秘密
結局、その日の夕方までテオくんは帰ってこなかった。
「テオくん、お帰りなさい。って…えっ!?医務官!!!」
帰ってきたテオくんは、傷だらけであちこちから血も出ていた。慌てて大声で医務官を呼ぶ。
「ちょっと、どうしたの?何があったの?」
「アイリ姉さん。この傷なら大丈夫だよ。そんなことより、アイリ姉さんの隣にいるのは、絶対に僕だから。」
テオくんはアイリの頬に手を伸ばす。
そこへ医務官がすっ飛んできて治療室へ引きずり込まれていった。
どういう事!?
さっきの、最後の一言が引っかかる。
まさかとは思うけど、リストに載っていた人の名前を消そうとして殺ってしまったとかって事はないだろうけど。返り討ちにあったとか?
確か、アズファールの名前を見た後に行く所ができたって言ってたような。
しかし、彼は一向に口を割らなかった。
出かけてはボロボロになって帰ってくる。
「ちょっと、いい加減どこに行ってるのか教えてよ。こんなに傷ついて…。」
「心配かけて、ごめん。でも、もうちょっと待って。僕、頑張るから。」
頑張るって何を!?
テオくんに聞いてもまだ話せないと、そればかりだ。
「分かった。でも、いつかはちゃんと話してね。私はここにいるから。」
そんな彼を見守るしかできなかった。




