想定外
(ヤッベー。誰だあいつ?)
京平は爆風を耐えたあとにそう思った。
スリーテンが暴れる前、確かに誰かが乗り込んだ。
またもや、スリーテンがキャノンを撃ってきたため今度は避ける。
「これ出力10%超えてるでしょ!」
京平は珍しく焦りながら言う。
流石にこのままでは耐えられないと思い、京平はスリーテンを傷つけないという枷を外した。
「壊してもまたもらえるっしょ。」
京平は両手を広げると、眩い光が掌から溢れ出す。それは瞬く間に収束し、高さ4メートルを超える4本の巨大な円錐が出現した。
京平は標的を定めた。狙うのはスリーテンの四肢と胴体を繋ぐ関節部分。ここを正確に撃ち抜けば、機体は機能を失い、ただの鉄塊と化す。
「……行け」
その一言と同時に、円錐が空間を引き裂くように放たれる。斥力を極限まで高めたそれは、肉眼ではもはや追えない。
最初の円錐がスリーテンの右腕に直撃した。関節部の装甲は一瞬で蒸発し、内部機構が露出する。衝撃に耐えられず、腕全体が激しく軋みながら分断され、月面へと落下した。
続いて左腕。第二の円錐が突き刺さると、そこには何もなかったかのように機体に穴を空け通り過ぎていく。機体はバランスを失いかけながらも、まだ立ち続けていた。
脚部を狙った円錐が、スリーテンの膝関節へと突き刺さった。圧縮されたエネルギーが内部で炸裂し、装甲がまるで紙のように裂けていく。
スリーテンの巨体が揺れ、膝が崩れる。
京平の放った4本目の円錐が、胴体と腰部を繋ぐ部分に直撃した。破壊されたスリーテンは、もはや支えを失い、重力に従ってゆっくりと落下する。
スリーテンは完全に機能を停止した。
スリーテンの手足がつながっていた部分は摩擦熱でオレンジに染まり、胴体は月の重力のよってゆっくりと落下した。
京平はすぐに操縦席の扉を開け、中には入っている大怪我をした少女に治癒の結晶を使い、完治させる。
数秒後、少女が目覚めた。
怯えている少女に京平は話しかけた。
「名前は?」
京平が聞く。
「…」
ミレアは答えない。
「名前」
京平が言う。
「ミ、ミレア…」
ミレアが言う。
「なんでこんなことした?」
京平が聞く。
「いろいろ不幸が重なってと言うかなんというか…」
ミレアが言う。
「まあいいや。君、センスあるね。操縦する。」
京平が言う。
「あぁ、ありがとうございます。」
ミレアが言う。
京平は自分に似た何かをミレアに感じた。
異世界に行く前の惨めな自分に似た。
軍はミレアを拘束しようとしたが、京平は彼女を庇い、その行動を阻止した。彼にとって、ミレアはただの犯罪者ではなく、救いの手を差し伸べるべき存在だった。
最終的に、京平は軍に対し、結晶を大量に譲渡することで、ミレアの逮捕を免れさせた。
京平とミレアは地球へ向かった。
地球に到着するとミレアは感激した様子で辺りを見回していた。
十分に地球観光する間もなく、京平はミレアを現実世界に連れて行った。
朱音に頼んでミレアを可憐ギルドに入れてほしいと頼んだ。
クリスタラーのセンスがあるから引き抜いてきた。
指導員としてクリスタラーの訓練をすると伝えた。
朱音は京平が可憐ギルドを当分抜けないと確信し、上機嫌となった。
もちろんミレアが可憐ギルドに入ることは許可された。




