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算数で読み解く異世界魔法!  作者: 扇屋悠
騎士団編・第4部
105/164

第104話:僕はただ、騎士団の礼を向ける。




 ぼんやりとした頭を抱えたまま、僕は、寝かされていた天幕を出た。


 ここは、どこだ……?


 夏の日差しが目にまぶしい。まきあがる砂埃と、無骨な拠点。その向こうには黄金色の穀物平原が見える。赤いコートをまとった騎士たちと魔法奴隷が行き交っている。その肩には天幕を組み立てるための木材――


 ああ。

 サンベアー領の、南西砦か。

 南西砦の雰囲気は、でも、どこかゆるんでいた。

 ゆるんで、ほどけていた。

 危機は去ったと言わんばかりに。


 そもそも、僕はどうして天幕で眠っていたのだろう……?

 たしか眠る前は南西砦に居なかった気がする。そう、どこか、別のところで戦っていて、それで……あれ……?

 記憶が混濁していた。

 そもそも僕は王都に居たよな。王都で、騎士団長に命じられて、サンベアー領にあるこの南西砦に飛んだのだ。それから、騎士エリデに、なにかを命じられて……。


 風に乗って、天幕の後ろから声が聞こえてきたのは、そのときだった。


「…………うん。わかった。もうすぐ式典なんだよね。起こしてみる」

「無理に起こさなくてもいいが、頼む。……それよりもラフィア、お前は大丈夫なのか」

「大丈夫、だと思う。だいぶ、落ち着いたから……」

「……そうか。では、会場で待っている」

「また後でね、プロパ」


 じゃり、じゃり、じゃり、と足音がまわりこんできて。

 僕は、彼女と顔をあわせる。


「……あ」


 兎人族ラビテの少女は右腕に包帯を巻いて、いつもよりゆったりしたティーガを着ていた。ベージュ色の髪も、同じ色のうさみみも、過酷な環境の南西砦に居るにしては、綺麗に整えられているように見える。そういう髪質なのだと、僕は知っている。


「ラフィア」

「…………」


 ラフィアは無言のまま近づいてきて、そのまま、僕を天幕に押しこんだ。


 その寸前、僕は確かに見た。

 透き通った湖のような青の瞳に、大粒の輝きが溜まっていたのを。


 小さな天幕に2人で戻った――次の瞬間、ラフィアが僕の胸に飛びこんでくる。少女の柔らかい肉体は確かな熱をもっていて、それどころか、ラフィアはその両腕を僕の背中に強く回した。


「タカハ……タカハぁ……ッ」


 あっという間に、少女の肩は震え始め、嗚咽おえつに声を奪われた。


 瞬間――――僕はすべてを思い出した。


 討ち取った指名級の神秘使い『剛鉄鎚』。

 『ミシアの使徒』との死闘。

 『17の原則』を撃ち破った17倍魔法。

 槍を構えた黒衣の老魔法使いの背中と、そして――――光。


 ラフィアは大声で泣いた。

 大きく肩を震わせて、喉を揺らして、泣いた。

 僕は少女の身体を抱きしめる。僕がそうすればそうするだけ、まるで脆すぎる果物を押し砕いているみたいに、ラフィアの涙はあふれてきた。


 ゲルフはもう居ない。

 ゲルフはラフィアを抱きしめることができない。

 ゲルフは、ラフィアの花婿をぶん殴ることが、できない。


 ゲルフは、死んだのだ。


 僕の目の前で。


「……ゲルフは、最後に……」


 たったその一言を伝えるために、なんども息を呑み込まなければならなかった。


「…………『礼を言うぞ』って……」


 ラフィアの膝から力が抜けた。

 僕も立っていられなくなって、僕たちは一緒に地面に崩れ落ちる。


 自分でも驚くほどに、心は揺れなかった。

 まるで板のように、僕の感情は動かない。


 ただ、1つだけ。

 焼け野原の中で見つけた小さな花のように。

 1つだけ、感情が、決意が、残っていた。

 ――――ラフィアは僕が守る。

 ずっと抱き続けたその決意だけが、僕の理性をかろうじて支えている。


 …………。

 ……。


 どれほどの時間、そうしていたのだろう。

 ラフィアの肩の震えが次第に小さくなってきた。


「…………ごめん、ね……」


 目元を強く拭ったラフィアは、赤ちゃんのように泣きはらした顔を必死に立て直そうとして、失敗した。そんな自分を自覚したのか、いつもの、家族に向ける優しい微笑を浮かべる。


「タカハ、強いね……」

「強い?」

「うん……強いよ……」

「…………分かんないけど」


 僕はそっとラフィアを立たせて、簡易ベッドに座らせてあげた。


「たぶん今は泣いちゃいけないんだ。僕はそう思うんだよ」

「……うん……。……見違え、ちゃった……」


 それから、ラフィアは震える声ではっきりと伝えてくれた。


 戦線が落ち着いたことに関する式典が始まること。

 その場に、僕が呼ばれていること。


 僕は涙で濡れてしまったティーガを脱ぎ、たたんであったイエルを身に着け、ベルトで止める。その上から緑色騎士団の証である緑コートを身に着け、腰のベルトにミスリル剣の鞘を通した。剣のない鞘だ。ミスリル剣はあの国境森林帯のどこかに埋まっている。


「いってくるよ。すぐに戻ってくるから。待ってて」


 ラフィアが両手で顔をおおった。



――



「今回の戦いは、誰にとっても厳しい戦いだった。この戦争が歴史に大きく刻まれることは間違いないだろう。騎士、魔法奴隷……多くの犠牲を払いながら、われらは勝利を収めることができた。魔法奴隷たちの忠誠も、各色の騎士たちの働きぶりも、それらがなければ勝利はあり得なかったものではあるが、とくに、私の目を覚ますような働きを見せた騎士は――2人だった」


 ほとんどが赤コート、黒コートと白コートがまとまっていて、緑コートはほとんど居ない。

 南西砦の隊舎の正面。

 集った200名程度の騎士たちを前に壇上に立つのは、褐色の肌を持つ妖精種エルフだ。

 獲物を捕らえようとする熊を描いた巨大な刺繍が刻まれた赤いコートを身にまとう騎士――エグレム=ファリス赤色騎士団長。


 その隣に、どこか戸惑うように、それでいて誇らしげに他の騎士たちを見下ろす少年が立っている。

 青い瞳とつやつやとした金色の髪をもつ妖精種エルフの彼は、緑色のコートを身に着けていた。


「紹介しよう。ムーンホーク領の従騎士、プロパだ」


 壇上に立つプロパはゆっくりと一礼をする。


「『偽報と誘導を組み合わせることで、敵国の主力を互いにぶつける』――という大きな軍略を、実現可能なレベルにまで落とし込み、提案し、他領の騎士たちに混じりながらもそれを実行した。結果、我らの損害は大きく減じた。その手腕を私は高く評価しよう」


 まばらな拍手が次第に大きなうねりに成長していく。


 それでもなお、プロパを見つめる視線には厳しいものが混じっていた。

 緑のコートを身に着けていることで、僕たちは低く評価される。それは、市民たちが魔法奴隷を見下すのと同じ構図だ。

 でも、実力があれば、それを跳ね返すことだってできる。

 プロパがしたのはそういうことだ。


「そして、もう1人は……――」


 いいかけた赤色騎士団長が、言葉を切った。

 その瞳が――まっすぐに僕をとらえた。

 強い視線だった。


「タカハ……!」


 先ほどまでのツンツンとした表情を一瞬で砕いたプロパが、大慌てで壇上から飛び降りて、僕に駆け寄ってくる。


「起きてきて大丈夫なのか? 痛むところはないか?」

「うん。ばっちり眠ったから」

「そういうことじゃなくて……! ええと、ああ、くそ……」

「もしかして……心配してくれてた?」

「ばっ! ふざけるなよ! なんでオレがお前の心配をしなくちゃいけないんだよ!」


 顔を真っ赤にして怒る妖精種エルフの少年が相変わらずで、僕は少し心が軽くなった。


「助かったよ、プロパ。君の作戦があったから、この戦争は止まった」


 僕は――記憶の最後の瞬間を、はっきりと思い出した。


 『使徒』に無謀な突撃を仕掛けようとしていた僕を止めてくれたのは、ガーツさんだ。ガーツさんは『周りを見ろ』と言った。僕たち別働隊の作戦通りならあの戦域にガーツさんが居るはずはなかった。

 ……たぶん、あの少し前に、赤色騎士団の主力が合流して、僕たちの役目は終わっていたのだ。

 だから、ガーツさんはあんなに素早く駆けつけることができた。


 僕たちの部隊は13日間、『鉄器の国』の侵攻を押し留めた。

 プロパはたった13日で『火炎の国』を撃退する作戦を立案した。


 プロパが強い力で僕の肩を掴み、言う。


「違う。オレはいくつも失敗したんだ。もっと上手く立ち回ることができた。もっと手際よく部隊を動かせた。あと1日でも早く、お前たちのもとに増援を送れていれば……ゲルフ様を……」


 僕はゆっくりと首を横に振る。


「『使徒』は……?」

「部隊レベルの倍数魔法で圧殺したつもりだったが……」


 プロパは唇を噛んだ。


「死体は見つかっていない。生き伸びているだろう」


 仕方がないことだ。

 あいつには『信仰の盾』がある。

 ただ量の多い魔法だけではどうしようもできない。

 かといって、理性を失った僕が勝てるとも思えなかった。


 僕はプロパの肩に手を置いて、赤色騎士団長を見上げた。

 禿頭の妖精種エルフは――険しい表情のまま。


「従騎士タカハ、ここへ」

「はっ」


 僕は壇上に上がる。


「ムーンホーク領の従騎士、タカハだ。……この場に集った全員が知っている活躍だが、あえて繰り返そう」


 騎士たちの視線が注がれる。


「従騎士タカハはたった6倍した17名の寡兵を駆使し、『鉄器の国』の侵攻を予定より13日間遅延させた。のみならず、彼の指揮した部隊は、通常の神秘使いを17と4名、さらに――指名級の神秘使いである『裂姫』『剛鉄鎚』を討ち取った……!」


 瞬間、僕の目の前で歓声が爆発した。

 叫んだ声の多くは赤いコートを身にまとった騎士たちのものだった。

 国境線を守り続けている彼らには、指名級の神秘使いに多くの戦友を奪われた過去があるのだろう。


「タカハ!」「従騎士タカハ!」「タカハ!」「タカハッ!」「従騎士タカハ!」「タカハ!」「タカハ!」「「タカハ! タカハ!」」


 地面を踏み鳴らしながら、騎士たちは僕の名前を繰り返し叫んだ。


 僕はただ、騎士団の礼を返す。

 深く、正確に。


 ――赤色の騎士たちはたぶん知らない。

 あの日、あの戦場で散った、1人の魔法奴隷のことを。


「お前の名前を忘れることはないだろう」


 赤色騎士団長は深くうなずきながら言う。


「そして――私は謝罪をしなければならないようだ。従騎士プロパも目をみはるような作戦を立案し、驚かせてくれた。片田舎の従騎士と決め付け、お前たちを低く見積もっていたようだ」


 騎士団長は僕の耳に顔を少しだけ近づけた。


「望むのなら赤色騎士団へ来い。お前の力、ここでならば存分に使えるはずだ」

「もったいないお言葉です。……僕は、もう少しだけ、緑色騎士団で自分にできることを見極めたいと思います」


 団長は大きくうなずいた。


「緑色の正騎士となった後でも、お前が望むのならば、われらの正騎士として迎えよう」


 破格の発言だった。

 赤色騎士団の正騎士の人数は17人隊が17つという上限がある。僕が希望しただけで、1人が騎士団を去るか、従騎士に格下げとなるのだ。

 そのくらい、騎士団長の言葉は、重い。


 団長はさらに声のトーンを落として続けた。


「ロイダートは優れた騎士だ。真面目で、熱意がある」

「……」

「しかし、人間の集団をまとめることは得意ではない。……騎士が文官と組んで不正に手を染めた、というのは本当か」

「……うわさですか」

「ああ。もし事実なら、あってはならないことだ。おそらく、ロイダートには正直に総長に報告し、それで許されたのだろう」

「……」

「戦功を立てろ。国王陛下や騎士総長に、名を覚えてもらえ。そうすることが、この国の騎士という序列を駆け上がる唯一の道だ」

「でしたら、エグレム団長」

「なんだ?」


「従騎士、タカハです。どうぞ、お見知り置きを」


 僕はもう1度名乗った。

 エグレム団長が目を見開く。

 あなたが、次の騎士総長なのでしょう。だから僕の名をお見知り置きください――――と、僕は伝えたつもりだった。

 果たして、その含みは赤の団長に伝わったようだ。


「……ははは!」


 エグレム団長はばしりと僕の肩を叩く。

 褐色の筋肉の塊が、僕の身体を揺らす。

 何度も。何度も。


「ははは! ははははははは――ッ!」


 …………これでいい。

 これで、僕がサンベアー領でやるべきことは、全部だ。



――



 第10月の別名は『雲の月』という。

 大雨を降らせる、入道雲を指して言う、夏の盛りの季節だ。

 その、17日目。最終日。

 雲の月の名称を裏切るように、澄み渡った青空が、緑色騎士団の本部の上に広がっていた。


 第10月17日目は、騎士団の1年の始まりとして、重要な日だ。

 そして、従騎士たちにとっての運命の日。


「正騎士指名の前に、小さな発表を行う。とるに足らないことだ。先に済ませてしまおう」


 ロイダート=ボウ緑色騎士団長は、整列した団員たちの前で言う。


「長らく緑色騎士団の副団長を務めた騎士エリデだが、その任を解くことが決定した」

「…………え?」


 騎士団長の隣に並んでいた騎士エリデは、間抜けを絵に描いたような表情をする。そして、あの、幼子を諭すような口調で言った。


「失礼、騎士団長。聞き間違いでしょうか。もう1度読み上げていただけませんか」


 ロイダート団長は片方の眉を持ち上げた。「……上官の命令を聞き漏らすような騎士はいないはずだが?」


「で、では、なにかの間違いではありませんかな?」

「公爵閣下がお命じになったことだ。閣下は緑色騎士団の人事を我らに一任してくださっていた。これは異例中の異例……どれほど閣下が現状を憂慮しておられるか、はっきり分かるだろう」

「間違っています……! そんなはずはない……!」


「――――ムーンホーク領は、巨星を1つ失った」


 僕は自分の手のひらを握りつぶすような力で握り、それを、ほどいた。


「かの魔法奴隷を戦線に呼びつけるだけならまだしも、そこにたった6倍した17人の戦力しか与えず、実際の指揮は従騎士に任せる――そんな副団長が、この緑色騎士団に必要だと思うのか?」

「私は職務を全うしました……!」

「『鉄器の国』の侵攻の足は予定よりもはるかに遅くなった。――その達成に、騎士エリデが関与したことは、何1つとしてない。あまつさえ、赤色騎士団より奴隷拠出に関する陳情も受けている」


 騎士団長は1歩前に出た。


「私も、責任をとり、この騎士団を辞することにした」


 魔法奴隷出身の騎士たちから悲鳴のような声があがる。


「1年間、この騎士団の改革を進め、一部の不当な権益を有する者たちを断じた後、信頼のおける者にこの地位を明け渡す。諸君の協力を要請する」

「騎士団長――!」


 掴みかかろうとする騎士エリデを、周囲の騎士たちが取り押さえた。その中にはかつて騎士エリデと行動をともにしていた市民出身の騎士も居る。騎士エリデが自爆テロみたいに何かを言いかけたのを、必死に防ごうとしているのだ。


 ああ、もう。

 どうでもいいから、早く終われ。


「では、正騎士の指名を行う。……騎士ヴェニルは年齢を理由に、正騎士の位を騎士団に返上した。また、騎士キーア、ウェストを従騎士に降格することを決定した。よって、従騎士の中から、次の3名を正騎士に選出する」


 団長はわきに抱えていた高級な羊皮紙を自分の身体の正面に掲げた。


「この者は、今回の北西域の反乱に際し、村長たちを巧みに説得し、騎士団と奴隷たちの被害を最小限に軽減した。知識や戦闘力だけが騎士の力のすべてではない。人の心に触れることが出来る。それはある意味で、最も優れた才覚の1つと言えるだろう。――――従騎士リュクス!」


 犬人族ドグアの従騎士はその場でうやうやしく一礼をすると、気品をまとった足取りで団長の横に立った。3年目、4年目の従騎士たちのため息のような雰囲気が、僕の足元にまで転がってくる。


「公爵閣下から与えられた騎士姓はアルベルト。リュクス=アルベルト卿だ」


 団長はリュクスに向かってうなずき、羊皮紙に視線を戻した。


「『鉄器の国』、『火炎の国』の2国の侵攻を前に、森という優位を積極的に活用する具体的な作戦を立案し、赤色騎士団の正騎士たちを納得させた。戦略、戦術への深い知識は、われらの騎士団をさらに強いものにすると私は信じる。――――従騎士プロパ!」


 妖精種エルフの従騎士は、ぴくりと肩をわずかに揺らしたが、無表情のまま、団長の横へ歩を進める。


「公爵閣下から与えられた騎士姓はイース。プロパ=イース卿」


 あと1人。

 従騎士たちの緊張感が高まる――――ことはない。


「われわれの仕事は、1人の騎士がどこまで大きな任務を達成できるか、という点にかかっている。奴隷たちにも意思があり、数も多いが、公爵閣下に与えられた権能の数は定められている。……だが、この者は従騎士としてあり得ないほどに大きなことを立て続けに成し遂げてきた」


 僕は、目を閉じ、そっと息を吐き出す。


「文官の巨大な不正を魔法奴隷たちとともに暴いただけではない。彼は、大国の侵略軍を寡兵で押しとどめたのみならず、指名級の神秘使いをもその実力で討ち取った。赤色騎士団長の推薦状付きだ。文句はない」


 ……そう。

 最後の1人は、だれの目にも明らかに、決まっていたのだ。


 目を開ける。

 騎士団長の黄金の瞳が、柔らかい光をたたえて、僕を見ている。


「――――従騎士タカハ」


 僕は、騎士団の礼で応える。


 ざり、と靴の下の砂利が音を立てる。


 2年前、僕がこの本部の門をくぐったとき。

 僕は精一杯のティーガを着て、領都の市民たちに馬鹿にされていた。


「公爵閣下から与えられた騎士姓はユークス。タカハ=ユークス卿だ」


 けれど、今、僕は彼らと向かい合っている。

 正騎士と従騎士。

 接近しているからこそ明白に分かる違いが、そこにはある。


「3名の活躍を期待する」


 こうして僕はムーンホーク領の正騎士になった。




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