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最強能力

ある日突然、異世界へ通じるゲートが開き、触れると特殊能力が得られる結晶が見つかる。

冴えない主人公がゲート内で迷ってしまう。

ひょんなことから最強能力を手に入れ、

主人公は世界征服を目論む!?

学園生活2日目。

学校の制服が思ったよりも似合う。




今日は初めて授業を受けた。

慣れない環境だったが、それなりに馴染んでると思う。


「はーい、じゃあ授業初めて行くぞー。

あー、途中入学もいるのか。

じゃあ、出入り口の近くに炎の結晶を置いとくから帰る時取っていってね。」

そう若い男の先生が言った。


炎の結晶を配っていたので俺は驚いた。

(他にも簡単に能力が手に入る?)

そう思っていると授業が終わり、休憩時間に入った。

俺は学校内をを探索しようと色々と見て回った。

中庭に着くと気になるものが目に入った。

台座のようなところに1度も見たことがない結晶がバリアのような球体の中で浮いていた。

台座の前に行くとその結晶の説明らしきものが書いてあった。


「賢者アルバートが発見した最高魔力の結晶。

アルバートは自分が使うのは恐れ多いため、この世界の全てを通さない結界を張りここに設置した。

未だ嘗てこの能力を得た人間はおらず、この結晶の能力は判明していない。」




その時俺は説明の「この世界の全てを通さない」というところが気になった。

俺はこの世界の人間じゃないから、もしかしたらこの結界をすり抜けることができるかもしれない。

触ってみようと思ったが、人の目が多かったので、夜になって、誰もいなくなったら試してみようと思った。






夜になると俺は黒い外套を着て、昼間来た中庭へ行った。

俺はあの結晶の前に立ち、恐る恐る手を近づける。

すると思っていた通り、俺の手は結界をすり抜ける。そのまま俺は、結晶に触れる。

ものすごい光を発しながら結晶が消える。


しばらくすると

「なんだ?今の光は?」と

どこからか声が聞こえたので自分の部屋に戻ろうとする。


「今、光ったよなぁ?」


「あぁ、見ろ!

台座の結晶がなくなっている!」


「本当だ!

誰の仕業だ?

結界を解除できるのなんか熟練の魔法使いだけだ。。。」





「いたぞー!」

ヤバい見つかった。。。

俺は、急いで自室に入る。


近くの部屋に誰かが入ってくる音が聞こえた。


「誰か来なかったか?」

全ての部屋に聞いているらしい。


ドンドンドンッッッ

俺の部屋にも来た。


「誰か来なかったか?」

と聞かれたが、


俺は目をこすりながら

「いやぁ、来てないと思いますけど。」

という。

「そうか。」と言って他の部屋の行った。

危ねえ。と思いながら俺は眠った。



翌日、台座から結晶がなくなったことで話題が持ちきりだった。

先生は、賢者アルバートと同等以上の魔法の使い手でないと不可能と言っていたので、基礎コースの生徒である俺が疑われることはなさそうだ。

しかし、公に能力を使うとバレてしまうのでそれは控える。

授業は炎の結晶を使った戦闘訓練だった。

基礎コースと発展コースの合同で行われた。

火の出し方や動かし方その他諸々を教わった。

俺は、それなりによく出来たと思う。

しかし問題は、発展コースにいる、特に貴族がずっと基礎コースを馬鹿にしたり、妨害したりしてくることだ。

基礎コースは全員平民で貴族のいじめの対象になるらしい。

学校は貴族から莫大な資金を寄付されているので貴族の素行の悪さは見て見ぬふりをしている。






俺は休みの日、中央国家から離れた人気のない草原で盗んだ結晶の能力を試して見ることにした。


「でも、どうやってやるんだ?」

そう言いながら授業でやった手から火を出すときのように右手をかざした。

案の定、炎しかでなかった。

何度も試して見たが成功せず、時間だけが過ぎていった。

気がついたら暗くなり始めていた。


「そろそろ帰るか。」

そう呟いた途端


「グギャー」

と後ろから声が聞こえ俺は、振り向いた。そこには5体の狼のようなモンスターがいた。

それは狼よりも大きく1.5m程はある。

狼は俺に飛びかかってくるので、火でなんとか攻撃してみる。

少し怯ますことができたが、大して効いていない様子だ。

俺は命の危険を感じながら火を放つ。

狼がまた飛びかかって来て、俺は尻もちをつく。

俺は必死の思いで火を放つが致命傷にはならないようだ。


「わぁぁぁ!」

そう叫びながら手をかざすと高さが30cmほどの金色の光る円錐形が5つ出現し、狼それぞれに突き刺さる。狼はそのまま死に、塵になって消えた。

1体の狼から炎の結晶が出てきた。

俺はそれを広いポケットに入れた。


「あれが、最高魔力の結晶の能力か!」

そう叫び、俺はモンスターをなぎ倒しながら中央国家まで帰る。


最終的に炎の結晶を全部で6つ手に入れた。

後で商店で売ろう。

それと、夜になるとモンスターが出現するらしい。

今度からは気をつけよう。













「なぜ、消えてしまったんだ。」

帝国魔法学園の校長に中央国家の官僚が言う。


「申し訳ありません。

しかし、あの結晶には、賢者アルバートの結界が張ってあったはずですが。。。」

校長が言う。


「そうだ。

しかも結界を壊さず、結晶だけを盗み出した。

結界は破壊するよりも認識されないようにする方が格段に難しい。」

官僚が言う。


「は、はい。

今、学校職員や警備員、さらには軍を使って犯人を探しています。」

校長が言う。


「まあ、無駄だろうな。」

官僚が言う。


「な、なぜでしょうか?」

校長が言う。


「賢者アルバートの結界をいとも簡単に解いたんだ。

相当な実力を持っている。

この中央国家を転覆させる力くらいは持っているだろう。

さらに、あの結晶の能力も手に入れただろう。

そんな相手には軍を総動員しても勝てるかどうか分からん。」

官僚が言う。


「で、ではどうすればいいのでしょうか?」

校長が言う。


「どうする事も出来ない。

しかし、責任を取ってお前には校長を辞めてもらう。

調べたらたくさんの不正をしているそうじゃないか。

極端な貴族優遇も。

この学校は中央国家の管轄だ。

生徒の身分による優劣はつけないはずだぞ。」

官僚が言う。


「も、申し訳ありませんでした。

お、お許しください。」

校長が言う。


「何を言ってももう無駄だ。」

官僚はそう言いながら項垂れた校長のいる部屋を出ていった。










学園生活3日目。

今日は、結晶を売った金と助成金で洞窟の地図を買った。

地図は主に軍が作成し、魔法学園の生徒のような特別な人間しか買えないため、すごく高価だった。


「これで現実世界へ帰れるぞ!」

そう言いながら現実世界の服をカバンにしまう。

俺は、現実世界につながるあの洞窟に向かうため出発した。










「よし!これがここだから右か。」

地図を見ながら洞窟を進む。

今はちゃんと現実世界で着ていた服を着ている。

最高魔力の結晶の能力に慣れるため、必要以上にモンスターを倒しながら進む。


「やっと着いた。」


俺は現実世界に通ずるゲートを見つけ、そこ中へ入っていく。









「おい、お前そこで何してるんだ!

早く列に並べ!

もう今日は終わりだぞ!

さっさと帰れ!

結晶を手に入れていないならまた明日ここに来るんだ!

能力を得るまで終わらないぞ!」

あの日前で演説していた屈強な男に言われる。


「すいませんでした〜」

と言いながら家に帰る。




家に帰り、スマホを見てみるとゲートに入ってからまだ1時間も経っていない。


「やっぱり、時間がズレてるんだ。」

と呟く。











次の日、結晶が手に入らなかったふりをして、またゲート内に入った。

ゲートに入るとまたグループからはぐれ、洞窟の外に出る。

洞窟をでたらすぐに異世界の服に着替え町に行ってみた。


「あんまり変わってなさそうだな〜。」

異世界は時間が進んでいると思ったがそうでもないらしい。

馬車で中央国家へ着くとやっぱり、1日しか経っていなかった。


「あれ?

君!昨日どこ行ってたの?」

寮が隣の部屋で同じ基礎コースの生徒に話しかけられた。

その生徒は、ソリトという名前らしい。

髪型はおかっぱで、身長は165cmくらい。

メガネをかけている。


「あーえっと、親のところ行ってた。忘れ物したから。

向こう着いたら結構遅い時間だったからそのまま泊まることにしたんだ。」

意外とうまい言い訳を思いついた。


「それにしてもさ、あの結晶がなくなったのって誰の仕業なんだろう」

ソリトが言う。


「たしかに、でも俺たちよりもずっと魔法が使える奴だよね。」

俺が言う。


「そりゃあそうでしょ。」

ソリトが言う。



そんな雑談をしながら授業が行われる教室へ向かった。

主人公は、異世界ではキョウという名前です。

京平だから。 

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