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Ⅰー3
そんなことを思いながらも、もうどうすることもできない僕は
いつもと同じように授業を受け、いつもと同じようにお昼ご飯を食べ
いつもと同じように家に帰る。
そう、きっと彼女たちからすると僕はただのクラスメイト。
よく漫画とかで言われる、モブ ってやつなんだろう。
悔しくないって言ったらうそになるけれど、この状況がうんと変わるような
ミラクルを起こすなんて僕には到底無理な話だ。
だからいいのだ。
僕は僕らしく。
日陰の人間は、おとなしく生活してればいいのだ。
―――――6月8日。
初夏と呼ばれるさわやかな季節。
なんてのも、主役たちが言えるセリフで
モブの僕にとっては、テニス部なんていう 外部 と呼ばれる
部活動に入ってしまったために、地獄を見ている。
暑い。爽やかだか何だか知らないけど
太陽が照りつける日差しの真下での部活動は地獄だ。
「はい、じゃあ15分間の休憩」
顧問の指示が聞こえた瞬間、僕は教室へと走っていった。
くっそー、日陰の人間は 外部なんて選ぶんじゃなかった
そう思いながら。