冴えない俺が異世界チート能力で世界征服!?
ある日突然、異世界へ通じるゲートが開き、触れると特殊能力が得られる結晶が見つかる。
冴えない主人公がゲート内で迷ってしまう。
ひょんなことから最強能力を手に入れ、
主人公は世界征服を目論む!?
ある日突然、モンスターがいる異世界へ通じるゲートが開き、ゲートの中で触れると特殊能力が得られる結晶が見つかった。
炎の結晶は火を自由自在に放出する能力が得られる。結晶の中で最も量が多く、ありふれた結晶である。
結晶は現在、全部で3種類見つかっている。
全員、20歳になると最も難易度の低いゲートに入り、炎の結晶を手に入れることが義務となった。
結晶を使った戦闘訓練をすることで、いつでもモンスターと戦えるようにするためである。
俺の名前は、樋口京平。
今は、フリーターだ。
小、中、高と学生生活は平凡そのものだった。
全然面白みが無かった。
今日はとうとうゲートに入る日。
ゲートの前で整列させられ、前で屈強な男が演説をしている。
「集団行動をし、絶対にグループから離れないこと!
炎の結晶を見つけたら直ちに触れ、能力を得ること!
ゲート内は時間がズレて進んでいるので注意すること!
ゲート内ではぐれたら、時間のズレも相まって救出は難しいので注意すること!
以上!
では!私に続いてゲートに入る!」
そう言いながら前の列から順番にゲートに入っていった。
ゲート内には、大きな赤いトカゲのようなモンスターがいた。
モンスターを倒すと死体が塵のように消え、10体に1体の頻度で炎の結晶が出てくる。
列についていくだけなので自分は戦闘をしていない。
前の列の奴が次々と炎の結晶に触れてるみたいだ。
前の方で火炎が見える。
「すげー、ゲート内ってこんなんなんだ。」
とぼーっとしているとみんなが30mほど先に進んでいた。
「ヤッベ、遅れてる!」
と言いながら急いで走る。
前に見えていた列は死角で見えなくなってしまった。
「どっちに進めばいいんだ?」
俺は3つに分かれる道を見ながら言う。
こうしている間にもみんなはどんどん進んで行ってしまう。
「ここは勘だ!!」
そう言いながら1番左の道へ進む。
「ヤッベー。終わったかも。
絶対この道じゃないじゃん。」
そう言いながら人1人がギリギリ通れるような洞窟を進む。
どこかでみんなに追いつけると根拠の無い期待をしながら闇雲に進む。
「やっと開けた場所に出た。
お?光だ。
ってことは入り口に戻ってきたってことか?」
そう言いながら光のある方へ進む。
「ウソだろ...」
洞窟を抜けるとそこは見慣れた街並みではなく、草原が広がっていた。
当たりを見回してみると、1kmほど離れた場所に町があるのに気づく。
1度洞窟に戻ろうと思ったが、また道が3つに分かれていたので、町に行こうと思う。
「結構遠いなぁ。」
そう呟きながら歩く。
異世界だからモンスターがいると思ったが見当たらず、無事に町に着くことができた。
町に入ると珍しい服装のためジロジロ見られたがこの世界の通貨は持っていないため、気配を消しながら町を歩く。
現実世界に戻る方法が思いつかなかったので1度この世界で情報収集をしようと思った。
「あの洞窟の地図が手に入ればいいが...」
と言いながら酒場に入る。
案の定ジロジロ見られたが、自分でも勝てそうな老人がいたので話しかけてみる。
「あのぉ~、はじめまして。」
俺が言う。
「おう、なんだ?」
老人が言う。
言語が通じて良かった。
「この町の近くに洞窟がありますよね?
その地図が欲しいんですけど。」
俺が聞く。
「洞窟の地図だぁ~?
そんなの軍ぐらいしか持ってないぞ。
少なくとも魔法学校の生徒じゃないと手に入らないな。」
老人が言う。
「そこをなんとかならないですかぁ〜?」
俺が言う。
「どうしてもなんとかしたいんなら、お前が魔法学校に入ればいいんだよ。」
老人はニヤニヤ笑いながら言う。
「あの、じゃあその魔法学校に入る方法を教えてください。」
俺が言う。
「はーっはっは。
お前さんが?
魔法学校は入るのが難しいんだぞ?
教育を受けてないやつが行っても絶対に入学試験にゃ受からんぞ!
それか貴族出身でない限りな。」
老人は馬鹿にしながら言う。
「それでもいいので教えてくれませんか?」
俺が言う。
「まず、中央国家まで申込書を取りに行かなきゃならん。
そして、そこに親の名前と自分の名前、出身地、その他諸々を書いて出しゃいい。」
老人が言う。
「あの〜、親の名前を書くのが難しい場合はどうすれば...」
俺が言う。
「親がいない奴は受けるなってことだ!」
老人がまたもや馬鹿にしながら言う。
「でももし、お前さんが申込書を持ってきたらわしが書いてやってもいいぞ。親として。
その代わり、入学した時は、魔法学校生がもらえる援助金をわしが全部いただくがな。」
老人が言う。
「分かりました。でも中央国家ってどうやって行くんですか?」
俺が聞く。
「馬車でもなんでも乗せてもらえ!
まあ、乗せてくれる輩なんていないだろうがな。
せいぜいバレないように乗り込むんだな!」
老人が言う。
俺は言われた通り馬車の荷台に忍び込み、中央国家へ行った。
そこで、変な服装をジロジロ見られながら、申込書を入手し、元の町に行きそうな馬車に乗り、戻ってきた。
あの老人はまだ酒場にいた。
俺は申込書を突きつけ
「名前、お願いします。」
と言った。
「本当に取ってくるとは思わなかったな。
まあいい、書くだけでわしに損はないんだ。
書いてやろう。」
そう言いながら老人は名前を書き、「サービスだ。」と言いながら出身地まで書いてくれた。
そして俺は、申込書を提出しにまた中央国家への馬車に忍び込んだ。
出発前、
「試験までこれで飯を食え。
受かったのに金をよこさないと分かったらお前さんのことバラしてやるからな」
とあの老人から言われ、数枚の硬貨をくれた。
中央国家に着いてすぐ俺は申込書を出した。
試験は申込書提出の3日後に行われるらしい。
試験当日になった。もらった硬貨ではみすぼらしい夕食を買うのが限界だった。
俺は数回盗みを行ったが、バレずに試験当日を迎えた。
「試験の内容ってなんだ?
申し込むことに夢中で知らないぞ」
準備不足のまま試験を受けた。
試験内容は筆記試験のみで、現実世界の人間なら誰でも解けるような問題ばかりだった。
翌日また来るように言われ、俺はまた町の裏で野宿をした。
翌日になった。試験には受かっていた。
この世界の教育は十分に行き届いていないらしい。
その場でこれからの学園生活をどうするか決めるよう指示された。
最初の援助金を受け取った。
俺は、寮暮らしで、魔法のことは全く知らないため、1番難易度の低い基礎コースを選んだ。
途中入学ということらしい。
寮はボロボロで狭かったが、野宿よりかはマシだと自分を言い聞かせた。
援助金を届けるためにあの町までまた戻ることにした。
今度は運賃を払って、馬車に乗せてもらった。
町に着くと、またあの酒場に老人がいた。
援助金を渡すと
「こんなにもらえるのか?」
と驚いていた。
「それでも半分は俺がもらったんだけど」と思いながら学校へ戻る。
『帝国魔法学園』
俺が通う学校だ。
今までの冴えない日々とは違う未来が待ち受けてる気がして俺は楽しみにしながら眠った。
結晶に触れると結晶は弾けながら消滅します。
同じ能力の結晶に再度触れても結晶は消えません。(変化ありません。)
例えば火の能力を持っている状態で炎の結晶に触れても何も起きません。