第53話 報告
魔将レオンに負けた夜。
神様達に連絡をして話を聞いて貰った。
「そうか。そのような事が。ふむ…ルーベンの考えとるようにキリトが関わっていると見て間違いないの。」
そう言ったのは、ゼノ様だ。
ゼノ様の考えも魔王ディノンと堕神キリトは繋がっているとみて間違いないとの事。
5年前にフロムにやって来てガンダリアン魔国領に入ったキリトは魔王ディノンと接触。
レオンさんが言っていた数年前から魔王が変わってしまったと言っていた時期にも当てはまる。
でも何故戦争を臨むのか…それが分からない。
魔王ディノンも魔族を危険に晒してまで戦争を仕掛ける意味もない。確かに憎しみや恨みは多少は理由に上げられると思うけど。
そこでアナ様も口を開く。
「1つはっきりしているのが、キリトはゼノの封印を解く事が第1目標。だからレオンって奴を調査に向かわせた。失敗に終わったのだけれどね⭐︎」
「でも今回おかしな点がいくつもあるんですよ。封印を解くのに僕の持ってるゼノ様の力を狙っているには、1人しか調査に寄越していませんし。僕がキリトだったらレオンさんを向かわせません。確かにレオンさんは人族に顔も効き、堂々と街や村に入る事が出来るのはメリットですけど。もっと潜入や調査が得意な人員が居たはずです。」
そう言ったルーベンに反応するのはゼノ様。
「確かにの。話しに聞く限りはレオンという者は調査には向いてない。何らかの理由でレオンを国から遠ざけたかった。そのついでにルーベンを見つければ良し!程度に考えておったという方が辻褄が合うの。それか…新しい方法でワシの封印を解くやり方があるのやもしれん。」
それにはアナ様が
「考えすぎよ。ゼノの封印よ。簡単に解かれてたまるものですか⭐︎」
考えすぎなのかな。
もし新しい方法があるとしても思いつかないし。
「そういえばキリトの能力ってどんな能力なんですか?封印してあるから気にならなかったんですが。今思えば何かなぁって。」
ルーベンの質問に答えるのはゼノ様。
「キリトの固有魔法は『空間魔法』じゃ。空間を繋げて瞬時に違う場所に移動出来たり、逆に言えば好きな場所に攻撃も出来る。あとは自身で好きな空間を作ったりと…便利な魔法じゃよ。だから1番に封印したんじゃが。」
その能力の万能性に驚くルーベン。
同時に絶対に封印は解いてはならないと思う。
そこから、これからの訓練内容を話し。
魔族の動向については逐一報告する事に決まった。
考えすぎならいいけれど。
どうかレオンさんが無事でありますように。
そう願うルーベンであった。