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異世界転生〜神の能力少しだけ使えます〜  作者: ★わくわく★
第4章 テオドール学園編②
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第92話 ボア狩り


 オリヴァーは冒険者登録をしている。

 その間にいい依頼がないか探していると。


 「これなんか、いいんじゃないか?」

 ナタリーが依頼書を持ってきた。


 •■■食堂、ボアの肉

  報酬 銀貨8枚 


 「いいね。今のオリヴァーにはピッタリだ。エミリーも一緒に連れて行こう。ここなら危険もないし。」


 ちょうどオリヴァーも登録が完了したようだ。

 そして依頼書を渡す。

 「いきなりだが、この依頼を受けよう。大丈夫。今日だけは一緒にいるから。」


 「そうだよな。依頼を受けないと金も入らないしな。冒険者の事も色々教えてくれ。」


 そう言ってDランクの依頼を受ける事に決まった。

 場所は王都から西へ向かう事、約1時間の距離。


 ここの草原エリアにボアが生息している。

 ボアは魔素が少なくても、草原が広がっていれば、どこにでも現れる低級の魔物。

 一直線の直進攻撃しかしてこないが当たると危険だ。

 ボアの肉は筋肉質だが焼くとおいしい為、食堂で定期的に依頼が出される。


 「いたぞ。ボアだ。」

 まだお互いに距離がある。

 オリヴァーの攻撃方法は剣のみ。

 対してボアも突進の攻撃。


 「オリヴァー。特訓を思い出せ。突進に合わせてタイミングよく振り下ろすんだ。いけると思ったらボアの視界に入れば向こうから勝手に突進してくる。」


 「あぁ。分かった。」

 剣を握る手が震えている。

 

 「大丈夫。誰もが通る道だ。怖くて当たり前…実力通り発揮すれば真っ二つだから。」

 「頑張って、お兄ちゃん。」


 「そうだな。裏町みたいな生活に戻ってたまるか。」

 震えが止まったようだ。

 迷いも消えた。これならタイミングさえ合えば大丈夫。


 オリヴァーがボアの視界に入る。

 「こっちだ。ボア!!」


 ボアが気付いて、一直線に向かってくる。

 オリヴァーは練習通りに上段の構えをとる。

 

 避けながらの剣術は教えていない。

 最も力が入り、攻撃力のある上段からの振り下ろし。

 オリヴァーはそれを出来ている。

 いや…それしかない。

 あとは覚悟と度胸とタイミング。

 皆んながオリヴァーを見守る。


 スーッ。

 (あと少し……あと少し……よし、今だ。)


 シュッ!!ザンッ!!


 見事にボアを一撃で倒す事が出来た。

 練習通りの型。

 「凄い。凄いよお兄ちゃん。」

 「そうか。やったんだな…俺が魔物を。」


 こうして初めての魔物討伐、そして初の依頼が完了した。

 あとはボアの肉をギルドに渡せば受理されて報酬のお金を貰える。


 「良くやったな。回収したし、王都に戻ろうか。初めて経験で疲れもあるだろう。」


 「帰るの?もう少し見てみたいです。アモ師匠、ナタリー師匠の戦い方も。お願いします。」

 

 エミリーはそう言ったが、いつからナタリーも師匠になったんだ?2人はどうなんだろ。


 「ふふふ。見てなさい師匠の魔法を。ボアごとき一瞬よ。」

 「師匠か。そうか…私もか…ふふ。エミリー。私は魔法は使えない。でも見ていろ!!私の背中を!!」


 ダメだこれは。

 ボアが可哀想に見えてきた。

 

 それから2人が事あるごとにおだてられる。

 調子に乗ってボアを狩るわ狩るわ……。

 あっという間に計10匹。…まだ増えそうだな。


 「ルーベン……。2人ってあんなに強かったんだな。俺が死ぬ思いで、やっと1匹だってのに。」


 「気にするな。あれは可愛い妹キャラが増えて調子に乗ってるだけだから。」


 「でもアモの魔法は分かるけどよ。ナタリーの攻撃おかしくないか?さっきからオーラみたいの纏って、それで殴って、ボアの内部から爆発してるぞ。飛び散る血肉も避けてるし。」


 「あぁ。あれはボアごときに歯車ギアナックルをセカンドギアまで上げて、発勁はっけいを使って内部に衝撃を伝えているんだ。エミリーに見せたいのだろう。」


 「そうか。何言ってるか、分かんねぇ。」


 「そろそろ。妹を止めてくれ。そうしないと草原にボアがいなくなるぞ。」


 「あぁ。妹をあんな風にしないでくれよ?」


 「それを僕に言うのか?2人に言ってくれ。エミリーの師匠なんだから。」



 その日、ボアを狩りに来ていた低ランクの冒険者達は、皆んな口を揃えて同じ事を言っていた。

 『ボアが突進して来ない。』


 まるで何かに怯えている様に。

 人を見つけたら震えて動かなくなるのだ。

 ギルドに報告しても、原因は不明。

 3日程、同じ現象が続いたという。


 あぁボアよ…可哀想に…。

 もちろんルーベン達は知るよしもなく。

 王都を離れ潜入調査に向かうのであった。

 

 

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