確認はまだできていませんが、回収に向かわせますか?」


白の問いに、黒はしゃがみこみ、細く長い両手の指で

その髪をぐしゃぐしゃと

シャンプーを泡立てるように掻いた。


「…簡単すぎるなあ。

 簡単すぎるんだよ。」


白は片眉を上げる。

「簡単、ですか?

強襲班潰されてるんですよ。」


黒は白を見上て、声を張り上げる。

「村だから当たり前だろっ!」

「まあ、それはそうですけど。」


「…待機だ。

 クリアしたのは、

 おとり

 っぽい。」

「おとりに柴崎を扱わせるんですか?」

「部外者にやらせてんだろうよ。

 腕は立つ。

 けどそれだけだろうな。

 俺らが狙う柴崎を使って、真実の味を出す。

 もちろん俺らが向かう。

 そこを狩る。

 とにかく待機だ。」

「はあ。

 あ、社長(おとうさま)から、らいんです。」

「なんだ?」

「護衛を増やせって。怖いみたいですよ。

 やっぱり。村が。」


黒はため息をついた。

「…作戦班。町田、厚木、茅ヶ崎に向かってるだろ?」

「はい。それも社長に報告すみです。」

「急がせろ。

 打ち上げ用の綺麗所の手配もしとけよ。

 俺は柳川さんとこ向かう。

 江の島班が村の後続、処理したら、本当のクリアだ。

 気を抜くなよ。」

黒は立ち上がる。

「黒さん、俺は江の島の応援行っていいですか?」

「…白は…

 駄目だ。

 社長の援護に迎え。

 江の島そのものが

 おとり

 って場合がある。

 狙いが社長(おやじ)なら、お前が守れよ。」

「てことは。」

「プランBはまだ、続行中だ。

 保険ってのは重ねがけしてこそ、意味があるんだかんな。」

 

 

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