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三題噺もどき3

短所

作者: 狐彪

三題噺もどき―ごひゃくろくじゅうきゅう。

 


 今日はパソコンに向かっていた。


 正直使いやすいのはスマホなのだけど、生憎充電中である。

 今朝からゲームをやりすぎた。最推しのイベント中なのだから仕方ない。ただでさえ充電を食いやすいタイプのゲームなのに油断していた。気づけば一桁になっていたので慌てて充電したのだ。ついでに休憩と息抜きと現実を見るために、パソコンを開いた。

 液晶とキーボードが簡単に外せるタイプのやつだ。

「……」

 なんとなく検索欄にキーワードを入れてみる。

 ……まぁ、現実なんて見ているようで見ていないんだけど。

 ちょっとした調べものついでに、なんとなく感じ続けている不安から脱するためには何をしたらいいのだろうと言う答えを、SNSに求めている。

「……」

 しかし、こうしてみていると、皆一様に違うことを言っているようで、ほとんど同じことを言っているような気がする。

 そこに見やすさとか、とっつきやすさを感じるかどうかの問題であって。内容自体は……今のところ変わりが見えないような気がしてならない。みんながそれで成功しているんだろうか。

「……」

 検索で出てきた数々の中には、自称している人も居るんだろうけど。それでも大抵は同じことだよな……なんなら、誰かの真似を真似しているんじゃないかっていう感じがしてきた。

 まぁ、実際そうなのだろうけど。

「……」

 きっと、共通している内容とか、実践方法とかは、瞠目すべき結果が表れているんだろう。少なくとも、ここに提示されている、自称も含めの、彼らには何かしらの結果が見られたのだろう。そうじゃないと、こんな所に堂々と載せたりしないと思う。

 しかし、ここに見られる人ばかりではないと言うことも分かっていないといけない。失敗した人だって、絶対どこかにいる。この方法だけが正解というわけではないはずだ。……そう思うのは私が悪いのだろうか。だからと言って、別の方法を試そうなんて思わないけど。

「……」

 だけどまあ、色々と方法とか、提示してくれるのはありがたいのだが。

 私の現状は、なんというか……そこまでに行くのが難しいと言う話をしているのであって。その先にある事ばかり言われても、その前段階にいるやつはどうしようもないと言うことなんだろうか。

「……」

 見るサイト見るサイト見る投稿見る投稿。

 大体に、こうすればあなたの夢がかなうだの。あなたのやりたいことができるだの。

 あなたの夢はなんですかとか、あなたのやりたいことは何ですかとか。

 そんなあやふやなモノ、分かるわけない。

「……」

 今はまず、その、夢とかやりたいこととかを見つけるところからしないといけないのか。

 まず、そこがあっての、その方法なんだろう。大前提、自己がそれなりにはっきりしていないとこの方法は意味がなさそうに見えるんだけど。

「……」

 なんつうか……誰でもそんな夢ややりたいことがあって当たり前みたいなの、見たくないな。こういう人たちはきっと、何の迷いもなく自分の長所とか自己主張とかできるんだろうな。羨ましい限りだ……。何もない私がばからしく思えてくる。いやまぁ、確かに愚かで馬鹿で何もできないからこんなことになっているんだけど。

「……」

 というか、なんで何かにつけて自分の長所を言わないといけないんだろうな。何のために長所を知ろうなんてことになったんだろう。長所を知って何か得することでもあるんだろうか……私みたいな長所という物より短所を探す方が簡単なんて人それなりにいると思うんだけど、そんな奴はどうしたらいいんだろうな、どうするのが正解なんだろうな。なんかたまに、短所を長所に言い換えようなんてものも目にしたけど、言い換えようのない短所ならどうするんだろうって感じだよな。

「……」

 長所短所なんて、他人が見た評価でしかない。

 本人にとっての短所が他人にとっては長所に見えたり、長所のつもりが短所に見えたりすることだってあるだろう。持っているか持っていないかの差ではあるだろうけど。

「……」

 もう何を考えたらいいのか分からなくなってきたな。

 さっきから脳内に短所ばかりが目に付いて仕方ない。いらない記憶を引き起こしてくるんじゃない。全く。疲れるから嫌なのだ。……こうしてすぐにネガティブに走るのは短所だろうな。そしてすぐ疲れるところも。短所ばかりで嫌になる。

「……」

 なんの話をしていたのだっけ。

 これから先の話だったか。

「……」

 私にこの先なんていらないんだけど。








 お題:自称・瞠目・あなた

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