第51話 魔将レオン
また最初のように向かい合う2人。
打って変わり動いたのはレオン。
ひと蹴りでルーベンの目の前までやってくる。
咄嗟にルーベンも魔法を発動。
「黒の壁。!!」
土壁に闇魔法を使った。ルーベンの防御魔法。
レオンもお構いなしに黒の壁に攻撃を加える。
「おりゃりゃ。」
ガンッガンッガガンッ。
スキルは使っていない。ただのパンチ…それを10発程当てただけでヒビが入り黒の壁が崩れる。
「スキルを使わなくても当てる場所を考えれば壊せると。化け物ですね。」
そう言ったルーベンは、いつの間にか距離を空けている。
「ハッ。何言ってやがる。化け物はお前だよ。ルーベン!!やっぱりルーベンが魔法を使ったんじゃないだろうな?」
笑いながら話しかけるレオン。
「そんな訳ないですよ。」
話しながらもルーベンは新たな魔法を発動していた。
ルーベンがギリギリ操れる特大の黒の槍。
10メートルはあろう。特大の槍に回転を加えはじめる。
ギュルギュルギュル………キュイーン。
高速回転。黒の槍の先端から熱を帯び、全体に広がっていく。そして槍に黒い炎が纏い始めた。
『黒炎の槍!!』
「これが今の僕が使える最大威力の魔法です。こう見えて土豪の称号も最近貰えたんです。レオンさん!!僕は…優しいあなたとは戦いたくない。話しをして気付きました。あなたが悩んでいる事を…だから魔王ディノンから手を引いてください。魔族との戦争が起きたとしても、必ず僕が止めますから。だから!!」
「……。そうか。ルーベンには分かっていたか。いいだろう。その攻撃!撃ってこい!!負けたらルーベンの言ったように手を引く。知っている事もすべて話そう。私が勝てば好きなようにやらせて貰うぞ!!」
『来い!!!ルーベン!!!』
スーッ。
『黒炎の槍!』
キュイーン…シュン!!
「はぁー。」
レオンは膝を曲げ腰を落とし正拳突きの構えをとる。
集中し目の前に迫る黒炎の槍を右拳で突いた。
ドンッ!!!!
空気が揺れる。
拳と槍がぶつかり合う。
拮抗しているように見えたが。
レオンはスキルを発動した。
『金剛力!!!』
発動した瞬間レオンの体が光り輝く。
ドドーーーーーン!!!
それからは一瞬だった。
黒炎の槍が吹き飛び…いつの間にか僕の後ろにレオンさんがいた。
「もっと強くなれ。ルーベン。」
トンッ。
「レ…オ……」
バタッ。
レオンさんは一言、言い残し僕は意識を失った。
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凄まじい衝撃。土埃。
そこから歩いて出てくるのは…レオン。
腕の中にはルーベンが気絶している。
それを見たペンスは、急いでレオンの元に駆け寄る。
「大丈夫だ。気絶しているだけだ。すぐに目を覚ます。」
そう言ったレオンはどこか寂しげな表情をしていた。
ルーベンを手渡されたペンスはレオンに話しかけた。
「アンタは一体?」
1度ルーベンを見て答えた。
何かを決意した表情で。
「私は、魔将レオン!!!ガンダリアン魔国領6人の将軍の1人。魔将レオンだ。お前達が以前戦った魔族も魔将の地位にいる。今回、魔法の調査で来ていたが魔王ディノン様には、何も見つけられなかったと報告しよう。」
「なっ!?」
「いいか。1度しか言わぬ。5年だ。5年でもっと強くなるようルーベンには伝えておいてくれ。あとブルーマウン美味しかったとな。」
それだけ言い残しレオンは土埃の中に消えてしまった。
こうして拳王レオン……いや魔将レオンとの戦いは幕を閉じた。
決して忘れられる事のない敗北と共に……。




