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⑴『俺の小説は、破綻小説』

⑴『俺の小説は、破綻小説』



俺は大学時代、院生中退まで、芥川龍之介に傾倒していた。芥川龍之介の文章は、精緻を極めた文章であり、何の隙もない、いわゆる、美文というやつである。あまりを、そぎ落とした、まさに、手本となる文章である。



ところが、それを突き詰めて行くと、どうも小説など、書くのがしんどいのである。結果的に自殺した、小説家の小説を読解すれば、自己も精神がおかしくなる訳だ。それで、院を中退後、俺は芥川龍之介から離れた。研究していた、『歯車』からも、離れた。



その時、俺を救抜してくれたのは、埴谷雄高と言う小説家である。埴谷雄高の文章は、無駄な文章、それが沢山ある。しかし、続けども続けども、論理のしっかりとした、内容である。文章をそぎ落とさず、ふくらませて行く、その文体に、自由を見て、救抜された。

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