いらない命の使い方
冷たいコンクリートの床に座り込み、ミレアは震える手で膝を抱えた。頭の中は真っ白で、何も考えられなかった。ただ、胸の奥底から湧き上がるどうしようもない絶望感が、全身を蝕んでいく。
「私が…逮捕…?」
信じられない。まさか、自分がこんなことになるなんて。あの日、あの時、それが、こんなことになるなんて。
「どうして…?どうして、こんなことに…?」
涙が溢れて、止まらない。目の前がぼやけて、何も見えなくなる。両親の顔、友達の笑顔、通い慣れた街並み。すべてが遠ざかっていく。もう、あの頃には戻れない。
「私は…もう、終わりなんだ…」
未来なんて、考えられなかった。希望なんて、どこにもない。ただ、暗くて冷たい絶望の淵に、一人取り残されただけ。
「誰か…助けて…」
声にならない叫びが、喉の奥で震える。でも、誰も助けてくれない。誰も、私を見ていない。私は、もう、一人ぼっち。
「もう…どうでもいい…」
ミレアは、目を閉じた。冷たいコンクリートの感触だけが、現実を突きつけてくる。もう、何も感じたくなかった。何も、考えたくなかった。ただ、このまま、消えてしまいたい。
ミレアは、まるで抜け殻のようになっていた。希望を失い、未来を閉ざされた少女に残されたのは、自暴自棄だけだった。
拘置所の冷たい壁を爪で引っ掻き、頭を打ち付けた。痛みを感じることで、わずかに自分が生きていることを確認した。食事も喉を通らず、睡眠もまともに取れない。ただ、時間が過ぎるのを待ち、早くすべてが終わることを願った。
ある夜、ミレアは看守の目を盗み、ベッドのシーツを細長く裂き始めた。それを首に巻き付け、壁の突起に結びつける。足元の椅子を蹴り飛ばそうとした瞬間、扉が開いた。
「何をしているんだ!」
看守の叫び声が、ミレアの耳に突き刺さる。しかし、もう止まれなかった。目の前が真っ暗になり、意識が遠のいていく。
「ダメだ!しっかりしろ!」
看守の必死の呼びかけも、ミレアには届かない。彼女の意識は、深い闇へと沈んでいった。
幸い、ミレアは一命を取り留めた。しかし、彼女の心は、さらに深く傷ついていた。自暴自棄な行動は、彼女自身の命を危険に晒すだけでなく、周囲の人々にも深い悲しみを与えた。
ミレアは、自分の愚かさを後悔した。しかし、同時に、どうすればいいのか分からなかった。希望を失った少女は、再び絶望の淵に立たされた。
ミレアは、白い壁に囲まれた病院のベッドで目を覚ました。天井の蛍光灯が、痛々しいほどに目に突き刺さる。身体は鉛のように重く、頭はぼんやりとしていた。
「ここは…?」
掠れた声で呟くと、傍らにいた看護師が優しく微笑みかけた。
「ここは病院よ。あなたは少しの間、ここにいることになるわ。」
ミレアは、自分が自殺未遂を起こしたことを思い出した。あの時、彼女は本当に死ぬつもりだった。しかし、今はどうだろうか。死に損なった自分を、情けなく思うだけだった。
病院での生活は、単調で退屈だった。毎日のように医師やカウンセラーが訪れ、彼女の心の状態を尋ねた。ミレアは、彼らの言葉に耳を傾けることもなく、ただ窓の外を眺めていた。
ある夜、ミレアは看護師が巡回に来る時間を見計らい、病室を抜け出した。病院の裏口から外に出ると、夜の冷たい空気が彼女の頬を撫でた。彼女は、どこへ行くかも決めずに、ただひたすら走り続けた。
街の灯りが遠ざかり、人気のない場所にたどり着いた時、彼女は足を止めた。
軍の基地に着いた。
柵の外からは見たこともない特殊な人型大型兵器があった。
おそらく公表されていない極秘機体なのだろう。
パイロットがでてきて、整備士となにやら話している。
その後、パイロットは立ち去った。
ミレアはバレないようにその人型兵器に近づき、柵を越え、進んでいった。




