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裏社会でのネコさん達

世界観紹介の一環みたいなものです。殆んどストーリーには影響しないので、読み飛ばしてもらっても構いません。

リンクセス(オオヤマネコ)

ロサンゼルス郊外のこの地域一帯の麻薬を取り仕切る大手の自称マフィア。

実としてはギャングに近い気がするが、本人達はもっと上品かつ礼儀正しいという事でマフィアを名乗っている。


収入は完全に麻薬に頼っており、さらに言えば麻薬の中でもチーズのみしか販売を行っていない。

これに関してはリンクセスの歴史に関わるので後述するが、穏やかな物腰と安定した価格、そして他に比べて質が良い(中毒性が低い)チーズの売り方から、売っている商品と本人達の武装を除けば完全に普通の食料販売店と変わらないと専らの評判である。


彼らの販売体系は他の麻薬と違い、通常の麻薬は中毒になりながらも値段を徐々に釣り上げていく「自発的な強制販売」という方法によって収益を上げる。


が、リンクセスの場合は前述の通り中毒性が他に比べて低く、値段も変わらない為、違法品ながらも幅広い顧客層を得ており、また富裕層もたしなんでいる事から「自発的な強制販売」を行わずに「経済・販売戦略」により多大な収益を得ることを可能にしている。


こんな特殊な販売体系になったのについては、このマフィアの歴史を説明する必要がある。


今からたった20年前、とある青年がチーズに目覚めた。

彼はチーズの中毒性もさることながら、その稀有な深い味わいと種類に取りつかれ、自らの身を削りながらも購入を続けた。


だが彼は分かっていた。


当の昔に親は仕送りをしてくれなくなり、かつて真面目に働いていた時の資金もいつかは尽きる。

そこで金を借り始めれば地獄への一歩を踏み出すことを。


今はまだいい。


だが、本当に買えなくなった時、自分は禁断症状に耐えられるのだろうか。


男は利口だった。

彼はチーズがあり、未だ冷静に考えられるうちに手を打って置く事を決めた。


彼は必死に考えた。

中毒の緩和だけでもいい。命あっての物種だ。

そして、身の破滅を防ぎどうにかする方法を一つだけ思いついた。


…自分でチーズを作ればよいのだ。


男はその後、チーズの作り方をあらゆる所で調べ、そして機材の入手に四苦八苦していた。

チーズ規制法が存在しない先進国も一部ある。

それらの国に行き、チーズについて調べまわった。


そしてついに、彼は中毒性の低めなチーズの生成に成功した。


そこからは簡単だった。

彼の持前の交渉術とハングリー精神により、組織は瞬く間に拡大していった。

こうして、今日のリンクセスマフィアが存在するのである。


――「リンクセスメンバーの手引書」より

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