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異世界転生〜神の能力少しだけ使えます〜  作者: ★わくわく★
第2章 ドライカの街②
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第44話 正解


 コカトリスは頭部だけなくなり湖に浮いている。

 その光景を見たネヴィル子爵は、口を大きく開けて固まったままだ。


 ロキが現実に戻そうとネヴィル子爵の肩をゆする。

 どうやら戻って来たようだ。

 「あっ。すまない。しかしなんだあの腕は?」


 それからロキとルーカスがネヴィル子爵に説明している。


 残った面々は、母アンネ、姉フランはピクニックの準備を、兄グルーガと兄マルク、ルーベン、そしてアモはコカトリスの回収に向かった。

 毒の水となってしまった所、ここで活躍するのがアモの回復魔法。まだ現れてから時間も経っていない為、浄化する事が出来た。


 これでフーリの湖は無事に使える。

 あとはこの陸にあげたコカトリスだが…どうやって持って帰ろう。

 アモは女性陣の所に戻っていった。

 兄グルーガと兄マルクは興味津々だ。

 皮膚を触ったり、尻尾をいじったり。特に兄マルクはコカトリスの食べられる所を探していた。食ったら死ぬぞ……たぶん。


 考えていると、父上逹がこっちにやって来た。

 話しが終わったのだろう。

 そこでコカトリスについてどう持ち帰るのか相談したところ。ネヴィル子爵が手配してくれる事に決まった。

 これぐらいは、やらせて欲しいと言ってきたので、そうする事にした。


 こうして無事にコカトリス討伐作戦が完了したのである。


ーーーーーーーーーーーーーーーーー


 それから、釣りをしたり。

 湖に入って泳いでみたり。

 お茶を飲みながら話しをしたり。

 寝転んで横になったりと各々、休日を楽しんだ。


 

 母上とルーカスさんが作った美味しいお弁当を皆で食べ終えると、アモに散歩に行こうと誘われたので、いまは2人で湖の周りを歩いている。


 「あっ。あそこに座ろうか。」

 そう言って横になった木に腰をかける。


 「ドライカの街に来てから3ヶ月ぐらい経ったけど、慣れた?」


 「うん。最初は不安もあったけど、こんなに楽しいとは思わなかったよ。」

 アモが満面の笑みで答えた。


 「そうか。良かった。そういえばさっきの弓。カッコよくて綺麗だったよ。」


 「そそそ…そう?」

 顔を赤らめて、下を向いてしまう。


 「うん。あとアモに渡したい物があってね。ちょうどいいから今日渡そうと思ってたんだ。手を前に出してくれる?」


 スッーと手を前に出す。

 そして手を握られる。……恥ずかい、それに心臓が爆発しそうだ。


 そして人差し指に白い透明な指輪が付けられていた。


 (きれい。光が当たる箇所により色も変わる。)

 「ありがとう。大切にするね。でもどうしたのこの指輪。どうせルーベンの事だから何かあるんでしょ?」


 「ハハッ。そうだけど、僕が初めて最初から最後まで作った魔道具なんだ。ブラッドウルフとメタルスライムとか余った材料で作ったんだよ。それには魔力を溜め込む事が出来るんだ。そして魔力が足りなくなったら指輪の魔力を使う事が出来る。試しに魔力を込めてみて。」


 魔力を込めると透明だった指輪が赤く光りはじめる。

 わたしの髪よりも更に赤いとってもきれいな赤。


 (わたしは…いつもルーベンに貰ってばかり…)

 「ルーベン。少し目を瞑って?」


 「うん。瞑ったよ。」


 チュッ。

 

 ほっぺにキスをされた。

 ゆっくりと目を開ける。

 僕も顔が赤くなっている事が分かる。

 アモも赤くなっている。


 ヒュー。心地よい風が吹き。

 少しの沈黙…………。


 「ただのお礼よ。そうよ。フランお姉ちゃんに言われたのよ。ほっぺにキスぐらい誰でもするわ。わたしはもう行くわね。ありがとう指輪。」

 (今はこれぐらいしか返せないけど…必ずルーベンの隣で並べるような人に……。)


 そう言って走っていく。

 

 (あぶない。あぶない。ドキドキしてしまった。でも……。)




 ガサッガサッ。

 「もぉー。ママちょっと向こうにいってよ。少ししか見えなかったじゃない。」


 「恋ね。アモちゃんは強がるタイプなのね。」



 どこにでも現れる女性陣。

 「母上。フラン姉さん!!」


 ビクッ。ガサッ。

 「もぉバレちゃったじゃない。」

 「昔を思い出すわぁ。」


 母上もフラン姉さんも諦めたのか顔を出す。

 怒る気にもなれずに、恋心に対して疎いルーベンは、知りたい事が口に出る。


 「僕は…一体何が正解だったのでしょうか?」

 

 ついつい出てしまった。この言葉。

 2人に、それをタブーと分かっていても…聞きたくなるのが恋愛話。


 恋愛には正解がないのが…また面白い。


 家に帰るまで盛り上がる2人を見ながら、波乱のピクニックが終わるのであった。



 

 

 一方、先に帰っていたネヴィル子爵

 (そういえば…ロキは何もしてなかったな。)





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