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異世界転生〜神の能力少しだけ使えます〜  作者: ★わくわく★
第3章 テオドール学園編①

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第81話 寮部屋


 本格的な授業は明日からなので、寮に向かう事に。

 そこで女性陣とは分かれた。

 

 (んー。結局アモは機嫌が悪かったな。腹でも空いてたのかな?…分からん。まぁ明日になれば戻ってる事を祈ろう。まずは自分の部屋だな。)


 「ここが、男性寮です。」


 説明を受けた場所には、団地の様に6棟の建物が建ち並ぶ。1棟で1学年が入るらしく。6年間、使う部屋は変わらないとの事。


 そして部屋の番号を言い渡される。

 「ルーベン•アートルド。部屋番は101号室。」

 「はい。」

 鍵を渡される。

 なんでも試験での成績上位順なのだとか。

 (成績下位だと1番上か…良かった。トップで。)


 「ノア•ブラウン。102号室。」

 「はい。」


 (あの子は、茶髪イケメンのノア君。剣術科だから、話す機会がなかったんだよね。)

 ルーベンは声をかけてみる事に。

 

 「ノア•ブラウン君。ルーベン•アートルドです。6年間よろしくね。隣の部屋だし何かあったら頼っていいから。気軽にルーベンって呼んで。」


 「分かった。よろしくね。こっちも呼び方はノアでいいよ。僕もルーベンには聞きたい事がいっぱいあるんだ。荷物を整理したら、ぜひ話しをしたいな。」


 (やっぱり性格も良さそうだ。世の中には、いるんだよなぁ完璧超人が。)

 「じゃぁ終わったら僕の部屋に来てよ。」


 そう言って、ノアと約束したのだった。


 部屋の中は…一言で表すとシンプル。

 今まで無料で泊まっていた部屋が広くなっただけではあるが、1人で過ごすなら、このぐらいが丁度いい。

 人も何人か呼べるし。置きたい物も置けるし。


 コンコン!!

 きっとノアだろう。荷物の整理も終わった所だ。

 流石、完璧超人。ノックするタイミングも完璧だな。


 とりあえず床に座らせた。

 お茶でも出せたらいいのだけれど、残念ながら今は持ってない。

 

 「それで聞きたい事って何?」

 単刀直入にルーベンから話を切り出す。


 「まずは入学式の発言の事かな。僕も不正行為は反対だよ。起こっているなら辞めさせたい。でも本当に優勝出来ると思っているのかい?」


 やっぱりその話しだった。それはそうか。

 「うん。個人戦は自信あるよ。あとは団体戦の方だね。今はメンバーを集めてるよ。ノアが仲間になってくれれば心強いけど。」


 「いいのかい?実力を見ないで誘っても。僕は断る理由なんてないから、大歓迎だけど。」


 「もちろん。それにノアの実力は知ってるよ。試験で見てたから。これでノアが加入で5人目だから残りは3人。メンバーは後で紹介するよ。名前を言ってもまだ分からないだろうし。」


 「分かった。明日にでも紹介してくれ。あと僕が聞きたいのはルーベンの強さについてだ。剣術の試験を受けていた者なら誰もが見ていたよ。現役の王国騎士を倒した所を。アレには驚いた…良かったら…どうやってあれ程の力を得たのか教えて貰いたい。お願いする。」


 ノアは真剣な表情でお願いしている。

 何か理由があるのだろうか?


 「どうやってか……。努力した…って答えるしかないのだけれど。じゃぁ逆に僕から質問するよ。何か事情がある様に見えるけど、なんで力を求めるの?ノアは今でも十分に強いと思うけど。話したくないなら無理にとは言わないから。」


 「……そうだな。僕の事を調べればすぐ分かる事だし、ルーベンだから話すよ。それでも他言無用でお願いしたい。僕が力を求めるのは、ある魔族を倒し、弟を取り戻したいから。僕の家族を殺したその魔族を。」


 空気が変わった。

 言葉に重みを感じたから。


 (しかし…いきなりとんでもない事をぶち込んで来たな、この子。)

 「詳しく聞かせて貰えないかな。力になれるかもしれない。」


 それからノアが衝撃的な話をした。


ーーーーーーーーーーーーーーーーー


 アスタリア王国の北にある町。

 モーネの町。

 そこにノア達、家族4人で仲良く暮らしていたそうだ。

 父と母、ノア、そして仲の良い弟のニア。


 ノアの父は、昔は名のある冒険者だったらしく、引退してモーネの町で騎士として働いていた。

 

 そして今から1年前、5歳を迎えた弟ニアが鑑定の儀を受ける事になる。

 弟ニアは剣術、火魔法で高い適正を持っていた。

 あと不思議なスキル名が水晶に映し出された。

 そのスキルの名前は『運命うんめい操作そうさ』。


 名前   ニア•ブラウン

 種族   人族 5歳

 状態   ー

 武器   剣(A) E

 魔法   火(B) E

 魔力量  135/135

 スキル  運命うんめい操作そうさ 危機感知

 称号   なし


 神父様に聞いても、本で調べても、そのスキルの詳細は分からなかった。

 それでも、あまり気にせず生活を送っていたのだが、鑑定の儀から2週間程経った日に、事件が起きる。


 夜、皆が寝静まった頃。

 

 ノアは夜中に目が覚めて、弟ニアを起こさないように、1人静かにトイレに向かった。

 

 そしてノアはトイレの中で父の叫ぶ声を聞いた。

 『ノア!!ニア!!逃げるんだ!!』


 急いで飛び出した。すぐに父の元へ。

 父達の部屋に入ると、父と母の無残な光景…。

 一瞬で無理だと分かる…あるはずのモノが繋がってなかったから。

 それでもノアは弟ニアの元へ動いた。


 自身の部屋に戻ると、気絶したニアを担ぎ、窓から出ようとする男をノアは目にする。

 

 その格好は…黒い装束、不気味な黒い面。

 それに額からは角が生えている。


 外からは叫ぶ声を聞いて、近くの住民が駆けつける。

 

 その魔族は怯えるノアに一言、低い声で言い放つ。


 『運が良かったな。』

 

 そう言い残し、夜の闇に消えた。


 そして、ノアは1人になった。

 親を殺され、弟は行方不明。

 町の騎士団も総出で探すが手掛かりも何も出て来ない。

 

 唯一の情報は魔族の男。

 しかし子供の証言。

 確実な証拠も無い為、ガンダリアン魔国領には入れず。

 断念するしかない。


 それからノアは知り合いの家に預けられ、強くなる為にテオドール学園に入った。

 魔族の男を倒し弟を取り戻す為に。


 父が簡単にやられる程の実力者。

 だからノアは力を求める。


ーーーーーーーーーーーーーーーーー


 衝撃的な内容だった。

 ルーベンは怒りで、どうにかなりそうだった。

 

 (話を聞いただけで、この感情…ノアは一体どれ程の感情を抱いているのか…。)

 「ありがとう。話をしてくれて、ノアの力になれると思うよ。今度は僕の話を聞いてくれないか?」


 それからノアに包み隠さず魔族の事を説明した。


 ノアは驚いている。

 魔族が人族を滅ぼそうと動いている事に。

 弟ニアのスキルは、魔族にとって有能なスキルだったのだろう。


 話を終えると、ノアは団体戦のメンバーだけでなく、一緒に戦わせてくれと頭を下げてきた。


 しかしルーベンは答えを出せない。

 団体戦とは違う。命も懸かってくる。


 だから「1度考えたい。」と、お願いした。


 そしてノアと分かれ1人考え込むルーベンであった。

 

 (神様達に聞いてみるか…。)


 

 

 

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