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異界の魔神  作者: 飛狼
3/31

第2話 呪いの沼とカエルの合唱団 前編

三回目の投稿です


前半部分は本来は前回で投稿するはずだった文章です

そのおかげで今回は前編、後編の2回に分ける事になりました

どうもすいません


駄文ですが宜しくお願いします


 これ以上考えても仕方ないので、とりあえずステータスの確認をしてみる。


***********


ステータス

名前   :ツヨシ

年齢  :50

職業   :異界の魔神

称号   :恐怖の大王

level  :1

HP   :−/−

MP  :−/−

神力P :5048


----------------------


筋力  :10

耐久力 :10

素早さ :10

知力  :100

魔力  :−

精神力 :−

器用さ :10

運   :−


----------------------


スキル

神力 神眼 魔眼


***********


 なぜかレベルが、1に成っているなどういうことだろう。

 モンスターを倒してレベルを上げるわけでもないのか。

 経験値もないから闘って上げるというわけではないのだな。

 祝福を与えて眷属にしたからレベルが上がったのか。しかし、ひとつ上がっただけか。

 う〜ん、よくわからん本当に取説が欲しいな。


 おっ、神力ポイントは5000もふえてるぞ。これでポイント貧乏から脱出できるな。


 なぜか能力値は変わってないですよ。普通は、レベルがひとつでもどこか変わるでしょ。

 まだ最弱神のままなんですね……トホホ。


 次は神眼と魔眼が、レベル1になって使えるようになったが、レベル1だから期待できないな。

 後で確認するとして神力を調べてみる。

 何かスキルが使えるようになってるかもしれないからな。


 おー、ひとつだけ使えるようになってるな。

 う〜ん、ひとつだけかレベルが1に成った。

 ひとつだけだからそんなものか。


 確認してみると

<神矢>

指先より神気を飛ばす

ポイント数により威力が変わる


 おーおー、よっしゃ、きたきた、キター。

 闘いで使える能力があるじゃないか、これはかなり嬉しい。


「ふふふ、今この時より俺の最強伝説が始まる」

 まあ、始めませんけどね。なんとなく言ってみただけです。

 だって痛いの嫌だし。


 やはり問題はレベルの上げかたが気になるな。

「レクター、闘ってもいないのにレベルが上がったのはなぜだ」


《ハイ マスター レベルガ アガッタノデナク フウインガ イチブ カイジョサレタノデ レベルガ モドッタノデス》


「えっ、そうなの知ってたら早く言えよ。俺は闘って上げると思ってたのに、ほかにレクターが知ってる事や意見があれば先に言ってくれ」


《ワタシハ ジガモナク タダノ プログラムナノデ イケンハ デキマセン マスターノ シツモンニ コタエルダケデス》


「そうかわかった、ではレクター、封印の解除の仕方は解るか」


《ハイマスター ソレハ カリマセン》


 う〜ん、今の時点では封印の解除は解らないか。

 しかし、レベルは上げるではなく戻るか。

 あーそうか、俺は勘違いをしていたんだな。此処はゲームの様なものであって、ゲームでない現実なんだ。

 モンスターと闘ったからといって、レベルが上がるはずがないじゃないか。元々あった力と、能力の封印が解けて戻ってくる。

 それが、レベルに表されてるだけなんだ。

 完全体がレベル100なのか、1000なのかわからないけどね。

 そして50年の時間のせいなのか、それとも誰かの思惑かはわからないが、封印の綻びが俺の覚醒を促し、今また綻びが大きくなっているのだろう。

 そう考えると辻褄があってくるな。


 俺がそんな考えに耽っていると

「バウ キューン」

 どうやらユキらしきものが、目を覚ましたようだ。

 ユキに視線を向けると、そこには体長は5メートル程で、全身が艶やかな漆黒の色に染まり、ナイフのように鋭い黒い爪を生やした、太く力強い4本の脚が体を支えていた。

 そして見るからに凶悪な顔には、口元から2本の牙がのび、額からは30センチ程の黒い角が1本生えていて、禍々しいオーラを周囲に撒き散らしながら、黒い犬が立ち上がり此方にやってくる。


 おー、コエー恐いわ、少し後退りながら

「えーと ユキさんですよね。少し容姿が変わったようですが大丈夫でしょうか」

 恐る恐る呼び掛ける。


「バウ」

 一声鳴くとクンクンと俺の匂いを嗅ぐと、嬉しいそうに周りを走り回り跳び跳ね、天井に頭をぶつけていました。

 えーと、床は爪で捲りあがり天井は角で削れていくとか、塔が崩れそうなので嬉しいのは解るけどはしゃぐのは止めようね。


 そういえば神眼が使えたな、ユキに使ってみる。


***********


ステータス

名前   :ユキ

年齢  :0

種族  :異界の魔犬

職業   :魔神の番犬

称号   :犬神

level  :68

HP   :12000/12000

MP  :560/560


--------------------


筋力  :820

耐久力 :1150

素早さ :1500

知力  :350

魔力  :230

精神力 :570

器用さ :690

運   :710


----------------------


スキル  SP 120

火のブレス

闇のオーラ

地象操作


***********


 えーと、これはかなりチートですね。

 もうあれですねユキが恐怖の大王ですね。

 しかも俺より知力が高いってどうよ。

 それに白いからユキって名付けたのに、真っ黒になってるし。

 もういいや、疲れたので寝る。ふて寝する……トホホ。


 ユキに抱え込まれるようにして眠った後起きて見れば、部屋が大きく成っていました。

 因みに、ユキは眷属に成ったので部屋に入れるようになったみたいだ。


 部屋の大きさは縦、横、高さが、50メートル程に広がり、周りは青い色に変わり、床は土の地面に変わっている。

 そして俺のレベルがまたひとつあがっていたが、ステータスはなにも変わっていなかった。

 なぜですか? もう嫌。


「おーい、レクター、部屋が広がって様子が変わったけど、どういうことだ」


《ハイマスターノ フウインガ イチブトケ コノセカイガ セイチョウシマシタ アト ユキサンガ コノセカイニ エイキョウヲ アタエマシタ》


 へぇ、そうなのか。俺が世界を広げユキが影響を与え、この土の地面を創ったと、レベルが2になったのはユキがこの部屋に入ったからか。

 もうここは部屋とはよべないな。

「新しい世界か」

 俺はそう呟き、ちょっぴり嬉しくなる。

 後で名前を付けるとしよう。

 まだピューピュー鳴きながら、安心したように眠っているユキを眺め、あらためて神眼でたしかめる。


 種族

<異界の魔犬>

魔狼が異界に転移しその際、位階を上げクラスチェンジした魔犬


 あれ、ユキは狼だったのか、犬だと思ってたよ。

 魔狼が魔犬に変わったのは、俺が原因かな。

 まあ、狼も犬も同じ様なものだよね……すいません。


 あと俺には種族とかないのにユキにはあるな。

 なぜだろう。転移は転生みたいなものか、年齢が0になってるし、俺の世界の生き物になったということだろう。


 職業

<魔神の番犬>

常に魔神の傍で付き従い魔神を守護する


 これは見たままだし、いいや次。


 称号

<犬神>

犬を統べる犬族の王

地属性の下級神


 ユキは犬族の王になってるよ。いや女王か。見た目が強そうだしね。

 地属性の下級神ってなに、もう強そうなの通り越して神ですよ。


 俺は神様を創っちゃったよ。

 これはあれですね。神話とかにある、神生みとかいうやつですか。

 最初の神様が、次々と神様を生み出したとかなんとかですね。

 ユキが地属性の下級神なので、俺の世界に大地ができたようです。


 次は、この能力値ですが、やはりチートです。なにこれもう嫌、俺の能力値を確認して……涙目…………トホホ。


 ユキは俺の番犬だからユキの活躍は、俺の活躍だ…………くそ、ちくしょう次だ。


スキル

<火のブレス>

口から火炎を周りに吐き出す


<闇のオーラ>

全身から漂う黒いオーラが物理攻撃以外の攻撃を全て吸収する


<地象操作>

地形操作ができる

地属性の魔法が使える


 えーと……もういうことないです…………チートですね……魔法がつかえますね…………羨ましいです。


「ちくしょう!」

 俺の叫び声にびっくりして飛び起きて、俺を見て安心したのか舐めまわしてじゃれつく。その間、俺は無抵抗だよ。

 ユキのおもちゃだよ……トホホ。


 満足したのか、俺の襟元をくわえて背中に放り投げて、俺を背中に乗せたまま扉から外に駆け出し、塔の2階から外に飛び出す。


「あっ、あぶなっ、危ないってユキさん、もう少しゆっくり安全に」

 どっかの標語なような事を言うが、喜んでると勘違いしたのか、逆にスピードがあがっていく。


「ギャー、俺は喜んでないから」

 なにこれ、これは死のコースターですか? デッドコースターですか? 涙目で背中にしがみつく。


 一気に対岸の廃村の果樹園までやって来た。


「ゼェ、ゼェ、今度からは緊急の時以外、自分の足で歩くから背中に乗せなくていいよ」


「バウ、バウ」

 本当にわかってるのかね。


 どうも朝の散歩がてら食事に来たようだ。

 ユキはスイカが、すっかり気に入ったようだな。

 俺との出会いの思い出の果実ってか。照れるな。


「バウ、バウ」

 ユキが俺のほうにスイカを転がす。一緒に喰えってことか、おもわず頭を撫でる意外と可愛いね。


 スイカを一口食べようとした時

「ガウ、ガアグルルル」

 ユキが警戒の声を上げる。

 ユキの視線の先には奴がいた。


 そう奴だ前回俺が塔に戻された原因、あのカブトもどき、これはリベンジするしかない。

 ユキに待ての合図をして、ユキにも少しは、いい所みせないとね。そして奴と向かい合う。


 前回は、あっさりとやられたが

「しか〜し、ふふふ、今の私にはこれがある」

 あれ、デジャヴか? まあ、いいか。


 右手をカブトもどきに差し出して

「神の怒りをその身に受けよ、ゴッドアロー」

 本当は念じるだけでいいけど、必殺技ぽく言ってポイントを10で念じる。


 すると、ビー玉程の大きさの光の玉が、ふわふわゆらゆらカブトに飛んで行きパン、ちょっとよろめかした。


 さすがに10は、けちりすぎたか、だってポイント貧乏は嫌だもん。


 怒ったようにカブトが突っ込んでくる。

「うおっ、はやっ、危ない」

 咄嗟に、体をかわそうとした時にバチン、ユキが前足で叩き落とた。

 地面に押さえつけて、どうするというかのように、顔をこちらに向けてきた。

 あー、そのドヤ顔、ちょっと、うざいからやめてもらえますか。


 はあー、ユキさんには、こいつはハエみたいなものですか。足元を見ると、カブトはジタバタもがくが、ユキの足はピクリとも動かない。


 少し哀れに感じて

「ユキ、離してやろうか。この木はこいつの家みたいだし、今度からはお願いして少し分けてもらおう」

 話しが通じるかわからないが、今回はもういいや。


「バウ」

 一声鳴き前足をどけると、ジジジと鳴きながらどこかに飛んでいった。


 その後、またユキの背中に放り投げ上げられて、ユキが嬉しそうに沼の周りを廻り出す。

 俺の意思は無視ですか。

 道なき森の中を、邪魔になる木々を薙ぎ倒し弾き飛ばし、ユキが通った後には道ができあがっていくんですけど、これは地形操作を使ってるのでしょうかね。

 ユキ一匹で道路工事ができるよ。


 あっ、今巨大ムカデのモンスターが、ユキに踏み潰されて舜殺されたよ。

 さっきは、熊みたいなのが弾き飛ばされてたしね。

 さっきから何気にユキが、無双してるんですけど、恐いです。


 まだ廻ってます。何が楽しいのか延々と廻ってます。

 なに、この無限コースターどうやって止めるの、どうすればいいの、ユキはいつ満足するのでしょう。

 あっ、何か大木がこちらに倒れてきたよ。

 ぶつかる…………痛い……意識が……そういえばまだスイカたべてない…………。


 意識が戻るといつもの部屋に、いや、もう部屋じゃない俺の世界だな。


 起き上がりまた扉から塔の2階に出ると、あせったユキが窓から飛び込んでくる。

 そこは出入り口じゃないから、しかも2階だし女の子がはしたないですよ。


 キュンキュン鳴きながら鼻を擦りつけてくる。

 俺が突然消え失せたので、驚いたようですね。

 頭を撫でながらユキを宥める。

 しかし、ユキのおかげで、前世の頃の穏やかな性格になれそうだ。

 ぼんやりと、そんな事を考えながら頭を撫で続ける。


 あれから何事もなく5日たち。あー、5日の間にふたつ、わかったことがある。

 俺とユキの角を合わせると、会話はできないがイメージのやり取りができる。


 因みに、今朝ユキから受け取ったイメージは、乙女チックなお花畑の中で、俺とユキが跳び跳ね駆け回って、見るからに凶悪そうな俺たちが、ウッフキャッキャしてる。なんともシュールなイメージだ。


 そんな夢でもみてたのかね。こっちが恥ずかしいわ。


 後はスキルの神矢を試してみた。ポイントを100で念じると、ちゃんと光の矢になり飛んでいった。

 2回程、飛ばしてやめた。

 ポイントがもったいないからね。

 威力は、太さが50センチ程の木を貫通させた。

 ポイント数を増やせば、もっと威力が上がるだろうが、いまはこれでいいだろう。


 ユキは、今朝の散歩をかね狩りに行っている。

 昨日までは毎朝デッドコースターに連れて行かれたが、今日はお願いして勘弁してもらった。

 のんびりとスイカを食べながら、2階の窓から外の景色を楽しむ。

 あースイカは、あの次の日にちゃんと食べました。

 まだあのカブトはいたけど、こちらにちょっかいをかけてこないし、俺たちも気にしないことにした。暗黙の不可侵協定みたいなものですか。

 それと異世界のスイカの味は、マンゴーそっくりでした。甘くて美味しかったけど、なんか騙された気分だ。

 因みに俺が食べたものは、体の中で消えてなくなり、エネルギーとなって俺の世界に還元されるそうだ。

 レクターが言っていました。

 ユキも魔素だけでいいみたいだけど、普通の食事の方が好きみたい。


 あと気になるのは2日前から沼で、カエルのような鳴き声が激しい。

 ケロケロうるさい。

 あまりに煩いときは、俺たちの世界に逃げ込むのでいいけど、そういう時期なのだと思う。

 何かあってもユキもいるから大丈夫だろう。


 窓から外を眺めていると、塔から対岸にのびる道のちょうど真ん中辺りで、ユキがしきりに沼に向かって吠えたてている。

 かなり興奮しているようだ。ユキが吠えたてる方を見ると、背中に棘のようなものを生やしたワニもどきが、沼の中を優雅に泳いでいる。


「ガウ、ガウガア」


 尋常ではない、ユキの様子に心配して慌てて塔の外に飛び出した時には、ユキは前足をすでに沼の中に入れ、吠えたてながら泳ぎだそうとしている。


 なんだかヤバい。あいつはヤバい。そんな気がする。俺の勘がそう告げる。

 いくらユキがチートでも、沼の中では相性が悪すぎる。


「ユキ! ちょっと待て。俺が行くまで待つんだ」

 俺は叫びながらユキの方に駆け出し、ユキの首筋に飛び付く時には、体は半ばまで沼の中に入り込んでいた。


「ユキ! 落ち着け、落ち着くんだ!」

 耳元で叫ぶが聞いちゃいない。完全に頭がぶっ飛んでやがる。


 角と角を合わせてイメージを送るしかない。そう思い角を合わせる。

 俺が慌てているせいかユキのイメージが先に流れて来る。

 あー、そういうことか。あいつはユキの母ちゃんを死に追いやった相手か、ユキを守ろうとして死んだんだな。

 仇なのか、それでこんなに興奮しているのか。


 ユキの気持ちは分かるが、今はだめだ。ユキがチートなようにあいつもチートだと、俺の勘が告げる。沼の中で闘うのは駄目だと感じる。


 ユキを止めるにはインパクトのあるイメージを送るしかない。あれだあれを送ろう、今朝のユキの乙女チックなイメージを逆に送り返してやる。


 角を合わせたままイメージを送ってみる。そうすると、ビクッと体を震わせ首を振りつつ俺の方を見てくる。


 俺はユキの頭を撫でながら目を見詰めて

「ユキ、よく聞け。奴は強い沼の中で闘っては駄目だ。相手の土俵ではなく陸上に引きずり出して闘わないといけない。その為にはちょっとした作戦が必要だ。むやみやたら突っ込んでは駄目だ」


「俺もユキの母ちゃんの墓をたてた縁がある。俺も協力するから、今回は退こう。次は準備を整え俺たちで狩ろう」

 ユキはちょっとの間、しゅん順をみせるが、ひとつ俺に頷き戻り始める。


 塔に戻る間も、何度も沼を振り返り吠え声を上げていた。

 奴は俺達を嘲笑うかのように、尻尾で水を弾き沼の中に消え失せた。


 奴が沼の中に消える前に神眼を使ってみる。

 能力の差がありすぎるのか、能力値とスキル等はわからなかったが。


種族

<ウォーターリザー 亜種>

本来は、竜種の下位種だが、闇の魔素を大量に取り込み亜種となり上位種並みの能力を有す


称号

<水を征す者>

水を操作する事ができる

水の中では能力が上昇する


 このふたつが見る事ができた。


 能力を見ることができなかったが、やはりチート臭いな。ユキを止めたのは正解だったようだな。


 しかし竜種か。ドラゴンとかいるんだ。やはり異世界だな。

 まともに戦えば、ユキが負けるとは思えないが。


 俺達は塔の2階に戻り作戦を練る事にする。

 といっても考えるの俺だけだけどね。

 ユキはというと俺の横でスピースピー寝てます。

 何ですか貴女は、俺が懸命に考えてるというのに、まあいいけど、俺を信頼してるから安心して寝てるのだろうから。

 よし頑張ろう。

 いつの間にか日が落ちて、外が暗くなっていく早く考えよう。


 ユキの鼻を摘まんで遊びながら考える。

 俺達は水の中では戦えないケロッケロだから奴をケロケローゲロ陸上にケロゲロケロ誘き寄せゲロゲーロケロゲロユキのケロケロゲロケロケロゲロゲーロケロケロゲロケロ。


 俺はおもわず窓に駆け寄り

「あーもう、ケロケロうるさい! 特に途中のゲロのだみ声は非常に苛つくんじゃー!!」

 外に向かって叫んだ。


 俺の叫び声に反応したのか、ユキが伸びをして起き上がる。そして俺に近づき、尻尾を振り振り首を傾げる。

 おっ、何か可愛いです。

 狂暴な顔も見慣れたせいか、可愛く見えてきた。


「バウ?」


「あーちょっと考え事をね、後は外が煩かったからね」

 ユキも同じように外を眺め、何かを聞きとるかのように耳をピクピク動かしている。

 そして突然、外に飛び出していった。

 おいおい、またですか。

 夜中に2階の窓から外に飛び出すって、どこの不良少女ですか。


 そんなこといってる場合じゃない。まさかウォーターリザーの所に行ったのか。


「おーい、ユキどこだー」

 叫びながら沼の方を眺めるが、何処にいるのかさっぱりわからん。


 慌てて外に出ようと、階段の方を振り向くと、ユキが帰って来てました。

 今目の前の窓から出て、もう反対の窓から帰ってくるって、どんな忍者ですか。

 お主、腕をあげたのう。

 ふざけてる場合じゃないですね。


 あれっ、ユキがなにか口にくわえて来てるな。


 ユキがくわえていたものを俺の方に転がした。

 よく見ると、カエル? カエルらしき生き物が、目の前にちょこんと座っている。

 体長が50センチぐらいで、緑色の皮膚の表面がぬらぬらと滑り、大きな口から舌が垂れ下がっている。

 う〜ん、カエルをグロくした感じかな、グロガエルに決定だな。

 それで、俺になにをさせたいのかな。俺にこれを食べろと、カエルとか食べないし。特にグロガエルはね。ユキもこれは食べない方がいいよ。


「バウ」

 ユキが一声鳴くと、目の前のグロガエルがお辞儀をして

「ゲロゲーロ」


「お前か、さっきのダミ声は、俺に謝りにきたのか?」

「ゲロゲロゲーロ、ゲロゲーロ」

 グロガエルは、何度もペコペコと頭をさげる。

 あー、昔の営業してた頃を思い出すからもう止めて下さい。

 それに、何を言ってるかわかんないですけど。

 でも、カエルにも知性があるんですね。う〜ん異世界だ。食べなくて良かった。


 ユキがグロガエルに

「バウ」


 グロガエルがユキに

「ゲロゲーロ」


 ユキが

「バウ、バウ」


 グロガエルが身振りをまじえて

「ゲロ、ゲロゲーロ」


 あれっ、ちょっと待て、お前ら何気に会話が成立していないか。おかしいよ、俺だけ分かんないよ。どういうこと。


 俺をそっちのけで2匹で会話している。

 いいよ、後でユキにイメージで教えてもらうから。

 だから会話に参加できなくてもいいもん…………チクショウ。


 2匹を眺めながら、一応神眼でグロガエルを確かめておく。

 種族名しかわかんないな。


種族

<ケロピョン>

水の精霊が受肉し生物に変化した妖精種


 ケロピョンは可愛いすぎだろ。断じて違うお前達はグロガエルだ。

 それ以外は絶対に許さん。

 それに水の精霊が変化した妖精だと、おかしいだろ。普通は手のひらサイズの可愛い女の子に、羽が生えてるのが定番だろ。

 この世界は間違ってるぞ。


「俺は絶対、認めん!」


 俺が急に叫んだので、2匹が驚いたように、こちらを見てくる。


「あー、何でもないです。どうぞ会話を続けて下さい」

 はあ、何か疲れたよ。

 俺はため息をつき2匹を眺める。

 しかし、5メートルの魔犬と50センチのカエルが会話をして、それを眺める魔神か。なんともシュールだ。


 はあ、またひとつため息をつき、塔の夜は更けてゆく………………。



次回

呪いの沼とカエルの合唱団 後編


今度こそ ツヨシは活躍できるのか?


そして怪獣大決戦

ユキとウォーターリザー

勝つのはどっちだ?


そして奴がなぜ


次回もお楽しみに

ゲロゲーロ

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