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激烈ハ力  作者: 猪子馬七
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プロローグ ロリ魔王と勇者との、絶対に越えてはいけない一線

流血描写があります。苦手な人は覚悟してお読み下さい。

潤んだ目をしたロリ魔王レーコ=カトーが、勇者ドング=リーと対峙している。


不甲斐ない、ヘタレな勇者ドングに、流石のロリ魔王レーコも痺れを切らしていた。


「いい加減にしてよ!いつになったら貴方の激烈が繰り出されるのよ!」


「いや…やっぱり、こう言うのは…良く無いと思う…」


「はぁ⁉︎今更、何を怖気付いてんのよ!貴方が激烈を繰り出すって言うから、私はさっきからずっと貴方の激烈を待ってるんじゃない!」


「でも…ほら、小さいし、血も流れるし…」


「そんな事で躊躇ってどうするのよ!小さくったって貴方の激烈なら容赦無くブチ破れるでしょ!それに勇者のくせに流血なんかに怯えてるんじゃないわよ!」


「……」


「何よ?言いたい事があるなら、黙ってないでハッキリ言いなさいよ!本当に男らしく無いわねっ!」


「勇者が…こんな事をするのは…やっぱり良くないよ。勇者の激烈は…本来、こんな事をする為にあるんじゃ無いんだから!」


「はあ?それが…貴方の答えなの…?」


激昂していたロリ魔王レーコは、余りにも不甲斐ない勇者ドングの返答に落胆し、その場にへたり込む。


「そうよね、私は魔王で貴方は勇者。お互いに相容れない関係なんだから、少しでも期待した私が馬鹿だったわ」


「レーコちゃん…」


「何がレーコちゃんよ!気安く話しかけないで!貴方に激烈を繰り出す気が無いんだったら、最初から変に期待なんかさせないでよ!」


勇者ドングはロリ魔王レーコを前にして、越えてはいけない一線を越えようとしていた。

しかし、勇者としての心が激烈を繰り出すのを躊躇する。


激烈を繰り出すか繰り出さないかの鬩ぎ合い、軍配が上がったのはロリ魔王の期待を裏切る結果であった。


ヘタレな勇者を前にして、ロリ魔王レーコは大きな溜息をついた。もう…これで終わりなんだと…。


レーコの頬を一筋の涙がこぼれ落ちた。先程まで、我慢していた涙だったが、一度溢れ出すと( トド)まる事を知らずに溢れ出すのが乙女の涙。


そんな乙女の涙が勇者の心を突き動かす。

たとえ目の前に居るのが魔王であろうとも、一人の乙女である事には変わりはない。

同じ涙を流すなら、激烈をブチ込んで涙を流させる方が勇者としての本懐ではないだろうか?


小さいとか流血とか、本当はそんな事で躊躇ってた訳ではない。お互いに経験が無く、初めてであったからこそ踏ん切りがつかなかったのだ。


勇者ドングは覚悟を決めた。いつの時代にも、どの世界に置いても女の涙に男は逆らえないものなのだ。


聖剣を握り締めると、ドングの周りにオーラが放出される。

それを見たレーコは驚いた。半信半疑であった激烈が、本当に繰り出されるのかと。


ドングのオーラが聖剣に集まり、激しい光を放ち始めた。そしてドングは振りかざす。



「奥義!GE・KI・RE・TSU!」


解き放たれた勇者固有のスキルが、人間界と魔界とを隔てる半透明な結界壁に向かって勢い良く襲いかかる。


本来であれば魔物を倒す為に使われる勇者のスキル。こんな事に使う技では無いのだが、結界壁に空いた小さな隙間をブチ破る為にはこれしか無かったのだ。

僅かばかりのズレも生じず、見事ドングは奥義を命中させた。人の力では決して傷付ける事が不可能とされた結界壁に、子供が通れる程の小さな穴を空けたのだ。


人智を超えた恐るべき勇者の力。しかし、その反動もまた計り知れないものがある。


奥義を繰り出したドングは、その反動により全身の血管が傷付き流血。血塗れになりながらその場に倒れこもうとするが、左手に控えていた僧侶ワイケ=イケがドングを支えて急いで治癒魔法による応急手当てを開始。


右手に控えていた戦士ナンチャ=テヤロンは、結界壁に空いた穴に手を入れると、急いでロリ魔王レーコを引きずり出した。


人間界と魔界とを隔てる結界壁に空いた穴。それを塞ぐのは先程から後方にて封環魔法を詠唱していた魔法使いヨキユ=フーマン。

タイミング良く詠唱を終え、ドングが空けた穴を急いで修復。

元々の小さな隙間が空いていた結界壁を、完全に修復して元通りにしたのだった。


修復が終わり安堵すると、次の瞬間大地を揺るがす地響きが、勇者パーティとロリ魔王を襲う。


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ‼︎


結界壁の向こう側、今迄ロリ魔王が佇んでいた魔界が、巨大な地割れと共にみるみる崩れ去り、ものの五分で完全に消滅した。


魔界消滅の余波は人間界へも影響し、堅固なる結界壁を以ってしても、大地震を引きおしたのだった。


「本当に魔界が消滅したな…」


「ああ。半信半疑ではあったけど、目の前で消滅する羽目になるとは思わなかった」


「魔界消滅の瞬間を拝めるなんて、恐らく最初で最後の経験となるだろうな」


「魔界の消滅もそうだけどよ、これはどうするんだ?」


勇者ドング、戦士ナンチャ、僧侶ワイケ、魔法使いヨキユが一斉に目を向けた先に居るのは、消滅した魔界の跡地を泣きながら眺めるロリ魔王レーコであった。








後世に語り継がれる歴史書「激烈ハ力( ゲキレツハチカラ)」。その冒頭は滅びゆく魔界から、あろうことか勇者パーティが魔王を救出するところから始まるのであった。






ぷろろ〜ぐ:あとがき


この物語は「本編は大して面白くもないから、プロローグだけでも別にいいじゃないかしらん」と言う、ものぐさで面倒臭がり屋の作者によるプロローグのみの作品となります。

読者様からの応援次第では、本編を執筆するかも知れませんが、今のところ予定はありませんので御了承下さい。

プロローグのみの作品として楽しんで貰えれば幸いです。



なお、この作品のタイトルは「げきれつはちから」と読みます。


変な読み方をした人は居ないとは思いますが、万が一変な読み方をして変な期待をした人が居ましたら、ごめんなさい。てへぺろ♪

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