表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/24

変化

次に目を覚ましたときは、もう大分体の調子が良くなっていた。隣にはテオ君がいて、心配そうな顔でこちらを覗いている。


「っ!アイリ姉さん!」

「…テオ君、来てくれてありがとう。」


「ごめんなさい。僕のせいで…」

「テオ君のせい?何が、かしら。」

「僕がペンダントが壊れたなんて言ったからこんなことに。」

「それは違うわよ。テオ君は何も悪くないじゃない。大切なものを壊されて…でも、直せて良かったわ。」

「…ありがとうございます。」

「そうだ、ご飯は食べた?」

「はい。頂けるようになりました…」

「良かったわ。」


それから2日間寝込んだ後、すっかり元気になった。実は、お父様も夜中に様子を見に何度か来てくれたらしい。


2日後の朝。いつものように食事をする部屋へ行くとそこには父、母、そしてテオドールの姿があった。


「テオ君!?」


「アイリ、おはよう。元気になったようで何よりだ。」

「お父様、ありがとうございます。」

「おはよう。」

「お、おはようございます。」

「おはようございます!」


母の心境が変わった理由は分からないが、一緒にテーブルを囲むことができているのが堪らなく嬉しかった。その日の食事はいつもより美味しく感じた。


食事の後、テオ君に呼び止められて、二人は中庭へと向かった。


「ありがとうございました。」


テオくんは深々とお辞儀をする。


「?えっと…何のことかしら?」

「ローゼン婦人のことです。」

「え?」

「その、昨日、ローゼン婦人が僕の部屋に来て下さって、家族とは認められないけれど、同居人としてならって言ってくださったんです。アイリ姉さんが働きかけてくれたそうで。」

「私、そんなに何かしたかしら……?でも一緒に食事ができて良かったわ!」


私はにっこりと微笑んだ。


因みに、後で知ったことだが。

ペンダントを壊した侍女たちはクビになり、食事を与えなかった侍女には謹慎処分が下ったとか。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ