第74話 三つ巴の戦い2
ゴールドロックドラゴンの標的がルーベン達に変わる。
その巨体ごと突進してくる。
体も光っている事から硬化のスキルを使っているのだろう、まさに攻防一体の攻撃!!
もの凄い揺れ、まるで山そのものが自身に向かって来ているみたいだ。
ルーベン達は必死に回避するも、生きた心地がしない。
途中、純黒の剣で牽制するも、強固な岩石で覆われた体で、傷一つ与えることができない。
「まさかこれ程とはね。僕の剣の威力じゃ無理だな。それにゾーイが邪魔をする。」
ゾーイの方も水魔法と鞭で牽制してくるので、このままだといずれ攻撃を受けるのは確実。
ルーベンは悩んでいると、ゴールドロックドラゴンがスキル大地脈動を使用した。
「ゴガァァァァーーーーーー!!」
声量だけで押しつぶされてしまいそうだ。
しかし問題なのは…スキルの方。
ゴールドロックドラゴンの足元から大地そのものが波を打ち始めた。
ルーベン達もゾーイもその場で立っているのがやっとだ。
「まずいな。なんだこの威力のスキルは?」
危機を察知し逃げるのなら空中しかないと感じたルーベンは、空中に石弾を敷き詰めた。
「石弾×1000」
一気に5000近い魔力を消費して発動した。
全てを操るのは無理だが、浮かばせる事ぐらいなら出来る。その意図を察してアモとナタリーは石弾を足場にして空中へと移動した。
その瞬間、波を打っていた地面から先の尖った岩石が次々と飛び出し襲い掛かった。
「間一髪だったな。」
「…えぇ。」「…そうだな。」
周りを見渡すと、数々の岩が…もの凄い光景だ。
足を止め、更に下から串刺し、なんてスキルだ。
ゾーイの方を見ると、魔力暴走中の魔法で自身の周りを吹き飛ばし攻撃を防いだようだ。
「力技か……ナタリー!!ギアを一段上げられそうか?」
「うん。上げられるよ。」
「よし。それなら作戦を変更する。ゾーイが魔力暴走を使用した事で状況が変わった。ゴールドロックドラゴンをアモとナタリーの2人に任せる。倒せるなら…倒してもいいぞ。その間にゾーイは僕が倒す。そして残りの魔力量からして大地脈動はあと1度しか使えない。恐ろしいスキルだが攻撃モーションも分かったしな、大地が波打ったら今と同じ様に石弾を空中に敷くから、それで回避しよう。」
「分かった。」
「まかせて。」
伝えたい事、言いたい事もあるだろうが、そんな時間はない。敵が動き出す。
3人視線を交わせ覚悟を表すようにコクリと頷く。
「信じてる!!行くぞ!!」
各々、自身が倒すべき敵の元へ向かう。
空中に残った石弾だが大地脈動で足場が悪い為、そのままにしてある。好きに使ってくれて構わない。
そしてルーベンはゾーイの元へ辿り着く。
2人を気にしている余裕などない。それ程の強敵。
背中を2人に任せてゾーイを睨む。
『その強さ魔将だろ?それに倒す前に1つ聞きたい…冒険者達を殺したのはお前だな?』
「あら…魔将を知ってるのね。そうよぉ。私は『6魔将軍』の1人『魔将ゾーイ』。人呼んで魅了の悪魔。それに冒険者?あぁ〜あの4人組のお馬鹿さん達の事かしら?私を取り合って殺し合いを始めたからぁ、私が殺した訳ではないわ。あっ!?でも残った1人は首を刎ねたのだったかしら。それが何?知り合いだったとか?それとも最後の言葉が聞きたいとかぁ?アハハッ。アハハッ。…それよりもお姉さんも聞きたい事があるわ。あなたの名前は?お姉さんの仲間にならない?その魔力量、それに高レベルの土魔法と闇魔法…お姉さんは、あなたが1番欲しいわぁ。」
『黙れ!!もう喋るな!!お前に名乗る名はないんだよ!!いくぞ、魔将ゾーイ!!』
「いいわねぇ。その目。お姉さんゾクゾクしちゃう。」
2人の魔力が膨れ上がり空気が振動する。
バリバリッビリビリッ!!
ルーベンは今までにない怒りを内に秘め
ゾーイとの最後の戦いが始まろうとしていた。




