邂逅鉢合わせ
ある日突然、異世界へ通じるゲートが開き、触れると特殊能力が得られる結晶が見つかる。
冴えない主人公がゲート内で迷ってしまう。
ひょんなことから最強能力を手に入れ、
主人公は世界征服を目論む!?
西城朱音は、不明の新星の手がかりが掴めず少し苛立っていた。
「だから、ファイヤーギルドの半径10kmは常に張り込んどいてって言ってるの。」
朱音が言う。
「ですが10kmはさすがに...
せめて半径5kmにしていただけませんか?」
朱音の部下(屈強な男)が言う。
「他のギルドに取られたらどーすんの?
高ランクギルドの中では弱い方なんだからここで頑張らなきゃ。」
朱音は言う。
「もういいから。
CMの撮影今日だったわね。
行くわよ。あなたたちもついてきなさい。」
朱音はそう言いながらギルド事務書を出る。
「ねえ、車は?」
朱音が言う。
「みんな不明の新星のために張り込みで使っています。」
屈強な男が言う。
「そ、そうだったわね。
しょうがない。歩くか。」
そう言いながら朱音は歩き始めた。
着飾った状態で長距離を歩いたことがなかったため、早速靴擦れを起こした。
「イッターイ
はあ、もー!!
いいことないなぁー」
そう言いながら歩いているとこちらを見る青年と目が合った。
(何あの袋小汚いわね。。。
いや、ちょっと待って、報告にあった特徴になんとなく似ている。)
「ねえ、アンタ。
あそこにいる男の子、特徴一致してない?」
朱音が引き連れていた屈強な男たちに言う。
「はあ、確かに似てはいますが...」
男は言う。
「話してみましょう!
年の為に」
必死になって朱音は言う。
その瞬間、小汚い袋を持った男は路地裏に逃げていく。
「早く!!
緊急配備レベル9!!
みんなにすぐ連絡して!!」
朱音は言う。
「は、はい。」
屈強な男はすぐに電話をする。
すると朱音の頭上にヘリコプターがくる。
朱音はそれに乗り込み、逃げた男を追う。
「あ!
あそこ!屋根の上」
朱音が言うとヘリコプターは逃げた男のスピードに合わせて頭上を並走する。
ヘリコプターが降下する前に朱音は飛び降りる。
水魔の結晶の能力で着地し、小汚い袋を持った男に歩み寄る。
「はじめまして。
可憐ギルドの西城朱音です。
よろしく。」
そう言いながら男に握手を求める。
「な、なんでバレたんですか?」
男が言う。
「バレたって?」
朱音が言う。
「あれ?バレたんじゃないんですか?」
男が言う。
「まあいいわ。
あなたの名前は?」
朱音が言う。
「え?やっぱり捕まえに来たんですか?」
そう言って逃げようとする男を水で捕らえる。
「逃げられたら困るの。」
そう言いながら男が落とした小汚い袋を拾う。
男はそれを見て何かを迷う表情をしている。
朱音は袋を開ける。
「なにこれ?
こんなにどうしたの?」
朱音が聞く。
「自分で取りました。」
男が言う。
「そ、そっかぁ。
ところで君、名前は?
私は警察でもなんでもないから逮捕なんかしないよ。」
朱音は自分にできる1番優しい笑顔を向ける。
「樋口京平です。」
京平は言う。
「京平くんよろしく。」
朱音は水を解いて言う。
「よろしくお願いします。」
京平が言う。
「早速だけど、京平くん
うちのギルドに入らない?」
朱音が言う。
それを聞いた瞬間、京平は目を輝かせながら
「可憐ギルドって高ランクギルドですよね!
本当に入っていいんですか?
いくらもらえますか?」
と言う。
これは楽勝かなと思いながら
「入ってくれたら100万円。
そこから月100万円以上は約束するよ。
ギルドに役立つと私が判断したらね。」
朱音が言う。
「え!?
じゃあ、確定で100万円貰えるんですか?
入ります!」
京平は言う。
朱音は京平のカモっぷりに
(あれ?もしかしたらコイツじゃない?)
と思いながら契約の握手を京平と交わす。
朱音が小汚い袋を拾い、京平が迷ったのは『神の槍』を使うかどうかです。
バレたらあまりよろしくないという考えがが京平にはあります。