第66話 試験官
剣術の適正持ちは多いので
5ヵ所、同時に行われている。
名前を呼ばれるまでルーベンは他の子の戦いを観ていた。
あの子は凄いな。
髪は茶髪で顔も普通にカッコいい。
あれで性格も問題ないならモテモテだろうな。
名前 ノア•ブラウン
種族 人族 8歳
状態 ー
武器 剣(A) C
鞭(C) E
魔法 水(B) D
魔力量 102/122
スキル 剣術(中)
称号 なし
冒険者の人と互角に戦っているし、ノア君か覚えておこう。
ここで何ヵ所か観て気付いた事がある。
試験官として雇っている冒険者のレベルはC以上の実力者だが、人によって受験生の力を上手く魅せてくれる戦い方をしてくれる冒険者や稽古をつけるように弱点を教えながら戦う冒険者もいて、人それぞれだ。
これらは良い方で…あそこの会場の試験官は、時折、周りに聞こえないよう子供相手に罵声を浴びせ、痛ぶっている。
ルーベンは注意しようと動いたが、次の試合が始まる。
ところが先程とは打って変わって試験官の戦い方が変わった。
おそらく…わざと手を抜いて…負けたのだ。
周りの人達も驚き、勝った受験者に称賛の声を上げる。
おかしいと思い鑑定を使ったら苗字が一緒。
顔もどこか似ているから、そうだと思った。
ルーベンは声を上げる。
「1ついいですか?血縁同士の試験は認められていませんよね?そこの試験官のあなたと、そこの受験生。これは違反行為では?どうなんですか?」
試験官も周りの採点している人も誰も動かない。
「そうですか。全員がグルだと……君の剣術のレベルは、せいぜいDがいい所。どうやってもその未熟な腕では勝てるはずがありません。試験官の人もわざと負けて血縁者に勝ちをつけましたね。ズルした事を認めないのですか?」
周りがざわつき始めた。
その騒ぎを聞きつけて1人の男が止めに入る。
その人はベンジャミンと言うらしく。
テオドール学園の先生をしているのだとか、少しだけ歳はいっているように見えるけど、優しそうな先生だ。
事情を説明したら理解してくれた。
そして…その受験生は別の場所でもう1度試験を受け直すことになる。
甘い措置だと思ったが、用があるのはこの試験官の方。
ルーベンは怒りが収まらない。
「あなたは試験官という立場にもかかわらず。他の子を痛ぶり、罵声を浴びせた。将来トラウマになる子もいるかもしれない。怪我をした者もいる…再試験したとしても実力を出せないかもしれません。このテオドール学園に入る為に、みんな努力をしてきたんですよ!!それを、あなたは!!僕はあなたとの試験を臨みます。ベンジャミン先生いいですよね?どうせこの人の所で試験を受ける者など、もういないでしょ?」
「はぁ?ガキが言ってくれるじゃねぇか。いいぜ!!オレが試験をしてやるよ。」
ここでベンジャミン先生も間に入る。
「君。辞めなさい。先程、気付きましたが、この人はダリオ•トンプソン。王国騎士団に所属する騎士ですよ。確か親は男爵の地位を持っています。それに実力も本物だ。ズルして入れる王国騎士ではない。」
その言葉にニヤニヤしているダリオ。
「へぇ。父上から王国騎士団について話を聞いてましたが、こんなクズが入れるとは…。しかし笑えますね。王国騎士ともあろう方が冒険者の格好をして試験に紛れ込むとは。他の騎士が聞いたら笑い者ですよ。しかも男爵の地位を使ってまでズルをするとは……恥ずかしくないのですか?えーと。冒険者のダリオさん!!」
「…ぶち殺す!!後悔する事になるぜ。」
「決まりですね。それじゃ。やりましょうか。」
(王国騎士の実力を知れる願ってもない機会。)
こうして2人は向かい合うのであった。




