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⑵『俺の小説は、破綻小説』

⑵『俺の小説は、破綻小説』



埴谷雄高に救抜された俺は、その執筆的方法論で、小説家になろうで、小説を書き始めた。初めは論理的な小説、或は評論を、書いて居たと思う。書けて居た、と思う。しかし、ここ最近の俺は、小説を書くにも、どうやら破綻小説を書いて居る様だ。



破綻小説、そんなものが、人の心を打つのであろうか。俺にはぼんやりと、その根拠が見えないでいる。しかし、もうそう思っても、しょうがないのだ。であればこそ、俺の小説は、破綻小説、と言う小説を書くことで、一応は、これまでの自己を振り返ることになる。



破綻小説であるから、何もかも、有ったものじゃない、と言う感じだ。主語も述語も、主体も客体も、有ったものじゃない、という訳だ。それでも、書けて居ることは確かであって、確かに、何かの意味を持った、小説を書いて居る、破綻して居ても。

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