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異世界転生〜神の能力少しだけ使えます〜  作者: ★わくわく★
第3章 テオドール学園編①
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第68話 新種

 

 ダリオとの試験が終わり、会場を半壊させてルーベンは気付いた……少し…やりすぎたと。


 「君は一体?王国騎士を受験生が倒すなんて前代未聞だぞ。それにありがとう。君が助けに入らなかったら斬られていた。」


 そう言ったのはベンジャミン先生。

 ちなみにダリオは気絶したままどこかに運ばれた。謝ってもらいたかったのに。

 ルーベンは簡単に自己紹介だけして、ダリオと試験を受けた子供達の再試験を希望した。

 ベンジャミン先生も思う所があるのか、動いてくれるみたいだ。

  

 それだけを確認してその場から逃げるように

 魔法の実技試験に向かった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーー


 魔法の実技試験は2つある。

 

 1つ目の試験は、得意な攻撃魔法を50メートル先の的に向かって放つ。魔法の威力と精度を確認するみたいだ。


 威力は的を何枚貫通したか。精度は当たった場所が中心部に近い程、点数が高くなる。


 ルーベンの順番が来た。

 (今までの記録は3枚が最高記録か。少し全力でやってやる。)


 「石槍ストーンランス……闇魔法•やみまとい黒炎こくえんの槍!!」


 高速回転する黒炎の槍を的の中心部に放つ。

 狙い通り中心部に当たり、貫通していく。


 ガガガガガガガガガガッズドーーーーン!!!!


 「はっ?」

 すべての的を貫通し、そのまま会場の壁に黒炎の槍が突き刺さる。そこでようやく止まった。

 

 (いやいやいや、的は頑丈って言ったよね。)


 「き、き、記録。10枚。中心部…100点です……。」

 

 結果が言い渡され

 皆に変な目で見られる。

 ルーベンはまた逃げるように次の試験に移動する。


 2つ目の試験は、攻撃魔法以外の使える魔法を試験官の前で使用する。

 これなら問題ないと闇魔法と、攻撃魔法以外の土魔法を披露。驚かれたけど、被害はない。

 

 こうして実技試験が終わり、2日目が終了する。

 これで全日程が完了。

 

 合格発表は5日後。

 結果は学園の入り口に貼り出される。

 それまでは自由なのだが…。

 

 部屋に戻ると先に試験を終えていたアモとナタリーと合流する。試験の話を聞く限り、3人とも合格は間違いないと思う。


 そして合格発表まで何をするかの話になるのだが。

 ナタリーは鍛錬に励む。と言って。

 アモは王都の洋服屋さんとお菓子屋さんに行くと言い出す。だけどお金がない。親から持たされたお金は生活に必要な最低限のお金の為、無駄遣いは出来ない。


 そこでルーベンは…鍛錬も出来て、同時にお金も増やせる良い方法があると2人に提案する。

 2人は感じた。悪い予感しかしないと。


 「それなら。ここから西にある『ディアマンテ鉱山』に行こう。今から向えば明日の朝には着く。そこで上手くいけば洋服だろうがお菓子だろうが好きなだけ買えるお金が手に入るぞ。魔物もいるから鍛錬にもなるしな。ふふふ。」


 何度も見てきた。

 これは…やばい事を考えている顔だ。

 アモは答えた。

 「やっぱり私もナタリーと一緒に学園に残って鍛錬しようかなぁ。それに学生服あるから洋服買っても着る日なんてないだろうし。うん。そうしよう。ね?そんな上手い話ある訳ないじゃない。稼げなかったら馬車代で大損するよ。そうしましょう。」


 「……アモ。『ディアマンテ鉱山』には、まだ採掘されていない鉱物があると聞く。ルビーにサファイア、ダイアモンド……」


 ピクッ!!


 「あぁ〜売っても高額になるけど。加工してアクセサリーにしてアモが付けたら、きっと似合うだろうなぁ。それにここの鉱物を使用したアクセサリーを恋人に贈ると、2人は結ばれる。と有名なんだってさ。仕方ない諦めるか…学園に入ったら、こんな休みはないだろうし……。」


 ナタリーは思った。こんな単純な罠に引っ掛かる人なんて居ないだろうと。

 「行く……仕方ないわね。行きましょう。ナタリー。準備するわよ。」


 ズルッ。

 (さっき自分で言ったじゃないか、そんな上手い話なんてある訳がないと……。まぁ私は鍛錬になるのなら問題はないが。)


 こうして急遽、『ディアマンテ鉱山』に行く事が決まった。


 

 学園から近い西側の城門。

 

 荷物は4日分の着替えと武器ぐらいで大丈夫だと言われたので、リュック1つ。すぐに準備する事が出来た。

 そろそろ日が落ち始める頃。

 

 「ルーベン!!そっちは出口だぞ。夜行馬車で向かうのではないのか?」


 ナタリーがルーベンに声をかける。

 「私も『ディアマンテ鉱山』は聞いた事がある。歩いてだと行きだけで休みが終わってしまうぞ?全く…しっかりしてくれ。馬車でも今から出発して明日着くか分からない距離だと言うのに……ん?そういえば明日の朝に着くと言っていたな。そんな訳……まさか……。」


 見る見るうちにナタリーの顔が青ざめていく。


 「あっ。言ってなかった。」

 ルーベンは空を指差して。ニコッ!

 

 『飛んで行くよ。』


 

 「帰るぅーーーー。やっぱり行きたくない。アモ考えなおしてくれ。ルーベンを止めてくれぇ。」

 「ルビー…サファイア…ダイアモンド…それにアクセに…結婚……じゅるり。」

 (ダメだ。終わってる。)

 

 こうして嫌がるナタリーを無理矢理外に連れ出して。

 見えない所で石槍に乗り、空を飛んで向かうルーベン達。

 

 

 それを遠くで見ていた見張りの門兵が、夕日で影しか見えないが、見た事がないシルエットで空を飛ぶ3匹の魔物が現れたと報告。

 違う見張りも同じ事を口に出し。奇妙な鳴き声をしていたとも。

 

 その日、新種の魔物が出現か?と王都は騒ぎになったとか。


 「ギャァアーーアァーーーーーー。」


 ナタリーの叫び声が、落ちる夕日にこだました。


 



 

 

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