家庭教師
数日が過ぎた。
「お嬢様、こんにちは!私は家庭教師のサバです!」
サバ…。なんだか頭に魚の映像が流れてきたが、これも前世の記憶のせいだ。
サバ先生が教えてくれるのは魔法。
どうやら私には魔法の才能があるらしいと、お父様が家庭教師を呼んだ。
「よろしくお願いいたします。」
ペコリとお辞儀をして、顔を上げると嫌な予感がした。
「あの!お嬢様。修復魔法なんてどこで覚えたんですか!?これができるのなんて国で数人しかいない高度な魔法ですよ!?それをこの年齢でしてしまうだなんて…!!!どこで覚えたんですか!?」
え、ちょっと待って。国で数人ですってぇ!?
どこで覚えたんですか、とか2回も聞かれても困る。
漫画で主人公が使ってて〜、なんて言えるわけもない。
「な、なんか前に本で見て…。あれ、誰かから聞いたのかもしれません。」
あながち間違ってないだろう。漫画で見たんだもの。
曖昧に答えて受け流すと、それに感銘を受けたサバ先生は更にテンションが高くなる。
げ…。ちょっと面倒そう。
取り敢えず、魔力は使うことで増幅するらしい。
魔法についてわんさか語ったあと、明日以降は早速実践に入る旨を伝えるとご機嫌で帰っていった。