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異界の魔神  作者: 飛狼
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第6話 木精と森の民 前編

すいません


話が長くなりそうなので前編、後編にわけました



拙い文章ですがどうぞ


 俺が辺りを眺めると、河童達が人族の武装解除を行っていた。キング達カブトが上空を飛び回り、辺りを警戒している。


 そして何故か俺とユキの横では、ウチの凸凹コンビが当然のような顔をしてうんうん頷き、辺りを眺め回している。


 これはあれですか。

 貴方達はもう相談役とか、ご意見番のつもりですか。つもりですね。

 右を見ればヒゲが、顔にまとわりつく蚊のようにピュルピュル動きウザイです。左からはゲロゲロと、黒板を引っ掻た音みたいな不快な鳴き声がウザイです。

 もう嫌、勘弁してよ。


 人族は死人こそ出なかったが、かなりの重症者が出たようだ。


 コボルト達は何故か、俺が近付くだけで震え縮こまり、リーダーらしき者に至っては、白眼を剥いてひっくり返っているぞ。

 失礼な奴等だ。


 取り敢えず重症者の回復と、事情聴取だな。

 俺はゲロゲーロに

「ニヘイ。お前が事情を聞いといてくれ、俺は重症者の回復をするから」

 と言うと

「ゲロゲーロ陛下。お言葉ですがゲロ私は人族と会話は出来ませんがゲーロ」


「えっ、会話出来ないの。あれだけ色々知ってたから、会話が出来ると思ってたよ」


 えーとあれ、ウチのメンバーで、会話できる者が誰もいないぞ。

 もう面倒臭いので、人族にはお引き取り願う事にした。

 神オーラで人族を回復してやると、偉そうにしている者とその取り巻きが、俺を指差して睨み付け何やら騒いでいるが、俺は知らん異世界語わからんもんね。


 しかし、何ですかねあの態度は、他の兵士は頭を下げてるのに睨み付けるとか、回復してあげたのにムッとしますよ。


 武器を取り上げたまま出て行ってもらおうとすると、また騒ぎ始めたが、ユキが威嚇すると慌てて出ていった。


 森から平地にでるには3日程掛かるらしいが、後は知らん何とか自分達でするだろう。


 コボルト達は、ユキの前で腹を出して仰向けになっています。

 何でしょうかね、そういえばユキは犬神でしたね、服従のポーズといった所でしょうか。


 どうやらユキはコボルト達と会話はできないが、ある程度の意思のやり取りは出来る様なので、事情を聞いてみる。

 どうやら人族の国と、獣人達が争っているらしい。

 まあ、俺とは関係ないから勝手に争ってればいいけど、巻き込まないで欲しいものだね。

 あっ、今人族に手を出したから、もう巻き込まれてるのかな。

 まあ、いいか。いざとなれば俺の世界に逃げ込めばいいし、眷族以外は入れないからね。


 コボルト達には武器を返し好きにさせて、俺達は塔に帰る事にした。

 コボルト達は害もなさそうだしね。

 それにユキには服従してるみたいだし、大丈夫だろう。

 どうやら今日は沼の近くで野営するようだ。


 塔に戻ったらそのまま皆を、俺の世界に連れて行く。

 ゲロゲーロは前に来た時には、このような扉は無かったはずだがとか言っていたが、眷族になったから見えるようになったのかね。


 皆が塔の2階から俺達の世界に入ると、やはり世界は光輝き成長した。

 レクターが頭の中でレベルが上がったとアナウンスしているが、後で確認する。今はそれどころでない。俺は感動している。


「水が、風が吹いてる」


 もはや大地の端は見えなくなり、目の前には大きな湖なのか海なのか、端が見えなくなるまで水が広がっている。

 そして風が吹き上を見上げれば、青空が広がり雲が流れて行く。


「うおー! 此処は俺の、俺達の世界だー!」 俺は感動して叫び声をあげると

「バウ、バウ」

 ユキは嬉しそうに走り出した。


「ゲロゲーロ陛下、此処はいったいゲロ何処なのでしょうか?ゲーロ」


「おー、そうだった。説明しないとな。此処は俺の世界、いやお前達の世界でもある。俺が造り出し、お前達が影響を与え成長させた、俺達の世界だ!」


 ゲロゲーロが皆に知らせると大歓声、いや大合唱をして思い思いに水に飛び込み大喜びしている。キング達は空を飛び回って、ギョーはヒゲをピュルピュル震わせ喜び泳いでいる。


「ゲロゲーロ陛下。此処は心地好い魔素に溢れ我々ゲロ魔素を糧として生きる妖精種には天国で御座いますゲーロ」


 そうだったな。こいつら妖精だったな。忘れてたわ。


「ゲロゲーロ陛下、この世界に名称は御座いますかゲーロ」


 おー、すっかり忘れてたわ。

 俺は名前を付けるの苦手何だよな。どうしようか。

 よし幸せで平和な世界で

「これより、此の世界をハッピーズランドとする。今からはお前達も自由に出入りすればよい」


 すると世界がまた輝き成長して、俺のレベルが上がったようだ。

 えー、名前付けただけで世界が成長したよ。こんなことなら早く付ければよかったよ。


「ゲロゲーロ有り難き幸せに御座いますゲーロ」

 そう言うと、皆に知らせに行った。


 もう君達の世界でもあるから、今度からは住所を書く時は、此所の住所を書くようにね。

 皆が喜んでいると、俺も嬉しいよ。


 さてと、ステータスでも確認するか。

 レベルが3つ上がって6になってるよ。

 しかし相変わらず能力の数値は何も変わってない。

 期待してなかったけどね。

 もう、いいや。今は余り考えないようにしよう。

 ちょっとずつでも封印が解ければ、その内能力値も戻ってくるだろう。


 スキルの封印が2つ解けていた。

<気象操作>

雨や風

大気を操作する事ができる  レベルに依存する

必要 P 秒/1


<雷撃>

角から雷を放つ

レベルに依存する


 さっそく試してみる。

「風よ吹け、雨よ降れ、嵐を巻きおこれ」


 俺の体の周りで、小さな旋風が巻き上がる。

 ぱらぱらと、天気雨のように降ってすぐ止んだ。

 う〜ん、使えねえ。


 雷撃は自分の手のひらに試すが、パチと弱い静電気が放出してちょっとびっくりするぐらい。

 う〜ん、使えねえ。


 う〜ん、俺が使えねえ。

 まだまだ俺の最弱神は続きますね・・・・トホホ。

 後は神力ポイントが18445になっていた。

 ポイント富豪に向け爆進中かぁー、なーんてね。


 たまにはレクターの相手でもするかと思い。

「おーい、レクター俺の能力値は何故あがらないの?」


<ハイ マスター マスターノ カイジョガ イマハ コノセカイト スキルノ カンケイニ カタヨッテイル タメデス>


 今はスキル関係の封印からはずれているなら、いつかは能力値の封印もはずれるだろう。

 すぐ忘れてしまうが、レベルは封印が解除される段階を、示してるだけだからね。

 気長に待つとするか、神様だし時間はたっぷりあるしな。


「レクター、眷族が河童とかになるのは俺の所為なのか」


<ハイ マスター マスターノ チシキト イメージガ エイキョウヲ アタエテイマス>


 俺のイメージか、キングはわかるけど他はどうなんだろう。邪神とかも影響してるのかね。


「レクター、最後に此の世界にも神がいるが、それはどうなんだ。俺は大丈夫なのか」


<ハイ マスター コノセカイノ カミハ コノセカイデ ウマレタモノニスギマセン マスターハ セカイノハザマデ ウマレタ カミデス イカイガ チガイスギマス

ツキトスッポンデス>


 月とスッポンですか俺の知識を引用してるのだろうが、レクターもくだけた言葉がでるのはいい事だ。

 その内、自我とか芽生えるといいね。

 物に愛着を持つと、魂が宿るというしね。

 いつかはレクターと、心のこもった会話ができるといいなあ。


 次の日の朝、コボルト達はいなくなっていた。

 どうやら大切な仕事が有ったらしく、朝の散歩をしているユキには、挨拶があったらしい。

 俺には挨拶が無いけどね。本当に失礼な奴等だ。


 あれから2日程たちその間、俺達はあっちの世界、此方の世界と、行ったり来たりして過ごした。


 俺達の世界でユキと遊んでいると、キングが俺の周りをジジジと鳴きながら飛び回り始めた。

 何言ってるか分からんぞ。表情がないからさっぱりだ。


 身振り手振りを交えて何とか理解すると、どうやらスイカの木を此所に移植したいようだ。


 さっそく移植しようとしたが、ゲロゲーロが言うには、木精がいないと駄目らしい。

 何でもあの木は特殊な木らしく、魔素を吸収して実にするようです。

 移植するには木精の力が必要らしく、木精は世界樹の森によくいるらしい。


 これはもう行くしかないでしょう。

 木精をスカウトするしかないでしょう。

 木精ですか、木精といえばドライアドですよ。ニンフですよ。

 行くしかないでしょうハハハ。ハッ、殺気がユキさん痛いですよ。


 此所から北に2日程行った辺りから世界樹の森らしく、ゲロゲーロとギョーとキング達には留守番をしてもらい、俺とユキで行く事にした。


 そして今は

「ギャー、ウワー、たすけてー」

 ユキの背中にしがみついてます。

 最近ユキは俺に何かあっても、俺達の世界に戻るだけと分かったようで容赦ないです。

 勘弁してよ……トホホ。


 ユキが何かに気付いたようで、耳をピクピクさせ顔を右に向け伺っています。

 ユキさん、脇見運転は事故の元ですよ。


「うっ、うあっ」

 ユキが急に右方に方向転換してさらに加速する。


 あっ、アブネェ、今のはかなり危なかったよ。急に曲がるから落とされる所だったよ。

 何があるのか前方を確認すると、あれっ、あれはこの前のコボルト達か。

 前方には少し開けた場所でコボルト達5人が、カマキリに似た魔獣と相対しているのが見えた。


「ちょっ、うそー降ろしてー、ギャー」

 ユキが更に加速して魔獣に向かって行くが、カマキリは右手の鎌を降り下ろしてくる。

 ユキは気にもせず。

 いやいや、気にして下さい。俺が背中に乗ってますから。

 前足で一撃を入れて、角から体当たりをする。 そしてそのまま駆け抜けて行く。

 俺が後ろを振り返って見ると、カマキリは木端微塵に粉砕されてます。

 ユキは何事もなかったかの様に走り続ける。

 ユキさん怖いよ。

 ふと、俺は背中に何か引っ掛かってると思い手にとると、カマキリの鎌が俺の背中に引っ掛かっていた。

「あっ、アブネェ俺、ぎりぎりだったみたいだよ」

 あと少しで戻されてたよ。

 勘弁してよ、ユキさん。


     *


 私達は、幸運に救われ任務を続行している。

 私の名はアリス。我々コボルト族の初代巫女の名を嗣ぐ者。すでにコボルト族に巫女の役職が失して久しいが、かつて神と会話したと聞く。

 その血の所為なのか。 やはりあの神獣は我等コボルト族の女神だと、私の勘が告げる。


 あの朝、神獣が我等のもとに訪れて、後ろ髪引かれる思いで、挨拶をしてあの地を離れたが、今では確信している。我等の女神だと。

 この任務が終われば今一度あの地に訪れ、拝謁をして我等コボルトの守護を願う。そして私は巫女となる。


 私が心の中で堅い決心をしていると、前方を警戒していた部下のひとりが、

「隊長、魔獣です」

 と叫びながら樹上からの奇襲を、辛うじてかわしていた。


「全員、散開して備えよ」

 私は部下達に叫びながら相手を見据える。

 緑色の体に赤い螺旋模様が入っている。


 あれは、マッドマンティスの亜種。軍の武装兵50人で戦いにあたる魔獣。馬鹿な、あと少しで世界樹の森に入るというのに、私は自分の運のなさに天を仰ぐ。

 しかしまだ諦めた訳ではない。部下達にひとつ頷き正に攻撃する時に、黒い風が目の前を過った。


 おおっ、あれは我等の女神。しかし背中に乗っている者は、彼奴は忌まわしき存在。何故彼奴が。

 今、彼奴は獲物を見付けたかのように喜び、奇声を上げて女神の背中に乗り突撃していく。

 そして驚く事に、あのマッドマンティスを瞬殺をして、敗者をいたぶるかのように、もいだ腕を振り回して勝利の雄叫びを上げている。

 やはり危険な存在。邪悪なる者。何としてでも女神を救わねば。


 我等が呆然としている中彼等は走り去った。


     *


 只今、ユキは爆進中です。

 さっき魔獣を倒したから興奮したのかね。


 ユキを宥めていると、突然体中にねっとりと絡み付く感覚を覚えた。


「なっ、なんだ」

 俺が声を上げると、ユキの体から黒いオーラが漂い出て、パーンと音と共に絡み付く感覚も弾けとんだ。


 すると目の前の風景が一変した。今までの森と違い目の前の森は、色鮮やかな緑に生命力が溢れた森に変わっていた。

 そしてまるで森が別れたかのように、一本道がどこまでも続いている。


 これはあれですかね。

 結界を破ったんですかね。

 ユキも警戒したのか立ち止まり、辺りを鼻と耳をピクピクさせて眺めている。


 俺達は辺りを警戒しながらゆっくりと一本道を進んで行くと、道の両側からくるくると回転しながら、沢山の黄色い花が空中を漂いながら此方にやってくる。


「ひっ、ひまわり!」

 向日葵の花の部分だけが、くるくる回転しながら近寄って来ると、花の中心が縦に裂けびっしりと鋭い歯が生えた口になり、

「ケタ、ケタ、ケタ」

 と鳴き出し俺達の周りを回り出した。


 うわー、これはどんなホラーだよ。怖すぎるよ。

 まさか、まさかだよね。

 神眼を使って見ると

<木精>

木の精霊と妖精の中間種


「うわーこいつらが木精だよ。嘘だろー」


「今度は期待してたのに、この世界、絶対、間違えてるぞー!」

 俺の雄叫びが、虚しく世界樹の森に響き渡る。



次回

木精と森の民 後編


ツヨシの願いも虚しく散り


森の民エルフの里では異変が


その時ツヨシは?


そしてユキの雄叫びが世界樹の森に響き渡る


次回もお楽しみに

バウ、バウ

ケタ、ケタ、ケタ

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