第64話 試験
試験当日。
初日は筆記試験。
歴史•国語•算数•魔法•戦術
どれもドライカの街の図書館で勉強したものばかり。
8歳にしては難しい問題だけど、国中から集まってくるんだ。明確に順位をつけるのなら難しくても当たり前か。
ちなみに受験人数1000人を超えていた。
この中で合格者は100人か。
早く問題を解き終えたルーベンは鑑定を使い。
気になる子を探す。
宝探しみたいで面白い。
王都まで来るだけあって普段見ている子よりも適正値が高いな…当たり前か。中には低い子もいるが…それも少数だ。
適正値はCが多い。Bがちらほら。Aは確認出来る範囲にはいない…か。
他の場所でも筆記試験はあるならな。
あの子は光属性持ちか。あの子もだ。
こう見ると結構いるな。適正値は高くないけど。
闇属性は……いないか。
アナ様が言ってたしな…確かフロムの世界に闇属性の適正持ちは100人程しかいないって言ってたしな。
先輩の中にいないかなぁ闇属性持ち。
いままで闇属性持ちには会ったことがない。
そうしているうちに筆記試験は終わった。
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「ルーベンどうだった?ちなみに私は余裕だったわ。」
なんか懐かしな。テストが終わったら聞いてくるこの感じ。
「凄い自信だね。僕も大丈夫かな。ナタリーはどうだった?」
「ありがとう。ルーベンのおかげで教えてもらった所がいっぱい出てきたよ。」
良かった。ナタリーには苦労したからな。
これで筆記は皆大丈夫そうだな。
「よーし。明日は実技だし。ここ最近、勉強三昧だったからな。散歩がてら、美味しいお菓子屋さんにでも行こうか。どうせフラン姉さんから教えてもらってるんでしょ?」
喜ぶ2人。
「やったぁー。やっと行ける。お菓子!お菓子!」
甘い物は疲れに効くし、僕も食べてみたいからね。
あとは明日の実技だけだ。
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2日目
実技試験会場。
午前中は適正事に分かれて同じ適正の試験官と戦う。
それを見て採点し成績を決めるそうだ。
ルーベンは剣術、アモは弓術、ナタリーは拳術で、それぞれ試験を受ける。
剣術の適正持ちが1番多い為、ルーベンの順番はまだ先。
2人の試験を観ることにした。
まずはナタリーの番。
学園が用意したメリケンサックのような物を拳に装着している。確かに武器でも優劣が出るから、同じ武器を使って試験するのは公平でいいと思う。
対する相手は、身なりからして冒険者の人だろう。
この時期は試験官として雇うと言っていたし。
鑑定した所、冒険者の拳術もC。ナタリーと同じだ。
結果がどうなるのか楽しみだな。
まず動くのはナタリー。
さっそく歯車拳を使っている。
前もって試合で使うスキルを説明すれば使えるらしい。
魔法は禁止だけど。
冒険者の人もナタリーの早くて力強い動きに慌てているな。
それに逆に型にとらわれていない、時折見せる独特の動きも悩ませているようだ。
僕も何回か組手をしたけど、やっかいだったからな。
まぁ1人では限界がありレベルも伸びにくいだろうし。今後、師匠は必要になるけれど。
そんな事を考えていると、ナタリーがギアを1段上げた。
「セカンドギア!!」
勝負はついたな。
ファーストで互角だったのだから。
「勝負あり。」
審判が止めに入る。
どうやら拳の寸止めで、終わったようだ。
セカンドに上げて一瞬だったな。
心配はしていなかったけれど。改めてナタリーの規格外の強さと才能に驚くルーベンだった。
周りの人達も驚いているな。
次はアモの番か。
ヤドリギの弓は使えないぞ。