第72話 開戦
頂上付近。
「メタルロックドラゴンの死体だ。丁寧にツノを回収しているな。やはり死因は内部からの魔法攻撃によるものだ。おそらく高レベルの水魔法使い。称号も持っているかもしれないな注意するぞ。」
それから進む事、メタルロックドラゴンの死体が計3匹。
同じ攻撃方法により絶命している。
ディアマンテ鉱山の頂上までルーベンの魔力感知が届く距離に来た。大きい2つの魔力を感知した。
「頂上で大きな2つの魔力。十中八九、メタルロックドラゴンと犯人だな。犯人は1人。そして…おそらく魔力の動きからして戦っている。ひとまず向かうぞ。状況を見てから判断する。」
2人は頷いた。
そこからは近付くに連れて大きな音が聞こえ始める。
地面もかなり揺れている。
それもあってか自分達の音に気を使う事なく移動が出来た。そして岩陰に隠れながら戦っている者を視界に入れることに成功する。
3人とも驚いた。
ひとつは今までに見た事がない大きさのメタルロックドラゴン。10メートルは優に超えている。そしてツノは黄金に輝いていた。
あとひとつは、戦っている者。
鉱山には似合わない黒いドレスを着た女。
長い青色の髪をしていて額からは長い角が生えている。
3人は目を合わせた。
「「「魔族だ!!」」」
「皆。思う所があるだろうが、ひとまず鑑定をする。鑑定!!」
名前 ゾーイ
種族 魔族 32歳
状態 ー
武器 鞭(B) B
魔法 水(A) A
火(C) C
魔力量 110/385
スキル 魅了 魔力暴走
鞭術(中) 魔術(大)
称号 鞭豪 水聖
名前 ー
種族 ゴールドロックドラゴン
状態 ー
武器 ー
魔法 土(A) A
魔力量 156/236
スキル 大地脈動 硬化
称号 なし
驚く事ばかりだが、2人に簡単に説明した。
「いいか?この鑑定内容を踏まえて作戦を言い渡す。見た感じ拮抗しているように見えるが、どちらが有利かと言えばゾーイの方だろう。魔族の目的は魔物を操作する事だ。おそらくある程度弱まった所で例の首輪を嵌めるつもりだ。そしたら魔族の仲間が増える事になる。今僕達が出て行って3対1対1の状況で戦った方が確実に有利。」
「毎回良く一瞬で判断出来るわね。そしたら……ゾーイを倒すまではゴールドロックドラゴンには攻撃を加えない方がいいわね。首輪を嵌められてゾーイの仲間にされちゃう。」
アモが冷静に判断して理解する。
ナタリーは頷いているだけだが、分かっていると信じよう。
「そうだ。まずはゾーイ、その後にゴールドロックドラゴンの討伐だ。分かりやすいだろ?鞭を使う相手との経験は少ない。皆でカバーしながら戦おう。僕達なら倒せるはず、絶対に死ぬなよ!!」
「「うん。」」
「よし!!まずは全員に闇魔法をかける。そしたら相手に気付かれるからな。準備はいいか?」
「まかせて、怪我しても私が治してあげるから。」
「前衛は任せろ。後ろには私が行かせない。」
本当に頼もしい。
君達が近くにいるだけで力が溢れて来る。
「「「闇魔法•闇纏、『純黒の鎧』『純黒の剣』『純黒の弓』『純黒の拳』」」」
ルーベンの全力の闇魔法。
いつもの黒とは違う。
まるでこれ以上に黒い色は望めないような真の黒!!
それが身体全体と武器に纏わりつく。
全員、純黒の装備を身につけた。
その瞬間、ゾーイとゴールドロックドラゴンが僕達の存在に気が付いた。
「あらあら。子供?でもぉ…強いわねぇ。お姉さんゾクゾクしちゃうわぁ。なんでこんな所に?なんて聞いても無駄よねぇ。その目、いいわぁ。まとめてかかってきなさい。」
ゾーイは僕達を敵と認識。
「ゴガァーーー!!」
ゴールドロックドラゴンも自身のナワバリに入ってきた者達を許す気などないようだ。
こうして三つ巴の戦いが幕を開けた。




