魔法学校の日常
ある日突然、異世界へ通じるゲートが開き、触れると特殊能力が得られる結晶が見つかる。
冴えない主人公がゲート内で迷ってしまう。
ひょんなことから最強能力を手に入れ、
主人公は世界征服を目論む!?
現実世界から異世界に入り、中央国家へと戻った俺は寝不足のまま授業に出ることとなった。
「異世界で過ぎる時間をちゃんと計算しながら現実世界にいないとダメだな〜」
あくびをしながら京平は呟く。
「どうしたの?寝不足?」
後ろからソリトが話しかけてくる。
「あ、あぁ、そうなんだよ。ちょっと寝不足で...」
ヤバい聞かれたか?と思いながら京平は言う。
「どうかしたの?
授業の課題が終わんなかったとか?」
ソリトが聞いてくる。
どうやら、大事な部分は聞かれていなかったようだ。と思いながら
「そ、そうなんだよ。
結局終わんなかったけどね。」
京平は全く課題を進めていなかったことを思い出し、焦りながら答える。
授業内容は相変わらず全治の結晶の授業だった。
全治の結晶は最初の頃は浅い切り傷や擦り傷程度しか治せないらしい。
結晶の能力が上達していくと欠損した部位の再生までできるようになる。
昨日の腹の空洞を治せたのは最高魔力の結晶の能力が関わっているのだろう。
授業を終えるとソリトがまた京平に話しかけてきた。
「ねえ、図書室に行ってみない?」
ソリトが言う。
「図書室なんてあんの?
知らなかった。」
京平は、あまり興味を持てず、適当に返事をする。
「行こうよ!図書室!!」
ソリトはそう言いながら京平の手を引っ張って図書室まで連れて行く。
図書室の前に立ち、京平は驚いた。
図書室というよりも博物館のような迫力がある。
建物の中に入ってみると、壁一面に本がびっしりと並んでいる。
「すごいでしょ!
さすが中央国家の魔法学校が誇る図書室だよね!
僕が今まで読んだことある本は全部あったよ。」
ソリトが言う。
本を読むのがあまり好きではなかった京平も初めて見る光景に驚き、近くにあった本をとって、読んでみた。
本は日本語で書かれており、その本の内容は賢者アルバートのおとぎ話のようなものだった。
賢者アルバートは人類で唯一全ての結晶の能力を持っていたらしい。
京平はここで読むのが飽きてしまい、本を元の場所に戻し、また別の本を取ってみる。
次の本には炎の結晶について書かれた本だったがほとんど授業で習ったのでまた元の場所に戻した。
自分の知らない結晶について書かれた本があった。
心理の結晶と説明されていた。
心理の結晶は人の感情をある程度操ることができるらしい。
敵を消極的な感情にし、攻撃の意欲を削いだり、仲間を積極的な感情にし、活動的にしたりなどの使い道があると書いてあった。
「俺の知らない結晶がまだまだあるんだなぁ。」
そう言いながら本を閉じてソリトのところへと行った。
「なあソリト、心理の結晶って知ってる?」
京平がソリトに聞く。
「あぁ、知ってるよ。
結構珍しい結晶で北の方にある洞窟に行けば入手できる結晶でしょ。
でも、あまり見つからないし、能力も強くないから希少なだけっていう評価をされてるよ。」
ソリトが言う。
「へぇ、そうなんだ。」
俺はそう言いながら図書室内の奥にあるドアに気がついた。
「あのドア何?」
俺がソリトに聞いてみる。
「あれは、貴重な本が保管されてる部屋だよ。
あそこにある本はどれも解読不能だから誰も入ってるところは見たことないけど」
ソリトが言う。
「へぇ~」
俺が言う。