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異世界転生〜神の能力少しだけ使えます〜  作者: ★わくわく★
第3章 テオドール学園編①

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第58話 ナタリー


 拳を構えているナタリー。

 

 「確かにゴブリンを1発で倒す弓と石弾の威力と精度は凄いと思ったわ。でもそれだけよ。集落には大勢のゴブリンがいるの、押し寄せて来て対応出来なくなって、そこで終わりよ。分かったら辞めなさい。」


 本気の目をしている。

 本当に僕達を心配しているのだろう。

 言葉足らずだけど、優しい子なんだな。

 

 「そうか。ナタリーは僕達が近距離での戦闘が出来ないと思ってるんだね。大丈夫。ナタリーより近距離でも僕の方が強いから。」

 

 何言ってるのよ。って顔をしているアモ。

 こんな単純な挑発乗ってくるかなとナタリーを見るルーベン。


 「へー。そこまで言うなら覚悟しなさい。」

 完全に顔が真っ赤で怒っている。

 単純な子だな。

 ルーベンが手をチョイチョイとかかって来いよと、更に挑発する。

 するとナタリーが拳で攻撃して来た。


 ブンッ!!

 パンッ!!!!


 すでにナタリーの拳が届く距離に居たのだが、神の目と闇纏やみまといを発動し、拳に纏いナタリーの攻撃を右手で受け止める。


 「それが、ナタリーの本気かい?それじゃ止められないよ?」


 更にブチ切れるナタリー。

 この子、純粋で単純過ぎないかな?心配になってくる。

 

 次は連打で攻撃を仕掛けるナタリーだが、すべての攻撃を受け止めてあげた。

 そしてついにスキルを発動してくれた。


 「歯車ギアナックル•ファースト!!」


 ナタリーの拳に魔力とオーラみたいなものが纏う。

 おそらく身体能力の向上かな。

 案の定、さっきよりも数段パンチのスピードと威力が増している。

 

 流石に手で受けるのは痛くなってきた。

 だから受けるのではなく。今度は手のひらで攻撃をいなすルーベン。そしてバランスを崩したナタリーの顎に拳を寸止めした。


 「………。あなた拳術も使えたのね。適正とレベルは?」


 驚いた表情をしているナタリー。でもどこか悔しそうだ。

 

 「ないよ。僕の武器適正は剣と弓だから。それに…ごめん。ナタリー。試すような真似をして、本当は君の実力を知りたくて挑発した。なかなか面白そうな戦い方をゴブリンとしていたから。」


 そう言ってルーベンは拳を戻す。

 しかしルーベンが気になっていたのは歯車ギアナックルの詳細について。


 「ねぇ。ナタリー。それで歯車ギアナックルを発動する時。ファーストって言ったけど。その上もあるの?あるんでしょ?そしたら能力もどんどん上がっていくのかな?ギアを上げる条件は?」


 すかさずアモが間に入る。

 「ごめん。この子…気になる事があったらすぐ自分の世界に入るの。気にしないで。それに悪い子じゃないから。」


 「フフフフ。そうか。ルーベンもアモも面白い子だな。止められない事は分かった。それなら一緒に着いて行く。それはダメとは言わせないぞ。」


 そうしてナタリーも一緒に行くことになった。

 あと2時間で日が落ちる。

 大まかな作戦を決めたルーベン達。

 まずは集落を探す事にしよう。


 村の外にやってきたルーベン達。

 

 「石槍ストーンランス×3。」


 みるみる3個の石槍が出来上がる。

 少し窪みがあるのだが、ルーベンとアモはそれに座ったのである。

 驚くナタリーだが、時間がないと無理矢理座らされた。

 大方予想はつくのだが…。


 「ナタリー、アモ落ちないようにしっかり掴まってね。」


 ナタリーは思った。やっぱり……と。

 「じゃ。飛ぶよー。」


 見る見るうちに上昇していく。

 村が見渡せる。

 「久しぶりに飛ぶわね。あー気持ちー。」

 アモは慣れたものだ。

 初めて空を飛ぶのを考案した時は毎日のように飛ばされた。しまいには雲の上も行ってみたいとか、止めるのに苦労したよ。ナタリーは……。


 「あわわわわわ。死ぬーー。降ろしてーー。」


 あれが普通の反応だ。アモが異常なんだよ。

 それを見かねてルーベンが話しかける。


 「ナタリー。大丈夫。座ってれば絶対に落ちないから。それにほら見てごらん。この綺麗な景色。凄いと思わない?ゆっくり目を開けてごらん。」


 そう言われてゆっくりと目を開けるナタリー。

 「……きれい…。本当だ。でも……怖いよ。絶対落とさないでよ!!絶対だからね。」


 「分かったから。落ち着いて。アモを見てごらん。あんなにはしゃいでるでしょ?大丈夫だから。それに僕達はゴブリンの集落を探すから、ナタリーは空の旅を楽しんで。」


 確かにアモは、楽しそうにしている。

 立ち上がろうとして、ルーベンに止められていた。

 それを見てナタリーも空を飛ぶのを楽しもうと思った。

 少し余裕も出てきたので集落を探そうとしていると……見つけた。きっとあれがゴブリンの集落だ。


 「ルーベン、アモ。見つけた。あれが集落じゃない?」


 「凄いわ。ナタリーは目も良いのね。ルーベン!ナタリーが見つけたわ。」

 

 「よし。よく見つけたね。負けちゃったよ。それじゃ少し離れている所に降りるよ。」


 そして少し開けた場所に降りる3人。

 単純なハンドサインも決めてあるので、ゴブリンの集落が見える位置まで静かに移動した。

 

 小さな声で話すルーベン。

 「魔力感知で…だいたい130ぐらいかな。それに1つだけ強い魔力があるね。おそらくゴブリンキングだと思う。上級魔物に分類されるけど、それは周りのゴブリンを従えての強さだから、単純な戦闘力でいうと中級の中から上って所かな。」


 「なっ!?」


 ナタリーは驚き、やはり止めようとした。

 私達でどうにかなるレベルではないと思ったから。

 ゴブリンだけなら、なんとかなると思ったがゴブリンキングがいるのなら騎士団を呼ばなくてはならない。

 それを知ってか、アモが制した。

 

 「大丈夫。ルーベンは凄いんだから。見てなさい。」


 「じゃ状況が変わったから作戦を少し変更するね。僕の魔法でゴブリンは殲滅するから。残ったゴブリンキングを3人で倒そう。アモは弓と魔法で援護と回復を、僕が接近戦を担当する。ナタリーは最初は僕達の戦いを見てて、その後、連携出来ると思ったら入って貰うから。」


 そう言って簡単に作戦は決まった。

 ゴブリンを殲滅すると言っていたが

 そんな事を本当に出来るのだろうか?

 信じられないが、アモの信じる目を見てると

 不思議と私もルーベンなら出来るかもしれないと思い始めていた。


 ルーベンが地面に手を置いて魔法を発動する。

 「砂地サンドピット。」


 するとゴブリンの集落、地面全体に魔力が行き渡る。

 膨大な魔力なのだが、それが一気に砂地に変わり集落全体が徐々に砂に沈み始めていく。


 ナタリーは口を開いて驚いていた。

 アモは当たり前の顔をしている。


 「これでゴブリンは砂の中に埋めて倒せるはずだけど、ゴブリンキングは流石に無理だろうね。自力で抜け出せる。」


 簡単に言うルーベンだが、


 「ギャーーー。ギャギャ。」


 ゴブリンキングの叫び声でナタリーも我に返る。


 「さぁ。ここからが本番だ。これに勝てないようじゃ目標に届かないからね。」


 「そうね。ロキさんとペンスさんの地獄の訓練……この2年で強くなったのを確かめるには、丁度いい相手だわ。」


 2人は立ち上がる。

 ゴブリンキングもこちらに気付いたようだ。


 「「「よし。それじゃ作戦通りに。」」」


 軽い感じで、そう言って

 ゴブリンキングとの戦いが始まるのであった。


 

 


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