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不天退帰  作者: 七星北斗


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21/22

21.許してほしい。

 何気ない日、全てが硝子玉のように美しく見えた。雪は結晶、花は種子。なら私は?


人間は自分の番がくると、一人一人が舞台に上げられて何かの劇を演じているのだ。我ながら子供染みた発想だと思うのですが、これこそ人間の一生だと思っていた。


そんな私に祖父は人は重なりだと、星はずっと私たちを覚えていると言う。


難しくてよくわからないと祖父を困らせた私、何も知らずに育ち。ある日、私は拐われた。


従者は殺され、私は眠らされた。そのまま龍造寺家に連れていかれ、そこで初めて鷹春と顔を合わせたのだ。


私に当主の子を生ませることが目的で拐ったことが、しばらくしてわかりました。


歩き巫女とは、武田家に仕える母様がそう呼ばれており、私がそれを引き継いだ呼称です。


泣き喚く私は、乱暴されて穢れてしまった。鷹春の子を孕むくらいなら死んだ方がマシだと、自らを繰り返し傷つけたが死ぬことができない。


私はようやくわかったこの世は地獄だということを。


しかし鷹春を殺すチャンスがようやく巡ってきた。誰だか知らないが鷹春と戦っている。


恵まれた女が羨ましくて半殺しにしたが、別の女に私は何度も殴られた。この女から全てを奪ってやりたい気持ちになる。


女を切りつけて殺そうとしたら、男が真っ直ぐな目で私を見ていた。


彼は私に怒っているんだろ?という。自分の感情なんてわからなくなってしまっていた。とっくに壊れてしまっているから。


悪役として舞台に上がり鷹春が倒され、私の処分は収監、もしくは売られるかもしれない。ならこの場にいる全てを殺し、私も死ぬ。


邪魔者を排除するため、残像を作りながら歩いた。しかし彼はそれを見抜き、会心の一撃を受けてしまう。


私は眠るのが怖かった。だからいつも眠れない毎日を過ごしている。最後に聞いた彼の声からは優しさを感じた。


目覚めた私を待っていたのは、自由という解放。彼が今回の戦での自分の恩賞はいらない。しかし彼女の罪を許してほしいと嘆願したそうだ。


彼の言葉はこれまでの人生に対する赦しであり、これから私の人生が動き出したのかもしれない。


お礼が言いたい。この地獄から救い出してくれたことを。


再び彼に出会った私は謝罪を述べ、頭を下げてお願いをする。拒絶されたらショックで立ち直れないだろう。


体が強ばり、返答を聞くのが怖い。


しかし彼は頭を上げろと仲間として認めてくれた。


迷惑かもしれないけど感情を抑えられない。これが私の初恋だ。願わくば少しの間、彼の側にいることを許してほしい。


このともされた灯火で、今度は貴方の足元を照らすことができたらどれだけの幸福か。


これは余談ですが、龍造寺鷹春は、これまでの悪事が明るみになり、日本の治安維持組織、黒影隊に拘束され留置場送りとなった。

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